【史実のように発信された謎情報データベース】188cmで容姿端麗の俺ヤスケ、平均身長150cmの日本人から神のように崇められてしまう。え、黒い肌は大黒天の証だって?【なろう侍の作り方】
「弥助の魅力を海外に伝える立場の方々にお願い」という項目でも触れたのですが、どうも弥助のパワフルさをプレゼンする手法に、日本人の感情的な反発を招く要因があるのではないかと。あと、身長無双エピソードを語るときの熱量の上がり方にも少し引いています。 togetter.com/li/2379650?pag…
2024-07-17 19:29:00私はロックリー氏の学説に対して「これは間違っている」という批判はしてこなかったのですが、一点だけ感情的に「嫌だなぁ」と思うものがあります。それは「日本人は弥助の肌の色を見て大黒天の化身として敬った」という学説です。 x.com/laymans8/statu…
2024-07-17 19:49:14ロックリー氏の創作の権威付けに利用されているだけでした。『日本におけるアフリカ像の変遷』にそんな記述は存在しません。 「安土桃山時代の日本人の黒人観は、黒人を見て驚き喜んだ以外、知ることはできない。見て喜ぶことは喜んだが、その有様を見て侮蔑の感情を同時に抱いたかは不明である。」 pic.twitter.com/IxJcqiazdl
2024-07-12 22:38:31黒人を敬っていたことが受け容れられないという話ではありません。どうしても『白い神』の伝承と重ねて見てしまうのです。白人の研究者が『黒い神』の伝承を作り出して、黒人コミュニティに広げる行為は、捉えようによっては物凄くグロテスクに思えます。 ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD…
2024-07-17 19:49:14私はアジア人差別に対してかなりアンテナが高い方だと思いますので、このような見方が正しいのか自分の中で確信をもって言えません。ただ、弥助の魅力を広める手段として(後々を考えると)あまり良いアプローチではない気がしてしまいます。
2024-07-17 19:49:14学説を手段・アプローチというのは失礼ですね。ロックリー氏の行動原理は、弥助をより魅力的に見せることだと思いますので、そこに差別的意図は感じないということを言いたかったのです。
2024-07-17 19:53:19ロックリー氏の小説に対する外国人の批判(アサクリ騒動以前)
「弥助の巨体とパワーの前では、伊賀ボーイのフェイントを駆使したニンジャ殺法も通用しないのだ」 これは忍者軍団と弥助の戦いを、私がニンジャスレイヤー風に意訳したものなのですが、炎上を煽りたいユーチューバーが「こんなふざけた内容の小説が売れるなんて外国人は馬鹿ばかりか!」と拡散してしまいました。 どうやらTLを見る限り、一般外国人さんの認識に絶望している方もいらっしゃるようなので、アサクリ騒動以前からロックリー批判をしてきた外国人もいるよ、むしろ批判は外国発だよというまとめです。
2024-07-20 2:28:592019年、伝記小説『African Samurai ~伝説の侍 弥助の真実の物語~』が日本国外で発売されました。この本は高い評価を受けているのですが、これをノンフィクションとして売り出したことに対しては、当初から低評価が目立ちます(すべて騒動以前のレビューです)。 pic.twitter.com/oweBzN6ew2
2024-07-20 2:34:15共著者のWikiでノンフィクションに分類されていたのですが、今見たら削除されてました。Wiki情報&True Story&レビューからノンフィクションとして出版されたと思っていたのですが、どういうことなんでしょうか? en.wikipedia.org/wiki/Geoffrey_… pic.twitter.com/ye57IxBEvi
2024-07-21 3:38:12XやReddit,Wikipediaでも、ロックリー氏の小説をソースに自説を開陳する弥助ファンボと、それはロックリー氏の創作だと反論する批判派がバチバチに戦っていました。これも騒動以前の話。 「日本人は彼を神だと思った。常識的に考えて、初日に何の理由もなく戦士の地位を得たり、祝賀会が開かれたりすることはない。 」 「遠慮なくソースを提示してほしい。 」 「30秒でCNNのソースを見つけられたよ。」 「それの出典、ロックリーのAfrican Samuraiじゃないの?」
2024-07-20 14:02:45あと、日本在住のオリバー・ジア氏も、騒動前から定期的にロックリー氏を取り上げてバズっていました。彼はジェイク・エーデルスタインも批判してきたので、ロックリー氏にも同じようなものを感じ取ったのでしょうね。 x.com/OliverJia1014/…
2024-07-20 14:17:17Looks like Thomas Lockley is trending for more ridiculous claims, such as that Sengoku-era Japanese people owned African slaves for social status. I’m really tired of talking about Lockley and Yasuke. See my article from last year refuting his book. foreignperspectives.net/p/yasuke-afric…
2024-07-18 16:44:18それにしても現在と比較すれば小さな範囲に留まる批判でした。日本国内の反応と同じです。知る人ぞ知る案件。本来ならスルーされてきたであろう問題が、明るみに出たのが今回の騒動になります。 x.com/laymans8/statu…
