2023.4.18

ソール・ライター展が今夏、渋谷ヒカリエで開催へ。新たに発掘された作品を含む400点以上が集結

2017年と20年に2回にわたってBunkamura ザ・ミュージアムで行われ、大きな反響を呼び起こしたソール・ライター展。新たに発掘されたライターの作品を含む400点以上の作品が紹介される展覧会「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」が、渋谷ヒカリエ9F・ヒカリエホールで開催される。会期は7月8日〜8月23日。

ソール・ライター 無題 撮影年不詳 © Saul Leiter Foundation
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 今年4月から休館(オーチャードホールを除く)している「Bunkamura」。その美術館である「Bunkamura ザ・ミュージアム」が、渋谷ヒカリエ9F・ヒカリエホールにて展覧会「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」を開催する。会期は7月8日〜8月23日。

 Bunkamura ザ・ミュージアムでは、2017年20年に2回にわたってソール・ライター展を開催。それまで日本ではほぼ無名だった写真家の名前を一気に知らしめ、大きな反響を呼び起こした。

 ライターが2013年に逝去した翌年、その膨大な作品を整理するための財団が創設され、アーカイヴをデータベース化する「スライド・プロジェクト」が始動。業績の全貌が明らかになるには十数年の歳月が必要とされており、没後にも関わらず、つねに新たな発見が続けられている。

ソール・ライター 無題 撮影年不詳 © Saul Leiter Foundation

 本展では、新たに発掘された作品による大規模なカラースライド・プロジェクションや未公開のモノクロ写真、絵画など最新作品群を含む400点以上の作品を紹介。これまで紹介していなかったライターの知られざる素顔と、「カラー写真のパイオニア」と称され世界中を驚かせ続ける色彩感覚の源泉に迫る。

 1946年、ライターは画家を志して、当時、芸術の新たな中心地であるニューヨークへと向かった。現地で意欲的な若い芸術家たちと交流するなか、写真の表現メディアとしての可能性に目覚め、絵筆とともにカメラで自分の世界を追求していくようになった。

ソール・ライター 無題 撮影年不詳 © Saul Leiter Foundation

 本展では、ライターが写真に取り組みはじめた 1950〜60年代頃のモノクロによる未発表のスナップ写真作品群や、アンディ・ウォーホル、ロバート・ラウシェンバーグ、ユージン・スミスなど、当時交流のあったアーティストたちのポートレート、そして1958年から60年代の『ハーパーズ・バザー』におけるソール・ライターのファッション写真を一堂に公開する。

ソール・ライター アンディ・ウォーホル 1952頃 © Saul Leiter Foundation
ソール・ライター 無題(ユージン・スミス) 1950年代 © Saul Leiter Foundation
ソール・ライター 『ハーパーズ・バザー』1963年2月号のための撮影カット  © Saul Leiter Foundation

 また、カラースライドの複製を多数展示するほか、会場2ヶ所ではプロジェクションを介してそのカラー写真も紹介。ひとつ目は、ライター自身が自宅でカラー写真を映写していた壁面サ イズでの代表作「Early Color」の作品群の投影であり、類まれなカラー写真でふたたび脚光を浴びることになったライターの名作を振り返る。

 もうひとつは、ヒカリエホールの大空間を利用した10面の大型スクリーンによる大規模プロジェクションだ。2020年以降に発見されたカラースライドを含む最新の作品群約250点を投影し、ライターの卓越した色彩感覚を検証する。

ソール・ライター 無題 撮影年不詳 © Saul Leiter Foundation
ソール・ライター 無題 撮影年不詳 © Saul Leiter Foundation

 なお、写真だけでなく、ライターにとって生きる原動力でもあった絵画作品も展示。印象派や日本の浮世絵の影響が見られ、独特な色彩感覚で描かれた絵画作品は、ライターが唯一無二のカラー写真の世界をつくり上げることができた秘密を解き明かす鍵となるだろう。

 また、会場では、ライターが60年間住み続け、現在も膨大な作品と資料が息づくニューヨークにあるアトリエの一部をヒカリエホールの空間に再現。つねに新たな発見や感動を与えるライターの創作を通覧できる機会をお見逃しなく。

