日本が太平洋戦争に踏み切った1941年の直前期に、当時の松岡洋右外相がローマ教皇ピウス12世と会い、対米開戦回避に向けた仲介を要請していたことが12日までに、教皇庁(バチカン)公文書から分かった。
松岡は41年4月2日、バチカンでピウス12世とナンバー2のマリオーネ国務長官(首相に相当)と相次いで面会した。文書によると、松岡はピウス12世に「極めて内密な私的見解」を述べた。「戦争が世界規模になるかどうか」はルーズベルト米大統領が鍵を握っているとして、米国が参戦しないようバチカンに説得を要請した。
ルーズベルトの出方次第では、日米相互に破滅をもたらす戦争が起きるとも強調。米国は日本を信用し、中国国民政府を率いる蔣介石に働きかけるべきだと主張した。
「最高機密だ」とした上で、日本は中国との停戦を望んでいると述べた。(共同)