- 11じゃんね☆24/07/16(火) 21:58:46
っていう感じのやってるじゃんね☆
このスレは2スレ目じゃんね☆
主人公は『阿慈谷ヒフミ』ちゃんじゃんね☆
召喚したクラスは『セイバー』じゃんね☆
補習授業部メンバーと一緒に聖杯戦争に殴り込みしたじゃんね☆
適宜、ダイスと安価とSSで聖杯戦争をぶん回してくじゃんね☆
1はスレ立て含め色々と初心者だから優しくしてほしいじゃんね☆
それじゃ、よろしくお願いします……じゃんね☆
【前スレ】
【ダイスと安価】ブルアカキャラがマスターの聖杯戦争|あにまん掲示板っていう感じのやりたいじゃんね☆スレ立て初めてだから優しくしてほしいじゃんね☆適宜、ダイスと安価で聖杯戦争をぶん回してくじゃんね☆とりあえず主人公のブルアカキャラの誰にするかダイス振りたいから>…bbs.animanch.com【簡単な各種説明と判明してる情報まとめ】
x.gd - 21じゃんね☆24/07/16(火) 22:07:47
- 3本編じゃんね☆24/07/16(火) 22:15:31
Recommend by Bgm ……〈Formless Dream〉
時計台の短針がⅢの数字を示す頃。
彼女はそこで待っていた。
長い歴史を見てきた鏡面仕立ての大理石が敷かれたバルコニー。
白いガーデニングチェアに座る、白く美しい彼方。
「お久しぶりです、ヒフミさん」
その顔には気がつかないほど小さな疲れを滲ませて、けれど美貌に一片の翳りもなく、十代の瑞々しさに落ち着いた色香が混じり合っている。
白い翼、紅茶を想わせる淡い色の髪、この地を睥睨する琥珀の瞳。私の、憧れの人。
「お元気そうで何よりです。怪我をされたという話を『聞いて』本当に、心配しましたよ」
品位貴き彼女が纏うその純白の制服は、トリニティ生の多くが憧憬を向ける、歴史と誉れある『ティーパーティー』の物。
「はいっ!……あ、あの入院だったりその間の警護だったり、色々手配して頂いてありがとうございました!」
キヴォトス三大校が一角『トリニティ総合学園』、その頂点たる最高権力者。
「気を病まないで下さい、ヒフミさん。その程度の事、我が校の生徒、それも他ならぬ『ヒフミさんとそのお友達』を守る為でしたら些事に過ぎません。
フィリウスの君主、生徒会長ホスト代行。
「主が愛を説き、そうしたように。私もまた、それに倣うだけ。そう、知識は誇りに、愛は徳に。受けるよりも与え、そう加える事を。───愛は巡り巡る物なのですから」
桐藤ナギサ様は、静かな微笑みを浮かべて私を待っておられました。 - 4本編じゃんね☆24/07/16(火) 22:17:10
「それにしても、なんだかこうしてお話しするのは久しぶりな気がしますね。つい先週もお話したというのに。そうそう、あの時はカップの温もりが残るほどゆったりとした時間だったでしょうか?」
先ほどよりほんの少しだけ咎めるような気持ちの乗った声色に思わず申し訳なさと苦笑いが溢れてしまう。
「あはは……なんだか、ご無沙汰しています。ナギサ様」
「はい、本当に。条約の一件から中々時間が取れませんでしたから。こんな風にヒフミさんが急にお茶会へ来てくださるのも、いつ以来の事でしょう」
その通りで、私は補習授業部の活動やペロロ様グッズの収集活動が。
ナギサ様はエデン条約関係の後始末や普段の学校と自治区の運営、他校との折衝。
そんな風に互いにばたばたとしていてここ最近は以前ほど(週dice1d7=6 (6) 回)にはお茶会が出来ていませんでした。
「ナギサ様もお忙しいようでしたし、お邪魔してしまってはいけませんから」
「あら?それはまた、どうして?」
「わ、私なんかが急にお邪魔してナギサ様の大切な時間を使ってしまうのは……特にここ最近はエデン条約の事後処理だけじゃなくて謝肉祭や学園祭の運営とかもありますし……」
「ふふ、ヒフミさんは本当に面白い方ですね」
「───なら今日はどうして『急』に?」
- 5本編じゃんね☆24/07/16(火) 22:19:57
一瞬だけ、喉の奥を空気が刺した気がした。
けれど、それは勘違いだと言わんばかりに柔らかな雰囲気を崩さぬまま、彼女は告げる。
「『お土産』まで用意して下さって、またピクニックのお誘い……といったところでしょうか?」
言葉だけ取り出せば責めるような、問い詰めるような。けれど目の前で柔和な微笑を浮かべる彼女にその意図がないのは、その揶揄うように細めた眼を見れば分かる。
「……ぅあ、いえ全然そんなことはなくて!!……あぁああの!私ほんとに!!」
返答が、遅れてしまった。
思わず、取り繕った言い方になってしまったのを誰が責めれるでしょうか。
ナツちゃんの件の時もそうでしたけど、変なぐらい警戒心が強まっている。
