私見ではあるが、自分勝手にアドリブ芝居をするのではなく、他の役者や物語の流れを高度に計算した上なのだろう。
だからその場にいながら、彼がアドリブ芝居をしていることに気がつかない役者もいる。
後から見直して、初めて彼がアドリブをしていたと分かるのだ。これは理屈ではなく彼の特殊な才能で、決してまねをする気にはならなかった。
赤塚真人さんと二度と芝居ができない悲しみは大きいが、彼の最後の舞台をともにできたことは、私の中の宝物でもある。
■大鶴義丹(おおつる・ぎたん) 1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督。88年、映画「首都高速トライアル」で俳優デビュー。90年には「スプラッシュ」で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。NHK・Eテレ「ワルイコあつまれ」セミレギュラー。
8月29日~9月2日には、東京・三越劇場で上演の「リア王2024」に出演する。