比の問題です。「△ : 8 = 15 :40 」、△はいくつ?

あなたは解けますか?

食塩水の濃度や往復の平均速度など、仕事などでちょっとした算数の知識が問われる場面に出くわして、ドキッとしたことはないだろうか。「昔は解けたのに……」、そう思うのに解けない。そんな大人たちは本連載で今一度、算数を基礎から学び直してみてはどうだろう。

長年、算数・数学教育に携わってきた桜美林大学名誉教授・芳沢光雄氏の新刊『大人のための算数力講義』(講談社+α新書)より抜粋して、「算数の重要な考え方」をお届けする。

『大人のための算数力講義』連載第27回

『「いざなぎ景気」の年平均成長率…正しいのはどっち⁉マスコミも間違える数値計算を正しく解説』より続く

分け方を見る「比」の特性

比について述べよう。最初に、次のような分け方を考える。

・5mのテープを2mと3mに分ける。

・500円を200円と300円に分ける。

・750mℓの牛乳を300mℓと450mℓに分ける。

どの分け方においても、前者を2とすると後者は3になり、後者を3とすると前者は2となる。その分け方だけに注目してみると、順に「2m対3m」、「200円対300円」、「300mℓ対450mℓ」となっている。

Photo by gettyimages

前者は2で後者は3のこのような関係を、「比」という世界では互いに等しいと考える。そして「対」を「たい」と呼んで、「:」で表す。

2m:3m=200円:300円=300mℓ:450mℓ

というように前者と後者の関係を等号で結ぶ。とくに上式の比は、

2:3

という簡単な形の比と等しくなる。このように比の世界においては、簡単で見やすい形が求められる。他の例も挙げておこう。