普段ならなんて事もない言葉の一つひとつに僅かな足踏みが生まれている。
気をつけなきゃ……そう意識していたからこそ、
「いいんですよ、ヒフミさん。私の愛はいつだって、貴女への分を用意しているのですから。必要ならば何度でも、幾つでも、幾らでも───『二度と』揺るがず、お渡しします」
その瞳と、言葉は私の中に強く刺さった。
力を貸してくれた頼りになる先輩から『わざわざ』警戒しろと言われたのに、思わず彼女に話してしまいそうになるほど───心が揺らぐ。
思わず吸い寄せられるようなどこまでも力ある御方の瞳、それが今は気心知れた友人へいじわるをする童女のように、そんな目線が自分へと向けられている。
「ナギサ様……」
胸が、高鳴る。
たった一つ歳が違う。それだけなのにずっと大人っぽくて。家柄も立場も遥かに格のあるこの天上の人は、いつもこうして私へ溢れんばかりの親愛を向けられるのですから。
「さぁ、こちらに来て、どうかお話を聞かせ「そういえばコハルちゃん♡そんなに短ぁいスカート♡でお尻が『寒くありませんか』?」……」 - 6本編じゃんね☆24/07/16(火) 22:24:00
一歩、ハナコちゃんが笑顔で床を踏む。
前へ、私の隣へ来て。
するりと、肩と肩が触れ合った。
「まあ!随分とお元気そうなお客様がいらっしゃいましたね。紅茶でも如何ですか?浦和ハナコさん」
時刻はまた夕方にならない頃。
それなのに、
「あら?ありがとうございます、桐藤ナギサ様。でもお言葉に甘えてしまっていいのでしょうか?てっきり私、立見席の予約をしてしまったかと思いましたから」
何故だか寒いです。
あ、あれ……変ですね?季節はまだまだ暑い頃の筈なんですけど。
「それはそれは。大変申し訳ありません……お客様の下江コハルさんにも白洲アズサさんにも椅子をお勧めしないなんて、失礼な事をしてしまいましたね。嗚呼でもまさか、貴女も予約をして下さっていたなんて、思いもしなかった物ですから」
ちらとでもコハルちゃんやアズサちゃんの顔を見たいというか、このどうしてか居た堪れない空気から解放されたいのに。
「いえいえそんな。気になさらないで下さい。ナギサ様には、ヒフミちゃんと同じ席を設けてもらいましたから」
し、視線が。
視線が圧で固定されて動かせないです。 - 7本編じゃんね☆24/07/16(火) 22:24:22
「ふふ、遠慮なさらなくていいんですよ。そうそう、もし貴女がもし必要なら貴女にぴったりの席も準備しますが……如何されますか?」
あ、ナギサ様がすごい勝ち誇った顔をしています。
普段通りに取り澄ましたお顔ですの分かりにくいですけど、私には分かります。あれはドヤ顔です。
「……折角のお申し出ですけど、私には今の席がちょうどいいので。隣人からの愛にも恵まれていますから」
僅かな無言、それがたまらなくこう、嗚呼踏み抜いてしまったな感が強いです。
た、助けて下さいセイバーさん!!!
「まぁそれはそれは。私もご相伴に預かっても?嗚呼、でもそうしたら……席が一つ足りなくなってしまいますね」
へ、返事がありません。
「いえいえ、あの席は……『軽忽』な私とは違ってナギサ様は役不足でしょうから。例えばそう……主が野に咲く緑にさえ花の装いを賜ったようにナギサ様にも相応しい席があるのでは?」
何故でしょう。ハナコちゃんの目線がやけにナギサ様の、その、お、お尻を見ていられるような!?
いえ、そんな筈は、私の考えすぎな筈です。
でもその視線と言葉を受けたナギサ様の方から明らかに圧が、圧が増してます。
「……恥ずかしながら、風に吹かれて飛べる事ができればと幼児のように考えてしまう事もあります。えぇですが、確か花の美しさは黄金にも引けをとらない、と聞きますからね」
な、なんでこんな事に。一体どうして……!?
「まぁ……うふふ♡」
「おや……ふふ……」 - 8本編じゃんね☆24/07/16(火) 22:26:35
- 9二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 22:35:26
週6日で茶会とか蜜月すぎるwww
もう一般生徒の間じゃナギサ様の後継者扱いに
なってそう - 10二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 22:37:48
週6でのお茶会は草
- 11本編じゃんね☆24/07/16(火) 22:38:54
二人の笑い声が。
そしてその声から漏れる、そう錯覚させられる冷たい雰囲気が決して狭くない筈のバルコニーを支配していく。
これでは、話どころの騒ぎじゃない。
そう思ってなんとか話題を逸らそうとした時、囁くような声が二人分、後ろから聞こえてきました。
(ちょっとアズサ。あの二人なに話してるの?)
