山口新聞

2024年
719日(金)

  • 購読お申し込み
  • ログイン

下関・火の山、木製展望台解体へ 映画「チルソクの夏」のロケ地 21日までに「見に来て」

21日で利用を終える火の山山頂にあるあずまや付き木製展望台=17日、下関市の火の山 21日で利用を終える火の山山頂にあるあずまや付き木製展望台=17日、下関市の火の山

 下関市が進める火の山地区の観光施設再編整備計画「光の山プロジェクト」の最初の工事として、山頂にあるあずまや付き木製展望台の解体が22日から始まる。下関出身の映画監督、佐々部清さん(1958~2020年)の代表作「チルソクの夏」のロケ地にもなった木製展望台で、21日までは利用できることから、市は「残り少ない期間だが、せっかくの機会なのでいま一度見に来てほしい」と呼びかけている。

 木製展望台は高さ約3・6メートルのあずまやなどを含めた広さ約150平方メートルのウッドデッキで、2001年に設置。「火の山ロープウェイ」の上駅と山頂を結ぶコースの途中に位置し、関門海峡や関門橋が一望できることから、市民に長年親しまれてきた。04年公開の青春映画「チルソクの夏」では、韓国・釜山で開催された陸上競技の大会で出会った下関の女子高校生と釜山の男子高校生が1年後に下関で再会した際、2人で花火を見るシーンで登場している。

 再編整備計画では現木製展望台跡地そばに、新たに「ヒノヤマリング展望台」を建設。これに伴い現木製展望台の利用は21日までとなり、22日から9月下旬ごろにかけて解体工事が行われる。新しい展望台は来年度中の供用開始予定。

 現木製展望台の下にある明治期築造の下関要塞(ようさい)の指令室跡は同展望台解体後もそのまま残され、近代日本や関門の歴史を物語る遺構として保存されるという。

 市公園緑地課の永冨晋一課長は「現木製展望台を残してほしいという声もあるだろうが、全体をリニューアルする中で思い切って整備することにした。新しい火の山を楽しみにしていてほしい」と話した。

 火の山の再編整備を巡っては、火の山ロープウェイが11月で66年間にわたる営業を終了し、その後解体されてパルスゴンドラ(固定循環式ゴンドラ)として生まれ変わることになっている。

 (石田晋作)

21日で利用を終える火の山山頂にあるあずまや付き木製展望台=17日、下関市の火の山
新たに整備される「ヒノヤマリング展望台」のイメージ図(下関市提供)
  • 21日で利用を終える火の山山頂にあるあずまや付き木製展望台=17日、下関市の火の山21日で利用を終える火の山山頂にあるあずまや付き木製展望台=17日、下関市の火の山
  • 新たに整備される「ヒノヤマリング展望台」のイメージ図(下関市提供)新たに整備される「ヒノヤマリング展望台」のイメージ図(下関市提供)
ビジネスに役立つ地域情報が満載 山口新聞電子版
※「Googleで購読」には初月無料が適用されません。
詳しくは、こちら からご確認ください。

関連記事


親思う優しい幽霊しのぶ  下関・永福寺 祭りで姿写した掛け軸公開

  • (2024/07/19) 06:00

 下関市観音崎町の永福寺(井上恵介住職)で17日夜、幽霊まつりがあり、両親の仲を案じながら若くして亡くなった孝行娘の幽霊の姿を写した掛け軸が公開された。  約300年前に同寺の門前にあった海産問屋の一人娘が病で亡くなった後、幽霊となって当時の住職の枕元に姿を現し、争い事が絶えなかった両親の仲が円…

美祢線100周年記念車両見納めへ  来月24日「さよなら乗車会」 きょうから参加者募集

  • (2024/07/19) 06:00

 JR美祢線利用促進協議会は、美祢線の全線開通100周年を記念して車体に特別なラッピングを施した車両の「さよなら乗車会」を8月24日に実施する。無料で招待する参加者を19日から25日まで募集する。  100周年記念のラッピングは、通常は美祢線を中心に運行していたキハ120形ディーゼルカー1両に施…

山口子どもの文化研究会が受賞  紙芝居の優れた演者たたえる「右手悟浄・和子賞」 平和伝える活動評価

  • (2024/07/19) 06:00

 山口子どもの文化研究会(向谷静波会長、周南市)が、紙芝居の優れた演者に贈られる「第9回右手悟浄・和子賞」を受賞した。  東京都豊島区で授賞式が開かれ、向谷会長らが出席。同会の活動について発表したほか、同会会員の高藤弘樹さん(69)が紙芝居「厚狭の寝太郎」を披露した。  同会はアナウンサー、教…

  • みなと新聞山口合同新聞社
  • みなと新聞
  • 下関印刷センター