闇サイト殺人、検察「極刑を」 控訴審初公判
名古屋市千種区で2007年8月、闇サイトで知り合った男3人に会社員の磯谷利恵さん(当時31)が拉致・殺害された事件で強盗殺人罪などに問われた無職、堀慶末被告(35)=一審、死刑=と同、川岸健治被告(43)=同、無期懲役=の控訴審初公判が9日、名古屋高裁(下山保男裁判長)であり、検察側は「川岸被告が犯行の中心的人物」として同被告への死刑判決を改めて求めた。
一審・名古屋地裁は川岸被告が犯行後に出頭したことを自首と認定、起訴された3人の中で唯一、死刑ではなく無期懲役を言い渡していた。
検察側は控訴審で「川岸被告が闇サイトで犯行を呼びかけており、重要な役割を果たした中心的人物」と指摘。自首については「犯行後の疲労により一時の迷いから出頭した。過大に評価することはできない」と断じ、「極刑をもって臨むべきだ」とした。
弁護側は一審判決後に実施した両被告の心理鑑定結果を証拠として提出。川岸被告は「低度の知的障害に加え、発達障害もある」と強調。「自首は良心のかしゃくからだった」と有期刑への減刑を求めた。
堀被告の弁護人は「人を殺してまで金を得ようとは思っていなかった」と述べた。
2被告とともに起訴された神田司死刑囚(39)は控訴を取り下げ、死刑が確定している。