自民党総裁選
電撃退陣の舞台裏（下）「ＮＫＫ」を総裁に　院政を警戒

　１６日で就任１年となる首相の突然の辞任表明の背景に何があったのか。これまでの言動を振り返りながら舞台裏を探る。

　「聖子ちゃん、頼むよ！」。昨年９月、元総務相・野田聖子へ自民党幹事長代行への就任依頼の電話が入る。相手は党総裁に成り立ての菅義偉（衆院２区）だった。選挙対策委員長を含む党四役以外の人事で、総裁の直談判は異例だ。

　総務会長まで経験した野田に格下ポストをお願いする事情もある。しかし「自らの後継として意識していることを印象付けたかったのでは」（閣僚経験者）との見方がもっぱらだ。

　ＮＫＫー。野田、内閣府特命担当相・河野太郎、環境相・小泉進次郎の頭文字をとり、永田町で密かに呼ぶ。菅が自身の後継候補と位置づけ、この１年にわたり鍛え上げた。周囲には「長く務める気はない。短期決戦だ。いつでも代われるよう並行して準備をしたい」と明かしていた。

小泉氏は地道に成果