(むぅ、私にも分からない……いや、確か桐藤ナギサはガーデニングが趣味だとアリウスの諜報部隊がまとめた資料で見た事がある。そうだとすると……)
(あ、もしかして!ナギサ様は今、お花の事ついてハナコとおしゃべりしてる……ってこと!?)
(ああ、恐らく間違いないだろう。ふふん、どうやら私の推理力も中々バカにならないらしい)
「(エクター……僕は今切実に、この子達から目を離してしまうのを怖く感じているよ……もしかすると、こういう物もまた、親心と呼ぶのかもしれないね……)」
二人の声は、確かにナギサ様達にも届いたようで。
「……やめましょうか」
「……そうですね、折角の時間が勿体ありません」
あっさりと。凍った空気が一瞬で溶けて無くなったのを私は感じました。
「では、改めまして補習授業部の皆さん」
「ようこそ、ティーパーティーへ」
「益のある時間を過ごせることを願っております」
「勿論───」
お互いにとって、ね───?
Recommend by Bgm ……〈Coffee Cats〉? - 121じゃんね☆24/07/16(火) 22:41:35
- 13本編じゃんね☆24/07/16(火) 22:58:42
「では、今日はヒフミさんとアズサさんの入院時の事をわざわざ?」
トップコートだけ、なのに綺麗に整えられたその形の良さで気品すら感じさせる爪を魅せる指先で、ナギサ様は口を抑えて、『驚きました』と示されました。
「ええっと……はい、あの、ご迷惑だったでしょつか?」
冷戦と言わんばかりに冷え切った時間がアズサさんちゃん達二人のおかげで溶けてからすぐ。
私達は席へと案内されて、ナギサ様が手ずから入れてくださった紅茶と、私達が持ってきた『ミレニアムロールケーキ』(そのお値段なんと1本dice1d10000 円、最低値2000円)を堪能しました。
「そんなまさか。元より、ヒフミさん達へ閉める扉など、ティーパーティーには準備しておりませんから」
ナギサ様から温かいお言葉に思わず胸がぎゅっとなる。一度すれ違ってしまって、それを『先生』が橋渡ししてくれて、
「はいっ……改めてありがとうございました。ナギサ様」
今こうしてまたお話出来ている。その事実がたまらなく嬉しい。その気持ちと、それから私を、私達を心配して守ってくれた事を心からのお礼をする。
それに続くように、口いっぱいに頬張ってロールケーキを食べていたアズサちゃんも、
「もっ、もっ……んん……ふぅ、世話になった。ありがとう、桐藤ナギサ」
なんとか食べ切ってお礼を伝えるのでした。
あ、アズサちゃん、ほっぺのクリーム取りますから動かないで下さいね。
- 141じゃんね☆24/07/16(火) 23:00:42
- 151じゃんね☆24/07/16(火) 23:04:15
- 161じゃんね☆24/07/16(火) 23:20:01
「構いませんよ。先ほども言ったようにすべて我が校の罪なき学徒を守る為なのですから」
そう言ってはにかんで。
ですがそのすぐ後にナギサ様の表情に翳りが生まれる。その指に支えられたカップの中、注がれた夏摘み特有の爽やかなオレンジ色。
それを見つめられる彼女の顔は物憂げで、長い睫毛が微かに揺れた。
「……本当はお二人のお見舞いにも行きたかったのですが、仕事の忙しさにかまけて、いえ違いますね。傷ついたヒフミさんの苦しむ姿を見るのはどうしても偲びなくて……私の不徳をどうかお赦しください、ヒフミさん」
そっと音を立てる事もなく置かれたティーカップ。主宰だからといって本来立つ筈もない彼女が、このお茶会の席で立とうとする。
それはきっと頭を下げる、そういう意志なのだと理解できたからこそ、私は慌てた。
「そんなナギサ様!モモトークだって沢山下さって、心配してるのはすごく伝わってきてて!だからあの「くすっ」……あ、あれ?ナギサ様?」 - 17二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 23:20:03
もっきゅもっきゅ
- 18本編じゃんね☆24/07/16(火) 23:24:32
しばらく、軽やかな声が空気を揺らす。可愛いらしい声は鈴というけれど、彼女のそれはきっと温かい木管楽器のような、新緑に囲まれた柔らかみのある物でした。
ひとしきり笑って、そっと指で眦をさすり、
「ごめんなさい、ヒフミさん……少し揶揄ってしまいました」
ぺろりと舌を出したのだった。
「もうっ、ナギサ様……」
その仕草にも、それを私にしてくれる事にも怒るに怒れず。結局私はそれだけ言って頬を膨らませる事しかできない。
それを微笑ましげに見つめてからナギサ様は口を開いて
「ふふっ、ヒフミさ「うふふ、今日はお優しいんですね?お土産に私達がご用意したケーキがお口に合ったようで何よりです、ナギサ様」……」
ハナコちゃんが会話に飛び入り参加されました。いえ、別に間違ってはないんです。
