【史実のように発信された謎情報データベース】188cmで容姿端麗の俺ヤスケ、平均身長150cmの日本人から神のように崇められてしまう。え、黒い肌は大黒天の証だって？【なろう侍の作り方】
日本のWikipedia発の弥助伝説
弥助は正式に武士の身分に取り立てられた
弥助が侍か否かは解釈の話になります。
解釈で武士 or 侍と主張することに関しては、何の問題もありません。
ラム・マイヤーズ @laymans8弥助が「正式に武士の身分に取り立てられた」という記述は存在しないのだが、「イエズス会日本年報に記録がある」とX氏が（なぜか）勘違い。誤った内容は2015年7月から9年間放置され、弥助は正式な通過儀礼を経て侍になったのだと多くの人が誤解した。 pic.twitter.com/fWaDDnkDfL
2024-06-23 12:35:20
拡大 ラム・マイヤーズ @laymans8ロックリー氏のCNNインタビューでも確認できる 「イエズス会の記録によると、信長はすぐさま弥助を侍に取り立て、従者や住居、扶持（ふち）まで与えたとされる。」（2019） そんな記録は無い。英語訳本が存在しないことから「イエズス会の記録によると～」は、気軽に使われる傾向にあるのかも。
2024-06-23 22:36:13日本政府が弥助は侍だと認定している
ラム・マイヤーズ @laymans86月以降、海外の弥助ファンボの間で広まり始めた説。アフリカ各国の情報をまとめた外務省HPの内容が元ネタ。wikiの誤情報（2013年6月～）をそのまま引用したと思われる。有名日本人ゲームクリエイターも騙され弥助侍説の拡散に一役買った。なおbushiをgoogle翻訳するとsamuraiになるので注意が必要。 pic.twitter.com/zqN1fxR6OG
2024-07-06 22:10:48
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拡大家忠日記に弥助は武士とはっきり書いてある
ラム・マイヤーズ @laymans8「弥助は下人や年季奉公人のような隷民ではなく扶持もちの士分であったとはっきり書かれている。」「自分と同じ扶持もちの家来であることも大きな驚きであったと思われる」 X氏が自身の解釈を「日記に書いてある」と主張して拡散。2015年から削除と本人による復活を繰り返し、結局9年間放置される。 pic.twitter.com/NjyTjRVDnG
2024-06-23 12:39:47
拡大弥助は家来を引き連れて巡察任務をこなした
ラム・マイヤーズ @laymans8海外では「戦場での活躍と巡察任務が評価されて武士団の中枢に駆け上がった」いうストーリーラインが有名。 これは「信長は大いに喜んでこれを庇護し、人を附けて市内を巡らせた。」というイエズス会日本年報の記録を拡大解釈したもの。日本語訳が分かりにくいのでポルトガル語原文をあたると・・・ pic.twitter.com/qyV19Ynfk1
2024-06-23 12:39:47
拡大 ラム・マイヤーズ @laymans8"de que elle muito gostava, agora o favorece tanto que o mandou por toda a cidade com hem homem seu muito privado pera que todos soubessem que elle o amava" 「信長が気に入っているので、その寵愛を皆に知らしめるために自分のプライベートな人物（近習）を一人付けて市中に送り出した。」
2024-06-23 12:39:48 ラム・マイヤーズ @laymans8要するにトロフィーワイフを市中の人に見せびらかしたという、実に信長らしいエピソードであった。少なくとも巡察任務のことではない。
2024-06-23 12:39:48信長には弥助を城主にする計画があった
ラム・マイヤーズ @laymans8近習連れの弥助を見た町民が「信長は弥助をトノにするのではないか」と語った話が、A氏の勘違いにより「信長が弥助を気に入り、ゆくゆくは「殿」（城主）にしようとしていた」という信長の計画の話にすり替わった 2013年6月から11年間放置。漫画家、歴史ブロガー、歴史専門家など多方面に影響を与えた pic.twitter.com/2UsfdK8ITD
