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「若き天才経営者」ドワンゴ・川上会長の素顔 角川歴彦会長がベタ惚れ

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「若き天才経営者」ドワンゴ・川上会長の素顔 角川歴彦会長がベタ惚れ

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笑顔で会見するKADOKAWAの角川歴彦会長(左)とドワンゴの川上量生会長(右から2人目) 角川書店で知られるKADOKAWAとインターネット動画配信サイト「ニコニコ動画」を運営するドワンゴが経営統合を正式発表した。統合の裏には新会社の相談役に就くKADOKAWAの角川歴彦(つぐひこ)会長(70)が、ドワンゴの川上量生(のぶお)会長(45)を後継経営者として指名する狙いがあった。

 統合発表の記者会見で最大の注目を集めたのは、10月1日に誕生する持ち株会社「KADOKAWA・DWANGO」の会長となる川上氏。

 45歳ながら茶髪の若者といった観のある川上氏はあいさつの冒頭から、「(統合会社を)誰がどういう風に運営していくのか、いぶかしく思う方がたくさんいらっしゃると思うんですけど、その懸念は当たってるんじゃないかと僕は思っています」と人を食ったような発言をかました。

 KADOKAWA側の役員が固まるなか、高笑いしたのが角川氏。その後のあいさつで「川上くんの複雑系の発言を分かりやすく伝えるのが私の役割」と理解を示し、「天才、川上くん」と何度も持ち上げた。さらには約3年前からKADOKAWA側から経営統合をもちかけていたことを明かし、「川上くんという若き経営者をようやく手にした」とベタ惚れの様子だった。

 角川書店は歴彦氏の実兄、春樹氏が映画事業を始めるなどマルチメディアの先駆けとなった異色の出版社。歴彦氏は兄との確執もあっていったん同社を退社していたが、春樹氏が解任された後で復帰、M&A(合併・買収)を重ねてゲームやアニメ、音楽などメディアコングロマリットを築いたが、後継者選びが課題となっていた。

 統合会社を率いることになる川上氏は京大工学部卒業後、入社したソフトウエアの専門商社を経てドワンゴを設立、着メロや着うたの事業をヒットさせ、ニコニコ動画で会社を急成長させた。

 麻生太郎財務相のおいで「麻生」社長の麻生巌氏が新会社の社外取締役となるほか、川上氏個人がスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーの見習いを務めるなど人脈も広い。

 「経産省のクールジャパン担当の女性キャリア官僚と結婚し、結婚式には角川さんも出席したが、これが統合のきっかけか」と質問され、表情を崩す場面もあったが、終始ひょうひょうとした様子が印象的だった。

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