これはお茶会ですから、みんなで和気藹々と楽しんでお話する。それが一番です。
一番大事なんです。
「ええ、大変気に入りました。今度是非、ゆっくり、静かに、この甘味を愉しませて頂きたいところです」
なんですが……。
「まぁ、それはそれは。うふふ……」
「えぇ、本当に。ふふふ……」
「あ、あはは……」
もう笑うしかありませんでした。 - 19二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 23:27:54
ブリティッシュすぎる
- 201じゃんね☆24/07/16(火) 23:28:27
- 211じゃんね☆24/07/16(火) 23:29:56
- 22二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 23:35:28
このナギサとハナコのやり取り好き
- 23お知らせとコメ返すじゃんね☆24/07/16(火) 23:44:15
とりあえず、本日分はこんなところになります……じゃんね☆
明日こそはおせいじの話を軽くして、ティーパーティーの状況だったりをざっくり書いた後、簡単な安価(他に聞きたいことあります?的な)をしてシスターフッドを見に行く感じの流れになるじゃんね☆
明日は19時!には帰ってきて開始するじゃんね☆
新スレになったけど、これからも(体調崩さない限り)毎日投稿頑張るのでよろしくお願いします……じゃんね☆
今日はたくさんお待たせしました、新しいスレになりましたがどうぞこれからも末長く……じゃんね☆
それではまた明日、お休みなさい……じゃんね☆
そう言ってもらえるとほっとするし嬉しいじゃんね☆
ハナコの満たされなかった幼さにも似た普通な青春への憧れを持った女の子、とヒフミさん♡♡♡(前スレ🎲参照)なナギちゃんをブリティッシュトークで表現したじゃんね☆
ヒフナギ描写成分は公式4コマで摂取!……じゃんね☆
- 24二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 02:54:44
前スレ最後のイフ短編でダイス監督が荒ぶってて笑う
- 25二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 08:15:16
🎲の荒ぶり?このスレでは通常運転さ…
- 26二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 15:22:06
このレスは削除されています
- 27二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 15:38:24
本編が荒ぶってるじゃんね
- 28コメント返す1じゃんね☆24/07/17(水) 18:21:25
- 29本編じゃんね☆24/07/17(水) 19:01:21
「そ、そういえば!最近は如何お過ごしでしょうかナギサ様!?」
空気を……。
この空気をどうにかしなくては、そういう想い。
その一心で放ったのは、当たり障りのない話題。
「ええ、そうですね。心穏やかに、とは少し『言い難い』でしょうか」
白磁のそれを、長く、そして丁寧にケアをされた指を絡めてそっと掴み。
その蕾へと載せて、音もなくその中身は落ちていった。
「一昨日の列車事故によるヒフミさん、アズサさんの負傷から始まり」
少し濡れ、午後の陽射しを受けて慎ましげに輝く唇から音が続く。
「昨日は自治区内でええ、バスジャック事件に本日の『幽霊騒動』……謝肉祭を終えて後残すの大きな自治区行事も数えるほどになってきたというのに」
琥珀の瞳だけが語っている。言われていなくてもそれが意味するところを察する。
たらりと冷たい汗が頬を伝う気がしたのを私は極めて懸命に無視した。隣のハナコちゃんとコハルちゃんも視線が明後日を向いていた。アズサちゃんだけは分かってないのか変わらずロールケーキのおかわりをしているかわいい。
「まぁ『いいでしょう』。……それだけでなく他校での『連続爆発事件』……果ては『クレーター騒動』まで。たった数日で我が校だけでなくキヴォトス全体で大小関係なく不審な事件が立て続けに起こっています」 - 30本編じゃんね☆24/07/17(水) 19:03:05
爆破の二文字。どこかで聞いた覚えがあると記憶の中で誰かが叫ぶ。今日だけでも駐車場、古書館、果てはあの路地裏。たくさんの情報を聞いているからか、頭の中でそれらが絡み合って中々解けてくれないどころか、記憶の引き出しにまで引っかかっている。
「当然、各関係者を集めて対応に当たっていますが正直なところあまり進展はしていませんね」
物憂げな視線はバルコニーの向こう。
眼下に広がる、このトリニティという自治区に向けられて。
