第754回「感激の日々」

 深谷隆司の言いたい放題第754回

 「感激の日々」


37日午前11時から、両国国技館において「自治体消防制度70周年記念式典」が、天皇皇后両陛下御臨席のもと盛大に開かれた。

両陛下のすぐお側に、安倍総理はじめ三権の長と共に私も自治大臣経験者として壇上に並んだ。

式典は40分程度だったが、両陛下が御退場の時、2万人を越える参加者に、名残惜しげにお手を振られた。そのお姿に、生前御退位を思い目頭が熱くなった。

式典前の控え室には、秘書役の和泉君が思わず「すごい顔ぶれ」と言ったが、歴代大臣が揃っていた。その中で私は大長老、皆が久しぶりの私に「先生は若い」と盛んに言い、私を囲んで何度も記念写真を撮ってくれた。照れくさいやら嬉しいやら・・・であった。

2001年の省庁再編で、郵政大臣、自治大臣(いずれも私が経験者)が廃止され、今は総務大臣となっている。今回の主催者は野田聖子総務大臣だ。

旧内務省の流れをくむが、かつての内務大臣は実質上の首相で、初代は明治維新の三傑の1人大久保利通であった。私の大臣時代、後ろに大久保利通の揮毫が飾られていた。大臣の机は暴漢の刃から守るためにびっくりするような大きさだったが、今もその明治時代の机が使われているという

安倍総理が親しげに声をかけてくれる。大島衆議院議長は「この国技館を一杯にしましたね」と私の後援会大会のことを言われた。よく覚えてくれたと感心したが、実は蔵前国技館のことであった。


5日は正則学園高等学校の卒業式、私がこの学校に関わって50年近くなる。

長い間,理事、後援会長を勤めていて、生徒達を迎え、送り続けて来た。今では珍しい男子校で、塩澤理事長、金子校長が質実剛健をモットーに頑張っている。

卒業生に「親にとっては自慢の息子たち、私から言えば、君たちは国の宝、素晴らしい人生を送って欲しい」と檄を飛ばした。


6日は自民党政経塾の卒業式だ。私が塾長をつとめ、小田全宏君が塾長代行で12年目が終わる。常に定員の倍の塾生が集って、既に2000人に及ぶ人達が学んできた。国会議員12名、地方議員は170人になるが、他の分野でもリーダーとして活躍している。「今時こんな素晴らしい人達がいるのか」といつも感心している。渋谷の「温故知新塾」の塾長でもあるが、「育するを楽しむ」で、彼等といる時が至福の時である。

最後の打ち上げの宴では、私の前に行列が出来て、握手を交わしたり、写真を撮ったり、本にサインをしたりで名残は尽きなかった。惜別の情を抱きながら、本当に感激の日々だと幸せを噛みしめているのだった。