反AI絵師「刻印ふれーず。」、他人のAIイラストを盗作・剽窃

 2024/7/17、約21万フォロワーの反AI絵師「刻印ふれーず。」が、少なくとも数ヶ月に渡り、「Soshiii」氏が製作したAIイラスト(手描き併用)をほぼそのまま剽窃し、自作の絵として公開していた事が発覚。

 

 ※事件後、「刻印ふれーず。」はアカウント名を「Kokuin250」から「no_humans2」に変更して逃走した。そのため下記のリンクは全てデッドリンクになっている。詳しくは後述。

 

左 2024/1/15 https://x.com/soshiii24/status/1779860271181558050
右 2024/6/18  https://x.com/Kokuin250/status/1802992019704525289

左 2024/5/28 https://x.com/soshiii24/status/1795432584123416854
右 2024/7/12 https://x.com/Kokuin250/status/1811739366664077525

 

 この2枚以外にも余罪はあるものとみられる。

 

 ここまで完全にAIイラストをパクりながら、「刻印ふれーず。」が反AIなのも間違いないようで、直近で5月にも下記のような発言をしている。

 

https://x.com/Kokuin250/status/1794674672157769833

https://x.com/Kokuin250/status/1794675376658260291

 「刻印ふれーず。」は同日17:39に謝罪文を掲載。しかし、本件は「他人が作ったAIイラストを手描きで盗作した」事が問題とされているのだが、謝罪文では他人の絵を盗んだ事実を認めず、「自作のAIイラストから線画を起こして作画した」「反AI発言をしながらAIを使ってしまい申し訳ありませんでした」と本件と全く関係ない事に対して謝罪しており、不誠実で意味不明なものになっている。

 

https://x.com/Kokuin250/status/1813493725206835249

 

 あるいは「刻印ふれーず。」は、「AIイラストは誰でも同じ絵を簡単に生成できる」と勘違いしており、「盗作ではなく自分が生成したものをトレスした」というストーリーにすれば、盗作を認めずに済むと思っているのかもしれない。

 

 21万のフォロワーは擁護を試みたが、「盗作した」という事実を変えられないため、エクストリーム擁護実行にあたって、「AIイラストには著作権が無いので盗作してもセーフ」という、Gen-AI誕生当時から存在する古典的なデマが久しぶりに復活した。

 

https://x.com/GonDoKESHI2/status/1813603961922068833

https://x.com/kujira_cutter/status/1813523052036280486

https://x.com/Aobamoca0910/status/1813560548061291002

 

 事件から2日後の7/19、「刻印ふれーず。」はアカウント名を「Kokuin250」から「no_humans2」に、ユーザ名を「刻印ふれーず。」から「しばらくお待ち下さい」に変更し、さらに鍵アカウントになった。アカウント削除ではないのでフォロワー21万は温存されている。本人がどうするつもりなのか分からないが、騒ぎが収まるのを待って何食わぬ顔で復活する事は物理的には可能である。

 

https://x.com/Kokuin250https://x.com/no_humans2

大分市、反AIに焼かれる

 

 2024/7/16、大分市大分市教育委員会主催で7/1から開催されていた「2024大分市人権フォトコンテスト」において、告知TweetにAIイラストが使用されていた事が判明し、約2週間遅れで反AIが群がり、焼かれる。

 

 イベント名が「人権フォトコンテスト」だったため、おそらく「反AI的に最高に面白い皮肉」として、「人権擁護イベントが人権侵害画像を使っている」というような言い回しが多用されている。しかし、反AIにどのような人権があり、それがどのように侵害されているかは、具体的な説明がないので全く不明である。

 

https://x.com/nolookupthemoo_/status/1813000910945313180
https://x.com/AyaharuSumire/status/1813030571922321883
https://x.com/uraumegn/status/1813007649115632101


 なお、このイラストは、大分市が自力で生成したものではなく、Adobe Stockに登録されたストックフォトである。AI丸出しであまり良いイラストとは思えないが、他の広告でも採用実績がある。

stock.adobe.com

 もちろん、大分市は告知にAIイラストを使用しても全く問題はない。AI使用罪という罪は存在しないし、無断学習罪という罪も存在しない。

 

https://x.com/OitaCity_PR/status/1808063562977337778

反AI、役所の書類が読めない(1年ぶり2回目)

eyecatch

 

 2024/7/5、経済産業省が、「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」なる資料を公表。これを読んだ反AIが「経済産業省が生成AIの違法性を指摘した」と誤読し、デマを流し始める。

 

 反AIは「世界は絶対にこうでなくてはならない」という規範意識があまりにも強すぎて、伝統的に文章の読解を苦手としており、何を読ませても大体誤読する。1つの同じニュースから全く逆の「真実」を発見してしまう事も珍しくない。今回も同じ事が起きている。

 

 まず、このガイドブックの名称は前述の通り「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」、つまり使う事を前提としたガイドである。撲滅を目的に活動している反AIが有り難がるような代物ではない。

 

 文化庁が1年前から繰り返し言っている通り、生成AIに関する違法性は、学習手段や生成手段ではなく、最終生成物に違法性があるかどうかによってのみ判断される。反AIが繰り返し主張する無断学習罪やAI使用罪は元々存在しない。このガイドブックも一貫して違法性がある最終生成物を作らないためにはどうすればいいかという観点から解説を行っている。

 

