「2位でもダメ」のまさかの歴史的惨敗…!蓮舫陣営の甘すぎた都知事選目算と5つの敗因
少ない活動量に下品な応援演説
つまり、これまでの蓮舫氏のキャラではまず勝てないという状況から始まったにもかかわらず、従来の姿勢を貫き通したのだ。その結果、よりコアなファンの期待を上げるだけで無党派層の取り込みはできなかったということであろう。立憲支持層でも7割以下しか固められなかったこともそれを示している。 事実上、蓮舫陣営の最高責任者であった立憲の手塚仁雄都連幹事長は告示前の段階で、「本人は全力でやってしまうから、何箇所もやると喉がもたない」として、1日1、2箇所程度の演説にとどめる方針を示していた。 一方、公務を理由に活動が低調だった小池知事も、後半戦は1日1回の大規模な街頭演説会を実施していた。さらに、街宣車での流しも行うなど活動量を大幅に増やした。低い知名度から一気に追い上げた石丸氏は1日10回前後の街頭演説を行い、「質より量」で勝負した。 支持を広げるということに主眼を置くならば、可能な限り多くの地域で少しずつでも街頭演説をやるスタイルの方が良かったのではないか。 また、終盤戦では蓮舫陣営とその支持者によるなりふり構わぬ品のない言動が目に余った。 7月6日の最終日、新宿駅前での最後の演説。応援弁士を務めた野田佳彦元首相はこう発言した。 「(自民党の)脱税のチームに応援される人も私は同じ穴のタヌキだと思います。同じ穴のタヌキは駆逐しようじゃありませんか」 仮にも国のトップだった人物とは思えない品のなさである。また、杉尾秀哉議員は演説で「もう緑のたぬきには任せられない! 8年もやれば十分だ」と語った。 辻元清美議員は5日の街頭演説で、「アメリカ大統領も2期8年。それ以上は長すぎる」という主張を展開した。だが、元民主党衆院議員の達増拓也・岩手県知事は現在5期目で、17年目を迎えている。5期目を目指した昨年の知事選では立憲民主党は支持している。主張に一貫性がなく、その場しのぎで適当なことを言っているようにしか見えなかった。 また、蓮舫陣営の確認団体のビラや看板を持った人たちが小池知事の街頭演説に押しかけ、それを掲げながら「辞めろ」「学歴詐称」などと叫んでいた。これに対しても蓮舫氏はSNSを通じて「相手陣営の妨害行為は控えるように」といった呼びかけの一つもするべきだったのではないか(安野たかひろ候補はそうした呼びかけを行っていた)。