第517回「慶事色々」

 深谷隆司の言いたい放題第517回
 「慶事色々」

 3月4日、私の親戚でもある黒田収氏の藍綬褒章受章の祝賀会が、上野精養軒で行われた。この精養軒は、50年前私達夫婦が結婚式をあげた場所である。  
 ちなみに今年の5月25日が結婚記念日で、金婚式と相成るのだから、辛抱強い話である(どちらが?)。
 黒田氏は、長年にわたって防犯実践活動推進に寄与してきた。何しろ蔵前防犯協会に入会したのが1977年、以来、理事を経て会長となり、実に37年経過している。
 台東区町会連合会の会長を務めているから、区内の錚々たるメンバーがそろって、その数300人を超える大盛況であった。
 祝言第一の作品と知られる能楽舞囃子「高砂」から始まって、新郎新婦ならぬ黒田夫妻が登場する。なかなかの演出だが、この1時間後に自民党政経塾の卒業式が控えている私は、時間が気になってそわそわしていた。
 挨拶に立って「元通産大臣との紹介を受けましたが、今日ばかりは元国家公安委員長と言って欲しかった(防犯協会は警察関係、その所管大臣だから)」と笑わせ、彼の功績と内助の功を讃えた。予定通りのピタリ6時半、大急ぎで祝賀会場を後にした。

 自民党本部9階、丁度、国歌斉唱の最中に政経塾の卒業式場に無事到着した。8回生、卒業する塾生は143名、あっという間の1年間であったが、共に学び過ごしてきたから、今となれば別れがたい連中だ。
 どの顔も紅潮して、如何にも新鮮で魅力的であった。真面目な人ばかりで、この内皆勤が70人もいる。彼等にはいつものように深谷グッズを寄贈した。
 すでに卒塾者は1000人を超え、国会議員7名、都議はじめ地方議員は80人を超える。塾出身国会議員の大西英男、山田美樹、辻清人、小松裕各代議士、岩井茂樹参議院議員が顔をそろえてくれた。
 石原伸晃大臣や内田茂都連幹事長から、この塾が出来た経過(元は私の私塾深谷政経塾)が語られ、私や小田全宏塾長代行への賛辞と感謝の言葉が述べられた。
 祝宴になって、ほとんど全員から握手攻めであったが、その大半が次回も入れてくださいと言う。
 ただ、9回生は来年の地方選挙に出る人優先(都連の新人候補者は、塾生であることが義務付けられた)だ。人数が多すぎて彼らを迎えられるのか心配で、「次回からは学科試験だぞ」と冗談とも本気ともわからぬジョークでごまかしていた。
 時の経つのは本当に早い。塾創設はついこの間のように思っていたが、もう8年が過ぎた。私も歳を重ねる一方だ。
 みんな元気で頑張って欲しい。「この人たちにこれからの時代を任す」、秘かにそんな期待を込めて送り出すのであった。

 3月5日、9時から神田錦町に在る正則学園高等学校の卒業式に出席した。私はこの学校の理事、後援会長を務めているが、関わりを持ってから実に45年の歳月が流れる。塩澤一彦理事長の亡くなった先代理事長時代からで、もっぱら質実剛健を旨とする、今では数少ない男子校に惚れ込んだからである。
 早稲田の後輩で親しい西川太一郎荒川区長も参加していたが、彼もこの学校とは古いつき合いになる。
 学校行事として、中華民国(台湾)への毎年の研修旅行がテレビ等でも紹介され、話題になっていたが、深沢昇校長の式辞によると今回は取りやめになったと言う。近年、日中関係、日台関係が悪化して、安全最優先から九州研修旅行に切り替えたのだが、成果を挙げていただけに残念なことである。
 この子たちが存分に活躍できるような世の中にしなければならない、2時間余の式典の間、思い続けたのはその事であった。

 この夕、ホテルニューオータニで元IOC副会長金雲龍氏と会食した。昔、私が子供たちに空手を教えていた時代(1976年頃)、韓国に遠征試合に出掛け、そこで知遇を得た韓国の親しい友人である。彼は世界テコンドーの総裁だ。(ちなみに私は空手6段、テコンドー名誉5段)。
 長野オリンピック誘致の時は私からの要請を受けて、随分協力してもらったものだ。その後、IOCの会長選挙に立候補したが、白人の牛耳る世界、黄色人種ということで理不尽にも散々叩かれて、彼の名誉は著しく失墜した。韓国の国会議員にもなったが、かの国は政権が代わるとたちまち糾弾される世界、それからは不遇な日々であった。
  昨今の韓国の動きはどうも納得出来ないから、一切の接触を断ってきたのだが、久しぶりに家内も交えて痛飲し、改めて変わらぬ友情を感じて楽しかった。
 韓国には良い人達が沢山居る。朴大統領という一人の偏屈な為政者によって両国がいがみ合う構図になっているが、喜ぶのは共産主義者だけだ。こんな状況を1日も早く解消しなければならないと強く思った。

 皆に心配をかけた私の健康状態だが、実は4日に山口病院で再検査、肺炎も癒え、血液検査も、久しぶりに百点満点だった。山口先生の医術に改めて感謝、私の回復力はまだまだ十分のようである。
これで飲めると思うとそれだけで幸せである・・・。