 そのうえで、反AIが最もよく取り上げたのは下記の部分であるが、

 

 これは「違法性がある最終生成物を作ってしまうリスクを下げるためにやってもいい事の例」として記載されたものである。しかし、反AIは「ここに書かれている通りにしなければ犯罪だと経済産業省が言った」という全く違う解釈を行い、それを元にデマを流した。

 

https://x.com/ikariharahara/status/1810361664409317463
https://x.com/hukumen6/status/1810512678634598489
https://x.com/blackai_dead/status/1810487587980874166
https://x.com/jinseigamball/status/1810593972311773251

 


 資料は読み手に読む能力がなければ無力という事である。

 

 ↓ 1回目

 

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/contents/aiguidebook.html

スギ薬局、反AIに焼かれる

 

 2024/7/8、スギ薬局が、「残したい夏の思い出キャンペーン」と題したフォロー・リポストキャンペーンを実施。それに添えられたイラストが、生成AIで作ったと思しき全体的に形状が破綻したイラストだったため、反AIが群がり、焼かれる。

 

 キャンセル対象がドラッグストアなので、「もうスギ薬局では買いません」といった不買系Tweetのほか、「お前のところの商品を万引きする」「されても文句は言うな」といった犯罪予告系Tweetも目立った。

 

 念のため記載しておくが、スギ薬局の行為は完全に合法であり、問題点はない。「AI使用罪」という罪は存在しない。

 

https://x.com/antiAIeshi/status/1810188514379911399

https://x.com/nolookupthemoo_/status/1810193693103804435

 Twitterで騒くだけで実店舗に何も影響を与えないのが反AIの唯一の長所である。

 

 スギ薬局は今のところ何の動きも見せていない。


https://twitter.com/SUGIofficial_JP/status/1810101520924557512

 

ポケカのイラコン、反AIに焼かれる

 

2024/6/14、Pokémon Trading Card Game イラストレーションコンテスト 2024が、一次通過作品(10830作品中300作品)を発表。その中にAIのアシストを受けたと思しき作品が複数あったため、反AIが群がり、焼かれる。

 

 既に合法となっている現実の法律とは異なり、イラコンの運営は独自に「AIアシストは使用禁止」というルールを作っても別に問題はないのだが、このコンテストにはそのようなルールは存在しなかった。よって、反AIは群がったものの、法的にもローカルルール的にも何も問題がない状態だったため、運営がどう対応するのか注目されていた。

 

 その後6/20になって、運営は「一次審査で失格者が出たので、それらを落とし、別の作品を繰り上げ当選させる」と発表。

 

 

 しかし、失格理由も失格対象も非公表であるため、反AIが希望した通りAIイラストが落とされたのか、AIとは別の問題として存在していた「1人3点まで」というルールに反して別アカウントで4点以上送っていたユーザが落とされたのかは、全く不明である。仮に前者の場合、「元々存在しなかったルールを後から付け足したうえ、過去に遡及して当時違反でなかった物を違反にした」という事になるので、コンテストの運営としては致命的。

ラディウス・ファイブ社、反AIに焼かれる(2年ぶり2回目)

 

 2024/6/25、ラディウス・ファイブ社が、同社が開発しているペイントツール「Copainter」に「ペン入れAI」を実装したと発表。既存技術であり、元々は「線画抽出」等と呼ばれていたもの。

 

 趣旨としては「手描きのラフを線画にクリンナップする機能」であり、これまで作られてきたイラスト系AIツールの中では圧倒的に手描きアシストに向いている。しかし、反AIは「一部でもAIに任せるような人間は真の絵描きではない」「他人のイラストから線画を抽出する悪の技術」という認識で、いつも通り反AIが群がり、焼かれる。

 

 ラディウス・ファイブ社は、日本の反AI運動の草分けであるmimic事件(2022/8)で反AIに焼かれた会社であり、襲撃を受けるのは今回が2回目。

 

 

 反AIは、同じくAIプロダクトを量産しているAdobeAppleTwitterMicrosoftGoogleに対しては借りてきた猫のように大人しく、各社が作ったLLMや機械翻訳を平然と利用し恩恵を受ける一方で、国内メーカーが何か作ると大騒ぎする傾向があり、今回も同様。簡単に言うと国内メーカーは「ちょっと文句を言うだけでキャンセルさせられる存在」として甘く見られている。

すがやみつる、反AIを弾き飛ばす

eyecatch

 

 2024/6/24、すがやみつる氏が、自身が執筆した実用書「マンガ家と学ぶ著作権実務入門」が7/17に発売されると発表。その表紙絵がAIイラストだった事から、反AIが群がり、いつも通り火を付けて焼こうとしたが、「別に問題はない」というすがや氏の正論パンチで弾き返された。

 

 反AIの主張は大部分「AIイラストを生成・使用する事は違法行為である」というウソに立脚しており、そのせいで「AI使用を見破って指摘すること」に何か特別な意味があると勘違いしているが、AIでイラストを生成する事に違法性はなく、それを商用利用する事にも何ら違法性はない。「AI見破りゲーム」は反AIがやりたいから勝手にやっている遊びに過ぎず、見破っても別に意味はない。

 

 「それAI絵ですよね?」と言いがかりを付けるだけでキャンセルカルチャーが成功する場合があるのは、AIイラストの使用が違法だからではなく、単に彼らが「反AIが与える恐怖(テロ)」に屈したからである。