「正義実現委員会はよくやってくれていますが、流石に自治区外までの情報。それも同時に複数の規模が大きい物をごく短期間でとなると中々……『他自治区』との折衝をしながらですからティーパーティー側での対処する必要があります」
痛いほどに伝わるのは、愛情。この人の他者へ向けられる愛情は重いのではなくあまりにも『大きい』。だから、それは責任、そして庇護として形を成し、大切な物を守ろうとする。
だからこそ、現状をこんなにも憂いているのだろう。
「ですが、今回の事件のように命の危険までもが伴う情報収集を行えるだけの純粋な『戦力』も『人手』も、今のティーパーティにはとても足りません」
その言葉は未だティーパーティーという組織について然程知っているわけでもない、平凡な学生には漠然としか理解できない。
「その為の正義実現委員会も強化して『行っている』自治区内のパトロール活動や『護衛』も含めて、情報収集へ専任できるほどの余裕はありませんしね」
事実として、正義実現委員会は今日のアズサちゃんの退院まで私の分を含めて病院での警護まで勤めて頂きました。そもそも正義実現委員会は自治区内の治安維持を目的とした組織です。それを考えると、確かに人員は中々割けないのかもしれません。
「現状、連邦生徒会主導による他自治区との話し合いも検討されていますし、その際は私単独で赴く予定ですが……とはいえ前回を考えるとどうなる事か」 - 31本編じゃんね☆24/07/17(水) 19:15:13
嘆息一つ吐き出す姿を眺めつつ、私の中で情報を整理していく。ティーパーティーは正義実現委員会と協力関係にある。そして『情報の収集』はアサシンの存在とその危険性を考慮してか、それほど大きくは進んでいない。各自治区でナギサ様が特別に例として挙げるよう、規模の大きな事件が起きている。
「本当に『掴みどころ』の見えない事件です」
「私としてもこれ以上『無理』をしたくはありませんが、これもティーパーティーの務め───『ゲスト』の声には応えなくてはいけません」
決意は堅く。その想いには気高い信念があると、違わず思わせる。桐藤ナギサという物腰の柔らかな淑女がこの広大なトリニティ自治区で一つの派閥を率いて、頂点へと上り詰めた理由こそこれなのだと思います。貴人。誰もが憧れる地位にあって彼女は、それに驕ることも溺れることもなく、気高くあらんとするその姿と信念に、きっとフィリウス分派の人達はついていきたいと思ったのでしょう。
だって私も───
「本当にお疲れ様です、ナギサ様。どうか、私にお手伝いできる事がなんでも仰って下さい!」
「ありがとうございます、ヒフミさん。そう仰って頂けるだけで、凄く楽になりましたから。───私こそ、こんな詰まらない話ばかりして……折角のお茶会の席だというのに」
そんな貴女だからこそ、友達になってみたいと。そう思ったのもまた、嘘ではないのだから。
「わ、私から聞いた事ですし……それに!それでナギサ様のご負担を少しでも軽くできるなら!私!たくさんお話聞きます!」
つい意気込んでしまってそう宣言してしまう。その勢いもあってかその大きな目をぱちくりとさせて、
「もう本当に。そんな風に言ってくださるなら、甘えてしまいますよ?……とはいえその一件を除けば、学内の課題は小粒が多いですし……」
「そうだ、今なんでも1年生の間でロックバンドが流行っているとか」
「おかげでそういった音楽やファッションを好む学生も増えてきたようで……ほんとにもう」
「恥ずかしながらこういった物に少々疎いといいますか、どう制御すべきかと、少々頭を悩ませてしまいますね」
「あとは……そう。他には何か、『お聞きになりたい』事はありますか?」
私が今聞きたい事は───
①トリニティの幽霊騒動……?それ戦しy……
②現状の他自治区との関係について
③流行してる音楽の話題
④自由に記入 - 32本編じゃんね☆24/07/17(水) 19:16:27
というわけでお待たせじゃんね☆
2スレ目初の安価タイムじゃんね☆
↑レスの①〜③から一つを選ぶor④でナギサ様に聞きたい事を自由に書いてほしいじゃんね☆
安価先は>>40+dice1d3=1 (1) じゃんね☆
その中からダイスで1個だけ選ぶじゃんね☆
最後にちょこっとだけ、お知らせするじゃんね☆
①〜③はどれを選んでも必ず何かしらの情報は手に入るじゃんね☆
④に関してはここまでナギサ様から聞いてきた話の内容で聞いてもいいし、なんならこれまでヒフミちゃん達が集めてきた内容について尋ねてみても大丈夫じゃんね☆これはほんとに自由じゃんね☆
へー……♡
- 33二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 19:27:50
①、②、③で得れる情報はなんなんだろうな
④の場合は色々候補はありそう - 34二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 19:40:22
クレーター騒動ってなんだろ…?