2024-06-23 12:42:24
拡大徳川重臣「あの弥助は自分より身分が高いのだなぁ・・・」
ラム・マイヤーズ @laymans8松平家忠（X氏） 『上様の直参である弥助の方が、陪臣に過ぎない自分よりも立場は上なのである』 元ネタは2018年5月にX氏が家忠の心情を想像してwikiに追記したもの。 有識者に見つかり「お前の感想文を書くな」と怒られるまで1年間掲載。 pic.twitter.com/nFmkywklGF
2024-06-23 19:41:46
拡大 ラム・マイヤーズ @laymans8BBCインタビューにも登場したアフリカ系の映画製作者他が2019年に拡散。関連性は不明だが弥助の身分の高さを証明するため「家忠日記を見ろ」と主張する外国人は非常に多い。 pic.twitter.com/MJAlOOj45h
2024-06-21 22:19:39
拡大このアフリカ系映画製作者のHPはYasuke検索でも上位に表示されるため、影響力はそこそこあると思われます。彼の発言についてはこちら。
https://togetter.com/li/2379650#h23_0
ちなみにロックリー氏は学術書『信長と弥助』の中で「正式には高い身分を与えられていない」「弥助が出世する時間はなかった」と明言しています。
弥助は武田の騎馬軍団と戦った
ラム・マイヤーズ @laymans8甲州征伐完了後、富士遊覧などしつつ帰還途上の信長に同行する姿を松平家忠が目撃。信長軍団は戦闘をしていないが、日本版wikiでは「甲州征伐に従軍」。英語wikiでは「戦歴」として長い間掲載されていたため信じる人が多い。 pic.twitter.com/8ph0LgV5Pq
2024-06-23 19:41:47
拡大弥助を解放するため光秀が敢えて差別発言をした
ラム・マイヤーズ @laymans8「黒奴は動物で何も知らず、また日本人でもない故、これを殺さず」 これは同時代人または織田家臣の弥助に対する認識を示唆する記述だが、2013年に「弥助を殺すことを忍びないと思った光秀が生かすための方便であったとする意見がある」とB氏が併記したことで拡散。 pic.twitter.com/7OtIPTgxIk
2024-06-23 12:48:15
拡大 ラム・マイヤーズ @laymans8引用文献の著者は「知の欧米偏重に対する怒り」から筆をとり、「戦国時代の日本人は黒人を珍重したが侮蔑感情の有無は分からない」と主張している。 この美談は光秀ファンの他、愛国者の方々にも大変ウケが良く、国内で広く拡散。なお、海外では差別発言があったこと自体あまり知られていない。
2024-06-23 12:48:16 ラム・マイヤーズ @laymans8光秀による差別発言は、海外主要メディアでは完全にオミットされている。騒動以後はより単純化され「弥助が見せた忠誠のために解放された」というストーリーが歓迎されることに。日本文化紹介チャンネルの3年前の動画が切り抜かれ広く拡散した（約600万再生）。 pic.twitter.com/Ve5rR4lMMc
2024-07-07 7:23:58
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【なろう系侍の作り方】188cmで容姿端麗の俺ヤスケ、平均身長155cmの日本人から神のように崇められてしまう。え、黒い肌は大黒天の証だって？敵は6万人の忍者軍団＆武田の最強騎馬軍団！30人のエリート部隊に抜擢されたけど、周りはほとんど信長様のお手付きで...【史実として発信された情報まとめ】
一応言っておきますが、ロックリー氏に誹謗中傷とか絶対にしないでください。今回のまとめではWikipediaとロックリー氏をピックアップしましたけど、日本発の創作弥助のポテンシャルもありますし、伝説の黒人侍を求めるブラックナショナリズムとか、多文化主義の象徴にされたことによる各方面からのブーストとか。様々な要因が重なって出来上がった地雷なんです。誰か一人を叩けば済む話ではないので冷静になってください。