今回は、今年の4月に発売されたばかりのセイコーのドルチェ

SEIKO DOLCE SACM171


上の写真ではケースがフラットなシルバーに見えるが、現物は鏡面仕上げになっている。

型番 SACM171
キャリバーNo 8J41-0AJ1 
サファイアガラス 内面無反射コーティング
ケース直径・幅 33.5 mm
ケース厚 5.3 mm
バンド:サイドワニ(カイマン)
耐磁 あり
精度 年差±10秒
発売日 2014年4月

年差+-10秒以内、1ヶ月に1秒も狂わない超高性能。
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3針デイト無しのシンプルで清楚な感じのするデザイン。
ドルフィン型の長短針は形状が美しく、光が当たると剣のように輝く。
ケースには、擦り傷が付きにくいダイヤシールド加工が施されている。
ガラスはサファイアガラスなので傷が付かない。

SACM171 の前の型に SACM167 がある。理由は不明だが品番が違うだけで外観も機能も同じ。
因みに、 SACM171 のキャリバーNo は 8J41-0AJ1 で SACM167 のキャリバーは No 8J41-0AJ0 となる。
 
ベルトがラグ部で17mm、尾錠部で14mmと、男性の腕には細過ぎて、どこか頼りない感じを受ける。本ワニ革とのことだが、クロコダイルではなくカイマンの革で、肌触りは良いのだが、想像以上にチープだったので交換した方が良いだろう。

SEIKO純正のリザード(トカゲ)革ベルトに交換してみた。
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元の薄いカイマン革ベルトに比べ質感があるので、高級感が増して素敵な腕時計になった。
リザード革は、細かくて粒の揃った光沢のある体鱗の美しさと丈夫さが魅力。

性能は年差時計なので素晴らしいの一言。
趣味性の高い機械式時計も良いが、時を刻む時計は正確なのが一番なので、年差時計の魅力は捨て難い。

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秒針を止める軸の部分は、グランドセイコーと同じフラットな形状で、針関係のデザインに手を抜いていない。
文字盤は商品説明では白となっているが、実物は白に近いシルバーである。

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上は機械式の PRESAGE SARX019 と並べた写真。
プレサージュに比べると、ドルチェは小さく薄いので、存在感が無いと言えば無いのだが、シンプルで飽きの来ない良いデザインと思う。ただ最近は大きい腕時計が主流で、ケースが33mm強と小さく、厚さは5mm強と薄く、しかも細いベルトなので、存在感が無くチープに見えるかもしれない。尾錠側から見ると、ベルトの細い部分が14mmしかなく女性用に見えてしまう。

セイコーの腕時計は、5万円から10万円程度の物で十分だと思う。この価格帯の物はコストパフォーマンスが高い。更に高価なグランドセイコーは確かに良い製品だが、収益率が高いドル箱なので必要以上に高い価格設定になっている。価格に見合う価値があるかどうかは疑問に思う。

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検索でここに辿り着いた人は、この時計の購入を検討している人だと思うが、SACM171 は“買い”かどうか?
径が小さいのとベルトの細さが気にならず、シンプルで薄く軽い腕時計が好みで、性能重視の人は、上質でかなり良い時計だと思うので“買い”だと思う。
年差時計であり、グランドセイコーと同等の性能を比較的安価で手にすることができる。

歴代ドルチェの中では傑作だと思うが、小さく薄いので存在感に欠けることから、所有する満足感みたいなものは、あまり感じることはできないかもしれない。しかし、本来ドルチェはフォーマルウエアに合わせるドレスウォッチなので、破綻のないデザインで目立たないことや、すっと腕に収まるサイズ感が求められるわけで、シンプルで抑えの利いた存在感こそが、美しくエレガントでもあり、SACM171 の魅力はそこにあるのだろう。


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