2024-07-20 14:30:14現在の状況は(フェイクに基づく理不尽なバッシングを除けば)5chの一スレに留まっていた話題が、アサクリ騒動の余波で全国規模に注目されてしまった結果なんですね。要するに、日本人に見つかってしまったと。
2024-07-17 21:24:56最後に、ブログで長文の批判を繰り広げる外国人さんを紹介します。これを読むと小説のおかしなところと、弥助を取り扱うことの厄介さが分かるかと。騒動以前、2019年の投稿です。 「悲しいことに、この本と弥助について真実を述べる勇気を持つ人はほとんどいないだろう。そのような人たちは、差別主義者呼ばわりされたり、自分の述べた真実を信用させまいと攻撃されたりする危険性がある」 「私が『この本にはあまり期待していない』と投稿した後、私が住んでいると思われる場所を教えることで、私の名誉を傷つけようとする人たちが既にいた。ありがたいことに、彼らは私の妻が亡くなり、子供たちが大学に行くために引っ越す前の古い住所を使い続けている。」 「学術界という、政治的に正しい攻撃文化に特に弱い分野で働く人々のうち、事実を正すことでキャリアを危険にさらそうとする人は殆どいないだろう。」 coloradospringsninjutsu.com/Ranting_and_Ra…
2024-07-20 15:08:01これに関しては頷ける部分が多いです。彼は文献を引用することについてまったく理解が足りていないか(そんなことはないと思いますが)「どうせバレないだろ」という感覚で、創作の権威付けに利用している疑いがあります。 「この章の注釈の中で、著者はターンブルの忍者に関する本を2冊挙げているが、どちらも上杉暗殺については一言も触れていない。」 「したがって、著者が使用する情報源は、すべて疑ってかかる必要があります。多くの学生が行うようなこと(課題を書いて、教師がわざわざチェックしないことを期待して、読んだこともないような本をリストアップするようなこと)をしないでいられるとは思えません。」 「『よく研究されている』というレビューは、リストアップされたすべての本を読み、彼らが書いていることと照らし合わせて、チェックしたことのない者の言うことであれば、割り引いて考えなければなりません。」
2024-07-20 15:25:38引用を明記した上で「そんなこと書いてありませんでした」と分かったのはこの辺りですかね。スクリーチ氏の一文が学説というのならこのリストから外れますが。 x.com/laymans8/statu… x.com/laymans8/statu… x.com/laymans8/statu… x.com/laymans8/statu…
2024-07-20 16:01:02国会図書館でタイモン・スクリーチ氏の文献を調べました。結論から言うとスクリーチ氏ご本人の弥助に関する認識が滅茶苦茶で(専門外だから当然)、学説などと言えるレベルのものではありませんでした。後ほど該当箇所を引用します。 x.com/laymans8/statu…
2024-07-10 20:19:35ロックリー氏のCNNインタビューでも確認できる 「イエズス会の記録によると、信長はすぐさま弥助を侍に取り立て、従者や住居、扶持(ふち)まで与えたとされる。」(2019) そんな記録は無い。英語訳本が存在しないことから「イエズス会の記録によると~」は、気軽に使われる傾向にあるのかも。
2024-06-23 22:36:13推論は省くとして、明確な誤りは「容姿端麗」の誤訳、「188cm」のサバ読み、「弥助という名前は信長自身から授けられたものであり、大きな名誉であった」と家忠日記の記述を捏造など 「侍の位を与えられ」「相当の俸禄を得た」と明言、「仲間が全員死んだ後投降した」と脚色したこともよろしくない
2024-07-14 20:00:47騒動下、ブリタニカを編集していたことが判明
7月16日、ブリタニカの弥助の項目がロックリー氏によって(正々堂々)編集されました。これはWikipediaのようなオンライン百科事典ですが、承認システムがあるため英語圏ではWikipediaよりも上等なソースとして扱われがちです。 britannica.com/biography/Yasu…
2024-07-18 22:23:24ただ、このような記事でもファクトチェックを通過し、良質なソース扱いされてきましたので(弥助の項目に限って)その精度は推して知るべしかと。 pic.twitter.com/tIxMuEQp9F
2024-07-18 22:42:53日本大学法学部准教授トーマス・ロックリー、SNS全削除逃亡から昨日になって突然オンラインのブリタニカ百科事典の弥助の項目を上書きして「異論もある」「可能性」「推測している」とフンワリ表現に変えたみたいだけど、「日本の一般の歴史家は弥助を侍と考えている」ってそこだけは捏造のままなの…
2024-07-17 22:01:57ブリタニカには日本人は弥助を大黒天と思ったのではないかと言うロックリー独自の考えが記載されているが(ロックリーの考えとしている)査読あり版にはない。
2024-07-17 10:44:16
【なろう系侍の作り方】188cmで容姿端麗の俺ヤスケ、平均身長155cmの日本人から神のように崇められてしまう。え、黒い肌は大黒天の証だって?敵は6万人の忍者軍団&武田の最強騎馬軍団!30人のエリート部隊に抜擢されたけど、周りはほとんど信長様のお手付きで...【史実として発信された情報まとめ】
一応言っておきますが、ロックリー氏に誹謗中傷とか絶対にしないでください。今回のまとめではWikipediaとロックリー氏をピックアップしましたけど、日本発の創作弥助のポテンシャルもありますし、伝説の黒人侍を求めるブラックナショナリズムとか、多文化主義の象徴にされたことによる各方面からのブーストとか。様々な要因が重なって出来上がった地雷なんです。誰か一人を叩けば済む話ではないので冷静になってください。