もと「なにわの海の時空館」の展示ドーム。左奥には万博の工事が進む夢洲が見える=2023年9月29日、大阪市住之江区、原田達矢撮影

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 2013年に閉館した海洋博物館「なにわの海の時空館」(大阪市住之江区)の跡地活用について、大阪市が事業者との契約を半年以上結べず、維持管理費の数百万円を肩代わりしていることがわかった。

 市は負担分の補塡(ほてん)を事業者に求め、引き続き契約締結をめざす。

「なにわの海の時空館」の跡地活用について説明する大阪市の横山英幸市長=2024年7月11日午後、大阪市役所、原田達矢撮影

 時空館は市が2000年に176億円をかけて開館したが、入館者が低迷。毎年約2億~3億円の赤字が続き、当時の橋下徹市長が「負の遺産」として閉館を決めた。

 昨年11月、3回目の公募で、跡地活用を担う事業者に観光コンサルタント会社「シンフォニックスリール」(本社・同市中央区)が決まった。だが市によると、同社は保証金として必要な約1億3千万円を準備できず、契約できない状態が続いている。同社が負担するはずの1~6月の電気、水道代などの施設管理費計約300万円も市が肩代わりしているという。

 市によると、同社は手付金の約2千万円は支払っており、市の肩代わり分も支払う意思を示している。市の担当者は「契約の意思はあり、協議を続ける」と説明する。

 横山英幸市長は11日、報道陣に「事業者が手を挙げて、民間の知恵で活用すると言っている。きっちりと(契約が)整うように協議を進めたい」と述べた。(原田達矢)