覚えてないだけで既出の情報ならアレだけどそうでなければ④でクレーター騒動について - 35二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 19:51:20
情報が悪魔合体してるやばい大人について「こんな噂を聞いたんですが」って聞くのもありか
連続爆破はゲヘナの大脱走か - 36二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 20:15:57
- 37二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 20:28:26
それやったら向こうは必ずこっちを狙ってくるから今はやめた方がいい気がする、やるなら幾つかの陣営と顔見知りになってアサシン包囲網を敷こうって話になったらでいいと思う
- 38二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 20:29:09
ウイから聞いた「正義実現委員会まで使って大人を探してる」に関して聞きたい気もするけど、そこら辺踏み込んで聞くなら聞きたい理由も含めてこっちの事もある程度話さなきゃならないだろうし悩むな。とはいえ、バスジャック事件について把握済みだし、トリニティ内の事をある程度把握してるならある程度こちらの事情を推測してる可能性も高いだろうし正直に話した方が心象は良いか?とも悩む
>>36のは確かに良いかも。スカサハに関しては、こちらが聖杯戦争に参加しているという事を隠すにしても襲撃受けた以上こちらがその相手について調べてるのは妥当ではあるし
- 39二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 20:35:52
③にして後は世間話でもいいと思う
他の地区のことはナギサ以外からも
聞こうと思えば聞けるかもだし - 40二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 20:42:49
- 41二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 21:21:17
③
- 42本編じゃんね☆24/07/17(水) 21:26:10
- 43本編じゃんね☆24/07/17(水) 21:28:44
- 44本編じゃんね☆24/07/17(水) 21:29:00
!?!?!?!
おわりじゃんね - 45二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 21:31:01
🎲くんは今日も元気です
- 46TUFとは関係ないじゃんね☆24/07/17(水) 21:31:30
- 47本編じゃんね☆24/07/17(水) 21:58:45
『① トリニティの幽霊騒動……?それ戦しy……』
「幽霊騒動……について、ですか?」
「ヒフミさんでしたら『そういう方面』にも明るいかと思いましたが」
笑顔の彼女に乾いた笑いを漏らすしかない。当然織り込み済みなのか、はたまた別の理由か、ナギサ様は私の質問への解答を口にした。
「正義実現委員会もまだ調査中の話になりますが、生徒達の間で『幽霊を見た』という通報があったそうです」
『幽霊』、その言葉にぎゅっと机の下で拳を握る。サーヴァントの特徴、彼らに与えられた特徴の一つ……『霊体化』。
「通報があったのは昨日の夜ことになりますね。確か対応したのはたまたま現場近くに単独でいたという……そう、『ハスミ』さんだったと報告書にはありました」
エーテル、この世界でそう呼ばれるオーパーツによく似たそれによって肉体を構築している、らしい彼らはその存在を物質的干渉能力を極端に低下させる代わりに自身の姿を消す事ができる。
「おそらく夜間パトロールの最中だったのでしょう……今度甘い物でも持って、それこそ今日お土産に持ってきてくださったロールケーキでも手土産に労わないといけませんね」
また買われた店舗をぜひ教えて下さいねというナギサ様に私は上擦った声で返事をするしかない。
夜間パトロール、なのかもしれないけど。なんとなくてはあるが彼女が夜に一人で抜け出して何をしていたのか……あの日のことを覚えている私達はなんとなく察してしまう。
「話が少し横道に逸れましたね。報告書によると現場に駆けつけたハスミさんが見たのは真っ赤な目で泣く少女『達』がいたそうです。なんでも」
「───『幽霊を見た』『襲われそうになった』『男だった』『女だった』『大人だった』『彼らは殺し合いをしていた』そして……」
「『見られたが私達には何もしてこなかった』と」
その言葉に、妙な、妙な引っ掛かりを覚える。何かしっくり来ないが、その違和感がまるで小骨のようにして出てこない。 - 48二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 22:07:40
少女達…?