ソール・ライター 無題 1960頃 © Saul Leiter Foundation
ライトボックスを見るソール・ライター 2013 © Margit Erb

2024.7.20

蜷川実花らが参加。葛西臨海公園で「海とつながる。アートをめぐる。― Harmony with Nature ―」開催へ

東京都は、葛西臨海水族園、葛西臨海公園で新たなアートイベント「海とつながる。アートをめぐる。―Harmony with Nature―」を開催する。

ガラスドームのミスト演出イメージ
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 都立公園全体の機能や価値を向上させるために様々な取り組みを行っている東京都がこの夏、新たなアートイベント「海とつながる。アートをめぐる。―Harmony with Nature―」を開催する。プロデューサーは杉山央(新領域株式会社 ART+TECHプロデューサー)。

 会場となるのは葛西臨海水族園と葛西臨海公園。谷口吉生の設計による葛西臨海水族園では、「海とつながる」をテーマとして、水族園を象徴するガラスドームをミストが包み込み、海とつながる世界を生み出す演出を実施。

ガラスドームのミスト演出イメージ

 いっぽうの葛西臨海公園では、「アートをめぐる」をテーマとして、蜷川実花 with EiMの作品《Garden of Sky(空の庭園)》が東京湾を見渡せる展望レストハウスであるクリスタルビューを彩る。

 また落合陽一、河瀨直美、平子雄一は、4万本の向日葵が咲くひまわり畑で作品を展開。落合は自然と人工物と生成AIによって生み出された新たな知覚のインスタレーション《リキッドユニバース:向日葵の環世界のコペルニクス的転回》を展示。平子は彫刻通して自然とは何かを考える機会を提案するという。

クリスタルビュー

2024.7.19

今週末に見たい展覧会ベスト7。神護寺展からヨーゼフ・ボイス、ART OSAKAまで

今週末までに開幕・閉幕する展覧会から、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

創建1200年記念 特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」の展示風景より
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もうすぐ閉幕

「歌と物語の絵 ―雅やかなやまと絵の世界」(泉屋博古館東京)

展示風景より

 泉屋博古館東京で、企画展「歌と物語の絵 ―雅やかなやまと絵の世界」が7月21日まで開催されている。レポート記事はこちら

 古来、語り読み継がれてきた物語は、古くから絵巻物など絵画と深い関係にあった。和歌もまた、三十一文字の世界が絵画化されたり、絵に接した感興から歌が詠まれたりと、絵画との相互の刺激から表現が高められてきた。

 本展では、近世の人々の気分を映し出す物語絵と歌絵を、館蔵の住友コレクションから選りすぐって紹介。雅やかで華麗、ときにユーモラスな世界を楽しんでほしい。

会期:2024年6月1日~7月21日
会場:泉屋博古館東京
住所:東京都港区六本木1-5-1
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:11:00~18:00(金~19:00)※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1000円 / 高大生 600円 / 中学生以下無料 

今週開幕

「神護寺―空海と真言密教のはじまり」(東京国立博物館 平成館)

展示風景より、左から《月光菩薩立像》(平安時代、9世紀)、《薬師如来立像》(平安時代、8〜9世紀)、《日光菩薩立像》(平安時代、9世紀)

 京都市の北西部、高雄に所在する神護寺。その創建1200年を記念した特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」が、東京国立博物館 平成館で始まっている。レポート記事はこちら

 神護寺は、紅葉の名所として古くから知られてきた。824年に高雄山寺と神願寺がひとつになり、神護国祚真言寺(神護寺)が誕生。高雄山寺は平安遷都を提案した和気清麻呂の氏寺で、唐で密教を学んだ空海が帰国後、活動の拠点とした寺院だ。

 本展では、空海に直接関わる作品・国宝《両界曼荼羅(高雄曼荼羅)》や、寺外での史上初公開となった、神護寺の前身寺院にまつられていた国宝《薬師如来立像》などが展示。1200年を超える歴史の荒波を乗り越え伝わった、貴重な文化財を会場で堪能してほしい。

会期:2024年7月17日~9月8日 ※会期中、一部作品の展示替えを実施
会場:東京国立博物館 平成館
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:050-5541-8600
開館時間:9:30~17:00(金土〜19:00、ただし8月30日、31日はのぞく) 
休館日:月(8月12日は開館)、8月13日
料金:一般 2100円 / 大学生 1300円 / 高校生 900円

