賠償額220万円…「Colabo名誉毀損裁判」判決が暗示するネット空間の“深刻な問題”
判決の内容に原告側「満足している」…しかし
この判決について、原告側弁護団の神原元弁護士と仁藤氏は以下の通り評価する。 神原弁護士:「(被告の投稿は)真実に反し、端的にいえばデマであると明確に認定をしていただいた。この点について、我々弁護団としては非常に満足している」 仁藤氏:「長い時間をかけて私たちが築いてきた少女との関係やシェルターでの暮らしや安心感が、2年近く続いている被告のデマによって壊されたということで、深く傷ついている少女もたくさんいる。 被告のデマが拡散されるなかで、精神的に苦しくなったり体調を壊したりする少女もいた。 今回、裁判所が被告のデマを認定し、このような判決をいただけたことで、少女たちもほっとしてくれるのではないかと思っている」 他方で、判決で認定された被害金額が220万円だったことについては、懸念も示された。 仁藤氏と角田由紀子弁護士は、220万円という金額が、Colaboが2年間受け続けてきた被害とは釣り合わないと訴えた。 仁藤氏:「SNSで大量のデマが流されることの影響は本当に甚大で、注文していないものが届く『送り付け』が数百件、殺人予告やレイプ予告、爆破予告が今でも続いている。 支援活動で使用しているピンクのバスの駐車場の写真と位置情報がSNSに投稿され、それをきっかけにバスが切り付けられる被害も起きた。 また、シェルターが特定される被害も深刻で、シェルターや活動拠点を複数移転・閉鎖しなければならなくなった。220万円では済まない膨大なお金と労力がかかっている。私の自宅を特定しようとしたり、活動拠点へのつきまといや監視、活動現場への突撃・妨害などもあった。作り上げてきた地域での暮らしや関係性が壊され、少女たちも傷ついている」 角田弁護士:「裁判所が認定した事実に比べて、慰謝料額があまりにも低いのではないかということに非常に大きな違和感を覚えた。なぜColaboのような活動が必要とされる社会なのか、その実態に対する裁判所の理解が浅いのではないか」