「2位でもダメ」のまさかの歴史的惨敗…!蓮舫陣営の甘すぎた都知事選目算と5つの敗因
「やっぱり蓮舫は蓮舫だった」
そして、何より蓮舫氏自身の振る舞いについても批判の声が出ている。それは蓮舫氏が泉健太代表を「排除」したことにある。 出馬表明を決めた直後の5月29日。参議院の議員総会で蓮舫氏は「こんな謙虚な私は久しぶりです」と挨拶した。 だが、「やはり蓮舫は蓮舫だった」と立憲民主党関係者は語る。泉健太代表が唯一街頭演説に参加したのが6月24日立川駅でのことだった。 「枝野さんや野田さんなど他の応援弁士の時には壇上で並んでいるのに、泉さんの時だけは並ばなかった。そして泉さんが演説を終えると、握手をすることもなければ目も合わせることなく、入れ替わりで壇上に上がったんです。いくらなんでも代表への敬意がなさすぎるし、感じが悪い」 街頭演説での応援弁士として野田佳彦、枝野幸男、辻元清美の3氏は少なくとも6回以上ずつも現れている。その一方、泉代表はこの平日の1回しか応援に呼ばれることはなかった。あまりにも応援弁士が偏っていることが「旧立憲民主党による都知事選」という見え方を強くした。 「蓮舫氏は都心を中心に街頭演説をやっていた割に、泉さんを呼んだのは立川と遠い場所。しかも平日です。遅れたら蓮舫さんから何を言われるか分からないので泉さんは2時間前には国会の事務所を出発したそうです」(前出・立憲民主党関係者) こうした振る舞いに、泉代表に近い議員の一人は呆れた様子でこう語る。 「人として終わってるよ。そういう、人への配慮とかこれまで全くやってこなかったんだろうね。まあ、(人として終わっている以前に)始まってないよね。そういう人間性が滲み出ているから支持も広がらないんだと思う」
絶えない落選後の東京26区への鞍替え説
こうした選挙戦を通じて、告示時点で自民党の調査で「10ポイント差」だった調査結果は終盤には15ポイント差まで開いていた。さらにNHKの期日前調査では石丸氏にも負けているという数字が出ていたほどだった。 当初の10ポイントの差であれば、十分に逆転の可能性はあった。それが当日の出口調査では20ポイント前後の差に拡大し、石丸氏にも抜かれてしまった。それだけにこの結果は「惨敗」と言うことに異論はないだろう。 蓮舫氏は落選確実となった直後の記者会見でこう語った。 「やれるだけのことはやった。今後のことはまだ考えられない」 しかし、蓮舫氏に対しては来年までに行われる衆院選に東京26区から立候補するという噂が絶えない。もし、この「戦略なく惨敗した」都知事選が衆議院鞍替えのためのステップに過ぎなかったというわけにはいかないだろう。 蓮舫氏の次の挑戦が何になるのか、注目したい。
小川 匡則(週刊現代記者)