「2位でもダメ」のまさかの歴史的惨敗…!蓮舫陣営の甘すぎた都知事選目算と5つの敗因
選対本部長すらいない蓮舫陣営の選挙体制
そもそも、蓮舫選対に「どうやったら小池知事に勝てるか」という戦略があったとは到底思えなかった。蓮舫氏は「無所属のオール東京で」と語っていたが、実態は立憲民主党の議員や秘書が何十人も手伝っていた。そうしたリソースを使う一方で、戦略性のなさが目についた。 立憲民主党の国会議員秘書は、告示直後に党本部の選対から事務所に「各事務所に200部ずつ確認団体のビラを配るので、それぞれの自宅付近でポスティングしてください」と連絡があったという。 「議員も秘書も東京に住んでいるとは限らないのにどういうことなのか。そもそも告示後のポスティングは問題なんじゃないか。そんなことを秘書同士で言っていたら、結局その話は無くなりました。 電話かけも自主的に手を上げたら100件単位で任される、というので、誰もやらなかった。ある秘書が手を上げたら、電話を貸してくれるわけでもなく、党本部の一室に呼ばれ、行ったら誰もいなかったそうです。ほとんど誰も電話がけなんてやってないってことです。 7月に入ってからも急に『推薦ハガキの宛名を貼るのに人員が足りないから明日都合つく人はいないか』と頼まれた。これは蓮舫陣営から頼まれたことのようですが、終盤戦になってからハガキ送るなんて聞いたことがない。どういう体制でやっているのかと不思議に思いました」 都連所属のある国会議員は、自分ですらもどういう体制で選挙が行われているのか分からなかったと語る。 「蓮舫陣営の選対本部長が誰なのか分からなかったので都連幹部に聞いたら『いない』と言われた。事務局長もいないようです。だから誰が責任者で、どういう体制でやっているのかが分からないんです。 都内の30ある衆議院選挙区ごとに支部選対を立ち上げたが、総合選対は開かれていない。日程が決まり、自分の地域で街頭演説があるとなれば、支部として対応するという感じで、全体像がどうなっているのか最後まで全然分からなかった」 戦略性のなさは街頭演説の内容にも表れていた。蓮舫氏の街頭演説は1日1~2回、1時間近くの時間をかけて数人の応援弁士がやってくるというスタンスだった。大規模な駅前での開催だったため、大勢の人が詰めかけた。 筆者の主観であるが、蓮舫氏の演説はキンキンがなり立てるので、好きな人はいいかもしれないが、そうではない人は聞いていられない。しかも内容がどんどん小池知事の批判ばかりになっていて、共感を呼ぶ演説とは思えなかった。実際、自民党の調査では女性からの支持が小池知事の約半分という傾向だったが、それは最後まで変わらなかった。