- 49本編じゃんね☆24/07/17(水) 22:15:28
「実害こそありませんでしたが、よほど恐ろしかったようで……今回の被害者の子達は錯乱していてそのまますぐに病院へと搬送される形となったようです」
その言葉に心がぐっと痛みを覚える。怪我はない。けれど、また、誰かの心が傷ついた。
その事実が、酷く痛かった。
「ミネさんからの話によれば暫くは面会謝絶……というより今回の件についてはとてもではないが話せる状態ではないとの事です」
救護騎士団への搬送、そして面会謝絶。それも私達のような政治的な判断、警護のためのものではなく。純粋に治療の為、なのだろう。ならきっと『彼女達に』話を聞くことは出来ない。
「『この席』でお話しできる事はこの件に関してはこれぐらいでしょうか……あぁそうそう。幽霊と言えば、今日もまたありましたね。なんでも戦車が勝手に動き出したとか」
どきりと、心臓がまた鳴った。身に覚えがあるような、ないような。
いいえ、いいえ。多分ありません。
「パテル分派のところにまで何故か苦情がきたようで……ミカさん、『さっきまで』その件についてかかり切りだったんですよ」
笑うしかない。努めて朗らかに、溢れんばかりに、私は無関係ですと心から思い込んで。私は笑った。 - 50本編じゃんね☆24/07/17(水) 22:20:25
「最近は妙に『大人』に関連した事件が多いですね。ヒフミさんも、くれぐれも、気をつけて。この前の『愉快犯』もそうですし」
「愉快犯、ですか?」
その聞き慣れない単語に思わず聞き返してしまう。少なくとも昨日、今日と集めてきた情報の中にそれは……。
─── 『いやなんか夜の街で、全身タイツのごりっごりのマッチョな大人の怪人がいてそいつがロボット軍団を指揮して練り歩いてるんだと。で、そいつを見たやつは干からびて死んじまう……らしい』
『あ、あたしも聞いた事ある!しかもなんかそいつ、戦車も乗りこなすらしいぞ!!』
……いや、そういうことなのでしょうか。
でも、そんな思いとは裏腹にナギサ様の言葉は聞き覚えしかない物だった。
「あぁ、よかった。ご存知なかったのですね……。ええ、愉快犯。例のバスハイジャック事件の犯人です」
咽せる音がする。コハルちゃんでしょう。アズサちゃんはその背中を摩りながら「どうしたコハル?」「急いで飲みすぎたんだ。背中を丸めて回復姿勢を取るんだ」と声をかけてあげていますが返事はない、というか出来ないのだと思います。
……ごめんなさい、コハルちゃん。
「正義実現委員会との銃撃戦にまでもつれ込みながら、結局バスは傷一つなく乗り捨てられ。同乗していた運転手も『とても紳士的で素敵な殿方でした』などと言う始末。最後には先生からの取りなしもあって……」
先生への感謝が、天にも高く昇っていくようです。
「おかげでティーパーティーの中ではなんでしたか?『謎のヒーローX』なる胡乱な存在ついては有耶無耶、というよりただの愉快犯として扱う他ないんです」
疲れた声の彼女に今回は何もかけられない。ただ今は、セイバーさんの件について無事に切り抜けられた、その感触だけを握りしめるのでした。
『よかった……本当に良かったよヒフミ……』
『やりましたね!セイバーさん!』
『ああ、僕を救ってくれた先生という方に感謝を送りたい……!』 - 51本編じゃんね☆24/07/17(水) 22:28:49
「実際のところ、彼のことより遥かに処理をしなくてはいけない事はまだまだありますからね。ヒフミさん達の一件、そして昨夜被害に遭った彼女達の話。それもあってトリニティ自治区内での警備を強化して、少しでも早く皆さんの、そしてヒフミさん達の、……平和な暮らしを取り戻さなくてはいけません。実際に他所の自治区ではかなりの厳戒態勢を敷いている場所もあるとか」
「とはいえ、ツルギさん達にはかなり無理をさせてしまっていますからね。かといって、トリニティ自警団……これ以上彼女達に頼ってしまっては、何の為に彼女達を外様に置いているのか分からなくなってしまいますから」
そう言うナギサ様の顔に浮かぶの儚げなそれであって。だからつい、俯いて言ってしまう。
「ごめんなさい、ナギサ様……そんなにお忙しいのに、私は「よしてくださいヒフミさん」……ナギサ様」
謝罪は、遮られた。他ならぬ彼女の声で。
「忙しい、それは確かな事です。『お願い』もありますから」
「けれど、貴女に、大切な友人に会える」
「私にとってその時間は、どんな黄金より眩く大切で、喪いたくない大切な物なんですから」
【TUFpt達成】
【現時点の情報を確認……】
【以下5項目から】
【アイデアロール1回が発生します】
dice1d5=2 (2)
①うそつき
②セイバー
③他自治区
④幽霊
⑤聖杯戦争
- 52二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 22:30:48
トリニティウラワフラワーか
- 531じゃんね☆24/07/17(水) 22:37:48
- 54二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 22:39:10
- 551じゃんね☆24/07/17(水) 22:42:42
- 56本編じゃんね☆24/07/17(水) 23:00:43
『それでは皆さん、お気をつけて。ヒフミさん、そしてアズサさんも、くれぐれもどうかこれ以上傷つかれませんように』
『では、また。次の茶会を楽しみにしていますね』
