認知症の行方不明者、昨年1.9万人 遺体で発見502人、共に最多

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板倉大地
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 昨年1年間に警察に届け出があった認知症の行方不明者は前年比330人増の1万9039人で、統計を取り始めた2012年以降で最多となった。警察庁が4日に発表した。そのうち遺体で見つかったのは502人で、発見時の状況をまとめ始めた20年以降で最も多かった。

 行方不明者全体も、昨年はここ10年で最多の9万144人だった。警察庁は、高齢化で認知症の人が増えていることが背景にあるとみる。

 認知症の行方不明者は12年以降、毎年増加しており、この10年で1.8倍になった。昨年は95%が生存して所在が確認されたが、250人は未発見だった。

 年齢別で見ると、80代以上が6割を占めて最多で、70代が3割超。この他、60代826人、50代140人、40代9人、30代2人と続いた。届け出を受理した都道府県別では兵庫が2094人で最も多く、大阪2016人、埼玉1912人と続いた。

 22年以前に届けられた人も含めると、昨年は1万8221人が生存して所在が確認された。99%は届け出が受理されてから3日以内に見つかった。1年以上経過して発見された人も2人いた。

 捜索に使われたツールについて警察庁が初めて調べたところ、昨年7~12月ではドローンで3人、行方不明者が身につけていたGPS機器で71人が発見された。直轄の警察犬が認知症の行方不明者の捜索をした件数は、昨年は3230件で、5年前から約800件増えた。

 松村祥史国家公安委員長は4日の定例記者会見で、GPS機器により行方不明者の早期発見につながった事例があると説明。「自治体などで貸し出しを実施しているところもある。認知症の方のご家族には、是非活用いただきたい」と呼びかけた。(板倉大地)

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