2024-07-17

OpenAI Japanインタビュー体験が残念だった件

某月某日、OpenAITokyo Location で設定されたポジションに応募したところ、レジュメ通過の連絡を同社のリクルーターの方からメールでいただいた。このような記事を書くからには、最終的に見送りとなったわけだが、結論から言うと、今まで受けた外資系企業インタビュー体験の中でも、あまり気持ちの良いものではなかったというところが本音だ。

海外サイトの Glassdoor などには OpenAIInterview Experience がいくつか投稿されているが、日本法人オープンした OpenAI Japanインタビュー体験についてはまだあまり投稿がないと思うので、ここに記しておこうと思う。なお、インタビュー質問された具体的な内容など、面接対策になるような内容はもちろん明かさないので、あくまで全体のプロセスのみにフォーカスした内容である

2024 年 7 月 17 日時点で OpenAITokyo Location、つまり OpenAI Japan には以下の 5 つのポジションオープンとなっている。

  • Account Director
  • Customer Success Manager
  • Media Relations
  • Security Engineer
  • Workplace Operations Manager

匿名性を担保するため詳細は伏せるが、私が応募したポジションは、現在はこのオープンポジションの一覧にはない役職である。そのため、良い人材を獲得できたか、あるいはポジション自体クローズになったのかもしれない。

リクルーターとの 30 分程度の会話の中で、インタビュー基本的に以下のような流れで進むとのことだった。

これらを理想的には 3 週間程度で終わらせることが求められるとのことで、スケジュールされたらなるべく早く対応する必要があった。また、多くの応募があるため、より早く進められるほど良いとのことだった。もちろん、日本法人にはほぼ人はいない(おそらく元 AWS長崎社長のみ?)ため、ロンドンあるいはサンフランシスコ拠点とするメンバー英語で会話する必要がある。実際、リクルーターサンフランシスコにいるため、時差を考慮してスケジュールする必要がある。

参考までに給与についても伺ったところ、これは興味深い内容だった。OpenAI非上場企業であるため、いわゆる外資によくある RSU は存在しない代わりに、PPU (Profit Participation Units) と呼ばれる仕組みがあり、Base Pay 以外に支払われる。これはざっくり言うと、OpenAI が上げた純利益のうち、一部を従業員保有する PPU の数に応じて支払うというものである

次のインタビューは、サンフランシスコ拠点とする、同じ職種メンバーと話すことになった。内容に関する詳細は伏せるが、いわゆる外資でよくあるような行動面接と、Job Role にフィットするかどうかを試すような質問がなされる。後者自身経験が試されるが、前者の行動面接の部分は、ある程度「慣れ」と「準備」が必要な部分だと思う。よくある質問としては、トレードオフを伴う内容だ。たとえば、期限が厳しいプロジェクト成功に導いたエピソードを話す際に、期限を厳守するにあたりどんな犠牲を払ったか、最終的な成果にどのような影響を与えたか、どんな基準でその犠牲容認したのか、などである。これらはエピソード棚卸ししていないと、まずスラスラと会話することは不可能英語では特に)であり、私は入念に準備を行って臨んだ。

インタビュー通過の報を受けた私は、Take-home Assignment に取り組むことになった。問題としては大きく分けて 2 問あり、ひとつは 4 時間程度で完了させてほしいと書かれていたが、ここでひとつ問題が起きた。OpenAIAPI を試す必要があるのでクレジット付与されるそうなのだが、一向にクレジット付与されない。リクルーターへ連絡しても特にレスポンスはなく、またできる限り早く全プロセスを終えた方が望ましいと言われていた私は、仕方なく自身クレジット検証することにした。検証にかかる費用はせいぜい 10 USD 程度であるので、これくらいは別に問題ない。2 問あった問題はそれぞれ 4 時間ほどかかり、休日を 1 日使いきってドキュメントをまとめ、課題提出を完了させた。内容に関しては、現時点で自身が考えうる最大限の回答を出せたと考えている。

ここからが、私が最もインタビュー体験が残念であったと感じる点であるが、提出課題が通過したのか否か、全くレスポンスが来ないのである。1 週間を過ぎた頃に「すぐに次のプロセスをお伝えできる」と言われ、さらに 1 週間が過ぎた頃にもまた同じ内容がメールで繰り返された。なにか質問があればいつでもご連絡くださいとのことであったため、「次のプロセスを受けるにあたって準備すべきことがあればお知らせください」とメールで返信してみたが、無視されてしまった。1 週間ごとの Ping メールも来なくなってしまい、不安に思った私は、選考状況について問い合わせるメールを送った。こちらは数営業日が経過したのちに返信がきたが、「すぐに次のプロセスをお伝えできる」と繰り返されるのみであった。

提出から 1 ヶ月以上を過ぎた頃、リクルーターより今回は選考見送りになったことがメールで告げられた。メールには、「あなた経験は素晴らしく、これは非常に困難な決断でした」「わたしたちとのインタビュー時間と労力を割いてくれたことに感謝します」という生成 AI で作れそうなテンプレ内容が書かれていた。縁がなかったことは仕方ないが、今回の経験を今後に活かしたいと考えた私は、「なにか私の経験で不足していた点や、課題に関してこうだったらよかったといったフィードバックはありますか?」と返信したが、こちらについてもレスポンスフィードバックが来ることはなかった。

上述のとおり、現時点でポジションクローズされていることから察するに、私より先にどなたか良い人材を見つけオファーを出しており、もしかしたらその受諾待ちの期間だったのかなと想像した。私が OpenAI Japanポジションのために準備した様々な作業は、報われることなく、残念ながら徒労に終わってしまった。

OpenAI が AGI を実現していこうとする思想や整備を始めているメカニズム、そしてそのためにビジネス面を強化していくという会社方針については、今でも強く共感しているので、数ある訴訟問題に負けず頑張ってほしいと思う。OpenAI Japan は元 AWS長崎社長就任したというニュース以降、日本人が着任したという話も聞かず Account Directorポジションも 3 ヶ月近くずっとオープンのままであるが、AWS Japan から優秀な誰かを引っ張ってくるんじゃなかろうかと想像している。AWS としてはたまったもんじゃないだろうが、外資系企業渡り歩く「波乗り」が上手い人を、私は数多く知っている。

この文章をもって、この体験荼毘に付そうと思う。対戦ありがとうございました。

  • AIが書いたの?

  • ただ落ちて悔しかっただけやん。 まあそういう気持ちを供養するのも増田の良い使い道だよな。 レスポンスが遅いとかは中小スタートアップあるあるだよ。 切り替えて次に行こう。

  • 波乗りが上手いだけの人って色々な場所でドヤってるけど、なんか好きになれないんだよな…😔

  • そのポジション募集してないんだから 最初から望み薄いだろ だって募集してないんだぞ?

記事への反応(ブックマークコメント)

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