1982年式のロードマンを『轟天号』に魔改造…伊那市創造館館長・捧剛太さん

自転車協会 presents ミラクル・サイクル・ライフ

石井正則(七代目自転車名人)と疋田智(自転車博士)がいろんな角度から自転車の魅力を発信するTBSラジオ「ミラクル・サイクル・ライフ」(毎週日曜日18時30分~19時) 今週の「ポイント オブ サイクルトーク」はこちら! 

伊那市創造館館長の捧剛太(ささげ ごうた)さんをお迎えしました。 

捧さんは1958年12月31日のお生まれ、東京都のご出身です。金沢美術工芸大学をご卒業され、その後、同大学院修了。カメラメーカーのデザイン部や建築工事機械の会社に勤務されたのち、2010年に伊那市創造館の館長に公募によって就任されました。伊那市創造館は「自然科学」「考古」「宇宙」「歴史・民俗」「環境」「芸術」を柱とする独自の企画展を開催しています。 

その伊那市創造館では2012年からユニークな自転車イベントを開催。「田切駅→伊那市駅 1hour Bicycle Tour 轟天号(ごうてんごう)を追いかけて」というもので、1985年から87年にかけて「週刊少年サンデー」で連載されたゆうき まさみさん原作の漫画「究極超人あ~る」のある物語がモチーフになっています。主人公のR・田中一郎はアンドロイドの高校生。R・田中一郎が所属する光画部(写真部)の面々を中心とした青春ドタバタコメディです。そして、主人公が愛用しているのがブリヂストンのロードマンをベースにした「轟天号」。1991年にリリースされたOVAに「JR飯田線の田切駅から伊那市駅までを1時間で走る」というエピソードがあり、それをみんなで再現しようということで2012年に開催され、以来、好評につき毎年行われています。国道を一直線で走ると17km程度なので、1時間かけて走るにはサイクリストには物足りない距離。一方で、原作にあるように火山峠を通ると一気に23kmに伸び、アップダウンのある道を1時間で走り切るにはかなりハードなのだそうです。実はOVAがリリースされた1991年に地元の風景がよく再現されているということで、当時の伊那市役所の自転車部が発案して幻の第1回を開催。その後、前述の通り、2012年に伊那市駅の開業100周年を記念した事業として開かれました。しかし、モチーフは随分昔の作品。「人が来てくれるだろうかという不安はありませんでしたか?」という石井さんの質問に「その当時、ネットに『誰が知っているんだ』『どうせ年寄りしか来ないだろう』などとひどいことを書き込まれましたが、蓋を開けてみたら全国から70名ほどの方が参加してくださいました。応援の方々も含めると100人を超える人の数。普段は閑散としている田切駅前が賑やかになりました」と2012年の風景を回想されました。また、「コスプレの人もいるんですよね?」という疋田さんの質問には「原作のファン、飯田線マニア、コスプレイヤー、そしてガチの自転車乗りの方々が参加されます」と捧さん。中にはこのイベントを通じて自転車の魅力にどっぷりとハマリ、海外の大会に出場したという方もいるそうです。 

そんな中、捧館長も参加される方々に喜んでもらおうと様々な面で工夫を凝らしています。その1つが写真にある「轟天号」の魔改造。原作に出てくる「轟天号」と同じ1982年式のロードマンをオークションで購入し、まず2年かけて徹底的に軽量化を進め、変えられるところはすべてカーボンに。さらにモーターを取り付けることを思いつきます。36ボルトのバッテリーにモーターを組み込み、スロットル付き。そうなると原付扱いになるということで、ヘッドライト、ウィンカー、ブレーキランプなどの保安部品も装備して原付1種として登録したそうです。ペダルを回さずに爆走する「電ジャラス自転車」を街中でよく見かける今。疋田さんも「私は電動アシスト自転車にうるさいんですけど、これには参りました。どれも(筋が)通っているもん」と捧館長のこだわりにびっくりの様子でした(笑)。 

今年2024年は7月27日に開催。参加の申し込み受付は終了していますが、見学や応援の方は申し込み無しで自由にご覧になれるそう。地元のおいしいものも味わえるそうです。詳しくは音声でお楽しみください。 

番組ではメールを募集中です。 自分の身の回りで起きた自転車のニュース「マイ自転車ニュース」、 サイクリストなら誰もが感じてしまう「サイクリストあるある」、 自転車に乗っているときに、頭の中でつい流れてしまう曲「自転車脳内BGM」、 「忘れられない愛車の思い出」などなど。 cycle-r@tbs.co.jp までお送りください!

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