東九州道の事業認定取り消し求める 一部区間巡り住民ら提訴
東九州自動車道の一部区間は採算性が低いとして、建設予定地でミカン農園を営む岡本栄一さん(67)=福岡県豊前市=や周辺の住民ら65人が2日、国の事業認定取り消しを求める訴訟を福岡地裁に起こした。
訴状によると、取り消しを求めたのは福岡県から大分県にまたがる椎田南―宇佐間の約28.3キロ。国が試算する同区間の交通量は将来の地域の人口減などを考慮に入れておらず過大で、騒音や振動の環境被害に対する配慮もない、としている。
同区間は2006年4月に着工。開通すればミカン畑が分断される岡本さんは西日本高速道路の用地買収に応じず、強制収用に必要な国の事業認定を事前に差し止める訴訟を起こしたが、昨年9月に福岡高裁で敗訴。国は10月に事業認定した。