「ヨーゼフ・ボイス ダイアローグ展」(GYRE GALLERY)

展示風景より

 戦後ドイツ美術の第一人者と称されるヨーゼフ・ボイス(1921〜86)。その作品や活動を現代日本の視点で検証しようとする展覧会「ヨーゼフ・ボイス ダイアローグ展」が東京・神宮前のGYRE GALLERYで行われている。レポート記事はこちら

 「社会彫刻」を提唱したことでも知られているボイス。亡くなる2年前の1984年に来日し、8日間の日本での滞在中にはインスタレーションやアクション(パフォーマンス)、レクチャーや学生との討論会などの幅広い表現方法を通じて「拡張された芸術概念」を提唱した。

 本展では、現代美術の歴史に大きな足跡を残したボイスの作品・活動を、日本の現代作家によるダイアローグ形式の作品構成で検証し、「いまなぜヨーゼフ・ボイスなのか」という問いかけを行う。

会期:2024年7月17日~9月24日
会場:GYRE GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
電話番号:0570-05-6990(ナビダイヤル、11:00〜18:00) 
開館時間:11:00~20:00 
休館日:無休 
料金:無料

「ポール・マッカートニー写真展1963-64~Eyes of the Storm~」(東京シティビュー)

展示風景より、「On tour in London 1963」

 ロンドンのナショナル・ポートレイト・ギャラリーのリニューアルオープン記念として開催された「ポール・マッカートニー写真展 1963-64~ Eyes of the Storm~」。その日本巡回展が、東京・六本木の東京シティビューでスタートした。レポート記事はこちら

 1962年にジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの4人でデビューし、世界のトップミュージシャンへと駆け上がったビートルズ。本展は、デビュー直後の63年12月頃の活動から、「エド・サリバン・ショー」でアメリカに凱旋した翌年2月にかけての約3ヶ月間を、マッカートニーによって撮影されたポートレイト約250点からたどるものとなる。

 展示作品の多くは「約60年以上現像されず、ネガやコンタクトシートのまま一般公開されたことはなかった」ものだという。また、価値が高いこと以外にも、4人の日記的な側面にもフォーカスした作品が多数集まっているので、ぜひ目の当たりにしてほしい。

会期:2024年7月19日~9月24日
会場:東京シティビュー 
住所:東京都港区六本木6-10−1 六本木ヒルズ森タワー52階
開館時間:10:00~19:00(金土は~20:00、ただし7月19日は〜17:00)※入館は閉館の30分前まで 
休館日:無休 
料金:一般 2600円 / 高校・大学生 1800円 / 4歳~中学生 1000円 

「大地に耳をすます 気配と手ざわり」(東京都美術館)

 「大地に耳をすます 気配と手ざわり」展が東京都美術館で開催される。会期は7月20日~10月9日。

 本展は、自然と深く関わり制作を続ける現代作家5人の作品を紹介するもの。彼らの作品は、野生動物、山の人々の生活、移りゆく景色や植生、生命の輝きや自然の驚異をとらえ、自然とともに生きる喜びにあふれている。同時に、時には暴力的に牙をむき、巧妙な生存戦略を巡らせる自然の諸相を鮮烈に思い起こさせる。

 展覧会では、写真、木版画、油彩画、水彩画、インスタレーションなど、5人の作家による多彩な作品が並ぶ。自然と人の関係を再考する機会を提供し、自然への畏敬の念を新たにするだろう。

会期:2024年7月20日~10月9日
会場:東京都美術館ギャラリーA・B・C
住所:東京都台東区上野公園8-36
電話番号:050-5541-8600
開館時間:9:30〜17:30(金〜20:00)※入室は閉室の30分前まで
休館日:月、9月17日、24日 ※ただし、8月12日、9月16日、23日は開室。
料金:一般 1100円 / 大学生・専門学校生 700円 / 65歳以上 800円

「浅間国際フォトフェスティバル」(MMoP)

