お金はあればあるほどいい-何が人を幸福にするかの研究者が発見
Conrad Quilty-Harper- ウォートン・スクールの上級研究員、キリングスワース氏の最新研究
- 百万長者や億万長者は年収50万ドルの人々よりもずっと幸福

motor yachts docked in the Dubai Marina district of Dubai, United Arab Emirates
Photographer: Christopher Pike/Bloomberg幸福をお金で買うなら、お金は多ければ多いほどいい。ウォートン・スクールの上級研究員による新しい研究によれば、富と幸福の相関関係は、所得がある一定の水準に達したところで頭打ちになるわけではないという。
何が人間を幸福にするかを研究しているマシュー・キリングスワース氏は、百万長者や億万長者は年収50万ドル(約7820万円)の人々よりもずっと幸福だと論じた。今回の研究はいわゆる「幸福のプラトー(それ以上高まらない状態)」という概念に反論した昨年の論文の更新版になる。
キリングスワース氏は「この結果は、お金と幸福の間にある正の関係が、経済的な階層のはるか上でも続いていることを示唆している」と語った。
キリングスワース氏は昨年、心理学者の故ダニエル・カーネマン氏を含む科学者チームの一員として、カーネマン氏と経済学者のアンガス・ディートン氏による2010年の有名な論文に異議を唱える研究を発表した。
カーネマン氏とディートン氏は、お金と幸福の正の相関関係は年収6万-9万ドルの人々にまで及ぶが、その後は幸福度が横ばいになると論じていた。
カーネマンとキリングワースはその研究を再分析し、お金と幸福の相関関係が少なくとも、年収50万ドルの人にまで及ぶことを発見した。それ以上についてはデータが不足していた。
より高い満足度
キリングワース氏が自費出版している最新の研究によると、数百万ドルから数十億ドルの純資産を持つ人々の平均的な人生満足度は7段階中5.5-6であるのに対し、年収10万ドル前後の人々の満足度は約4.6、年収1万5000ドル-3万ドルの人々の満足度は4強だった。
つまり、富裕層と中間所得層の幸福度の差は、中間所得層と低所得層の差の3倍近くもあるという。
「低所得層と高所得層の差は非常に大きい。お金で説明できる範囲内で、その差の大部分は中央値以上の所得で生じている」とキリングワース氏は解説した。
最新の研究は、キリングスワース氏の先行研究で使われたデータに加え、富の中央値が300万-800万ドルの17カ国の4000人を対象にした18年の調査とフォーブス誌の米国人富豪リストを対象にした1985年の調査のデータを利用した。先行研究はキリングスワース氏の今回研究と「ほぼ同じ」質問をし、人生に「満足」している度合いを評価するよう各個人に求めた。
原題:You Can Never Have Too Much Money, Happiness Researcher Finds(抜粋)