ID 10986
登録日 2009年 3月24日
タイトル
“花守”『今年で最後』 須賀神社 しだれ桜ライトアップ
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新聞名
東京新聞
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元URL.
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20090324/CK2009032402000061.html
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元urltop:
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写真:
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川崎市多摩区栗谷の須賀神社で二十三日、しだれ桜のライトアップが始まった。知る人ぞ知る“桜の名所”は、神社管理者で植木職人の木村等真(ともまさ)さん(78)が約十五年前から手弁当で世話をしてい る。だが、持病の腰痛が悪化し「今年で最後」と決めたという。“花守”が引退する境内で、名物の桜が今を限りと咲き誇っている。 (酒井博章) しだれ桜は樹齢約三十年で高さは十五メートル。地面に着くほど長い枝は十本の竹などで支えられている。
例年より二日ほど早い十九日に開花し、二十三日現在で七分咲き。日没後に照明が始まると、境内は幻想的な雰囲気に包まれた。木村さんは“最後の仕事”を見上げながら「たくさんの人に見てほしい」と目を細めた。
現在の埼玉県桶川市出身で、中学卒業と同時に修業を始めた職歴六十年以上の植木職人。一九六五年に川崎市多摩区に移り、九三年に同神社敷地内に越してから樹木の世話を続けてきた。
神主などが常駐していないため、境内は当時、雑草などが伸び放題。「樹木も少なくて、参拝客もまばら。山よりひどく荒れていたよ」と振り返る。
木村さんは「植木屋が神社にいるのに、境内がこのままではいかん」と一念発起。雑草を刈り取り、近所で持て余されていた樹木を引き取り境内に植えた。その一つが樹齢十五年ほどのしだれ桜だった。
竹などで支えなければ枝がだらりと地を這うだけに「職人の血が騒いだ」と木村さん。枯れ枝の剪定(せんてい)や、二年に一度の添え木の設置などをボランティアで続けてきた。五年ほど前からは、自費で夜間の照明 も始めた。
だが、持病の腰痛で、木に登る作業などは年々困難となり、昨年十二月に造園業を引退。同時にしだれ桜の世話もできなくなったという。次の“花守”は決まってはいない。木村さんが設置した添え木で来春までは持つ というが、その先は不明という。「世話をしてくれる人がいればいいけど」と嘆息しながら、“最後の花見”を準備している。
ライトアップは三十日ごろまでの日没後から深夜零時ごろをめどに実施。雨天時はなし。同神社は多摩区栗谷三の十八の五で、小田急線生田駅から徒歩十分。
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