メインビジュアル

 長野・御代田町のMMoPで「浅間国際フォトフェスティバルPHOTO MIYOTA」が7月20日から開催される。

 2018年にスタートし、今年で5回目の開催を迎える同フェスティバル。今年のテーマは「Memories Through Photography 写真の中の記憶」。これは写真を記録媒体であると同時に記憶の装置であると考えるもので、本フェスティバルでは世界の写真家たちの視点を通し、⼈、⾃然、社会、⺠族やその場所、モノなどがもつ記憶をテーマに、そこに秘められた物語や歴史、思い、問題などを写真であぶり出すことを目指す。

 このテーマのもと、世界中の写真家による個性豊かな作品が一堂に会する。フェスティバルならではの大型展示や、広い敷地を活かしたユニークな展示など、御代田の自然の中を散策しながら、屋内外に展開される作品をインタラクティブに五感で楽しむ場を創出する。

会期:2024年7月20日〜9月16日
会場:MMoP(モップ)
住所:長野県北佐久郡御代田町大字馬瀬口1794-1 
開場時間:10:00~17:00 ※入場は閉場の30分前まで
休館日:水曜日定休(8月14日を除く)
料金:一般 1000円(屋外展示は無料)、中学生以下 無料

「ART OSAKA 2024」(大阪市中央公会堂ほか)

展示風景より

 関西を代表する現代美術アートフェア「ART OSAKA」がスタートした。レポート記事はこちら

 同フェアは、ギャラリーがブース形式で出展する「Galleries」セクション(7月19日〜21日)と、通常のアートフェアでは発表する機会が少ない大型作品やインスタレーションを紹介する「Expanded」セクション(7月18日〜22日)の2部構成。

 国指定重要文化財の大阪市中央公会堂を会場に開催される「Galleries」セクションでは今年、大阪、京都、東京、そして台湾と韓国などから45軒のギャラリーが出展。「Expanded」セクションは、大阪・北加賀屋にあるクリエイティブセンター大阪とkagoo(カグー)の2会場で行われ、22組のアーティストの作品が展示されている。

Galleries セクション
日程:2024年7月19日~21日(一般公開は、20日 11:00〜19:00 / 21日 11:00〜17:00)
会場:大阪市中央公会堂 3階
住所:大阪市北区中之島1-1-27
Expanded セクション
日程:2024年7月18日~22日(一般公開は、18日 14:00〜19:00 / 19日〜21日 11:00〜19:00 / 22日 11:00〜17:00)
会場①:クリエイティブセンター大阪(名村造船所大阪工場跡地)
住所:大阪市住之江区北加賀屋4-1-55
会場②:kagoo(カグー)
住所:大阪市住之江区北加賀屋5-4-19


2024.7.18

8つの国立・都立館が参加。「ミュージアムで謎解きを ミュージアムラリー2024」開催

国立美術館、東京都歴史文化財団、東京メトロが合同で、謎を解きながら都内のミュージアム8館をまわる「ミュージアムで謎解きを ミュージアムラリー2024」を開催する。

 東京メトロ、独立行政法人国立美術館、そして公益財団法人東京都歴史文化財団が、東京都内の国立・都立の8ミュージアムと東京メトロの駅を巡って謎を解く、「ミュージアムで謎解きを ミュージアムラリー2024」を7月25日〜9月29日の日程で開催する。

 参加館は、東京国立近代美術館国立西洋美術館国立新美術館東京都美術館東京都庭園美術館東京都写真美術館東京都現代美術館東京都渋谷公園通りギャラリー

 このラリーは、ストーリーを読み進めながらミュージアムや東京メトロの駅を巡り「謎」を解く、体験型アートエンターテインメント。今年は2つのコースが用意されており、すべての謎をクリアした人には、抽選で賞品がプレゼントされる。

 賞品はA賞:国立美術館展覧会ペアチケット(30組60名)、 B賞:都立美術館展覧会ペアチケット(30組60名)、C賞:国立美術館グッズ+東京メトログッズ(20名)、D賞:都立美術館グッズ+東京メトログッズ(20名)。 

 東京国立近代美術館、国立西洋美術館、国立新美術館は、毎週金土で夜間会館を実施。また東京都美術館、東京都庭園美術館、東京都写真美術館、東京都現代美術館及び東京都渋谷公園通りギャラリーでは、「サマーナイトミュージアム2024」(7月18日~8月30日)として夜間特別開館を実施する。この夏、ラリーをきっかけに様々なミュージアムを巡ってみてはいかがだろうか。

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