新型コロナ公的融資詐欺 元寝屋川市議に懲役10年求刑

新型コロナウイルス対策の公的融資をめぐる詐欺事件で、福祉施設などからおよそ2億9000万円をだましとったなどとして詐欺などの罪に問われている大阪・寝屋川元市議の裁判で検察は「制度につけ込んだ犯行だ」と主張して懲役10年と追徴金1億9800万円を求刑しました。
一方、弁護側は「犯意も共謀も認められない」として、無罪を主張しました。
寝屋川市議会の元議員の吉羽美華被告(43)は、ほかの被告と共謀して新型コロナ対策の公的融資を仲介すると偽り、大阪府内の福祉施設や久留米市の医療機関からあわせておよそ2億9000万円をだまし取ったほか、融資元の独立行政法人をうその書類でだましておよそ6億円を振り込ませたとして、詐欺などの罪に問われています。
福岡地方裁判所でのこれまでの裁判で、被告は「別の被告にだまされた」などと無罪を主張しています。
19日は論告が行われ、検察は「制度につけ込んだ卑劣な犯行で結果は重大だ。将来の非常事態の緊急支援への影響は軽視できず、議員の立場で重要かつ不可欠な役割を担った」などと主張して懲役10年、追徴金1億9800万円を求刑しました。
一方、弁護側は「政治生命を犠牲にして犯行に及ぶのは立場や生活条件からあまりに不自然だ。別の被告の話を信じていて犯意は認められず共謀も認められない」として、改めて無罪を主張しました。
最後に被告は、「私は詐欺は行っておりません。私は無罪です」と述べました。
判決は、ことし10月7日に言い渡される予定です。

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