『ああ、そうそう。次は膝掛けを用意しておきます』
『座られるのだから必要でしょう?ね、浦和ハナコさん』
そんな会話をして、ティーパーティーのある本校舎から出た私達はシスターフッドの方達へ会いに大聖堂へと足を進める。
「うん、美味しかったな。ヒフミ」
「あはは……アズサちゃんいっぱい食べてましたもんね」
日は暮れだしてか、まだ高くともその輝きに僅かな翳りが見えるように感じてしまうのは錯覚だろうか。
「もうっ!アズサはちょっと食べすぎ!礼拝の時間に言われてるでしょ、節制を心がけなさいって!」
「しかしコハル、食べれる時に私は食べておきたいんだ。……ダメか?」
「ぅうう……仕方ないわね。今回、というかまあ次とその次と……その次からも私は特別に見逃してあげるんだから。特別!いい?!」
日が暮れるまで、あと二時間あるかないか。
黄昏時が顔を出し始めている夏空の下。
本校舎からそこまで離れていない、その目的地はもう見えていた。
「ああ、ありがとう。コハルは優しいな」
「あー!またそうやって年上ぶるー!」
賑やかな声を聞きながら、私達は歩く。 - 57本編じゃんね☆24/07/17(水) 23:16:36
『君達は本当に仲がいいんだね、ヒフミ』
『あはは……騒がしくしちゃってませんか?』
『まさか。穏やかで和やかで、どこか懐かしいこの空気を。僕は、そうだね。好ましいと感じるよ』
見えはしないけれど。彼はそう言って端正な顔を綻ばしている。そんな風に感じる。それはきっと間違いではないと信じたい。
思えば、彼とは知り合ったばかり。まだまだ数日間の付き合い。だけれど、少しずつ距離が縮まっている気がする。時間はかかるかもしれない。
だけど、話したり、遊んだり。聖杯戦争のマスターとしては間違っているかもしれないけど、こんな風に穏やかな時間の中で、一歩ずつ確かめながら互いを知っていかれたら。
そうすればきっと、この聖杯戦争だって、『戦える』。
苦しいかもしれない。辛いかもしれない。また、痛い思いをするのかもしれない。
それでもきっとこの時間が進んでいく力をくれる。
時間はかかっても私達はきっと解決の道筋を歩いていける。
大切な友達と、頼りになるサーヴァントの彼が。
大事な仲間達がいるのだかは。
そう、私は願うのでした。
「大変申し訳ありませんが」
「『本日』はお引き取り下さい」
「あはは……」
どうやら、前途多難のようです。 - 581じゃんね☆24/07/17(水) 23:18:59
- 591じゃんね☆24/07/17(水) 23:59:22
- 601じゃんね☆24/07/18(木) 01:11:03
【3日目午後・探索活動(2回目)】
『2.シスターフッドに行く』
Recommend by BGM〈Interface Hard Arrange〉
「まあサクラコさん。それはまた一体どうして?私達はただ、『マリーちゃん』に会いにきただけですけれど」
トリニティ大聖堂。トリニティ総合学園において最も大きな建物で、まさにトリニティを象徴する場所。同時に、今ハナコちゃんが話されている歌住サクラコさんが代表を務める、そして昨日私達に物資を届けて融通して下さったマリーちゃんが所属する「シスターフッド」の本部でもあります。
「『本日』はマリーと会う事は叶いません。御用件があるのでしたら、私が『お話』を伺いますけれど」
大聖堂という名に恥じないロマネスク建築。その外来入り口の前。
入館手続きをいつものように行おうとして、『マリーちゃんへのお礼』と情報収集を兼ねて、そこへ立ち寄った私達は今こうして、入館をお断りされてしまっていました。
「あらあらうふふ……では明日になれば、お会いできますか?」
「それはマリー『次第』でしょう。『必要』と判断すれば、此方から『連絡』を致しますので」
「まぁ酷い……私達はただマリーちゃんへ少しばかりのお礼を持ってきたというだけだというのに……こんなハリのある艶やかなうら若き乙女達を、乱暴に拒絶されるんですね」
そう言うハナコちゃんは、いつの間に買っていたのかある程度日持ちするだろう洋菓子の詰め合わせが入った紙袋をちらりと見せる。
サクラコ様は意外な物だった。
「くっ……!それはあのミレニアムの人気店だったパティシエが独立してトリニティ内で開業したと噂になった物の店舗がどこにあるか分からないうえ、地図アプリに登録されている位置情報も間違ってるのに何故か修正されないまま1ヶ月が経過して今では実しやかに語られる幻の洋菓子店───「Hatcha」の紙袋!」
「え、あ、はい」
思いの外、すごいお店だった事が今更知り、つい数時間前に知り合ったばかりのナツちゃんへの感謝が募る。
「まさかハナコさん、貴女がソレを……。私はソレを得る為の『用意』と『幸運』が足りなかったというのに」
「えぇ……まぁ……はい」
出鼻を挫かれる、というのは本来入館を断られた時点で使うべきなのでしょうが。
明らかに今のハナコちゃんの様子はそれがぴったりという雰囲気でした。 - 611じゃんね☆24/07/18(木) 01:17:39
「あ、あの!サクラコ様!」
「?……貴女は、確か補習授業部の……」
「はいっ!補習授業部の2年生!阿慈谷ヒフミですっ」
遠巻きに、礼拝の時間に説法される御姿やそれこそ以前のアリウス分校との一件の際にお会いしたぐらい。その前身組織である『ユスティナ聖徒会』も含めれば、ティーパーティーと共に語られるほど古い歴史、そして今も貴き地位をを持つ組織、その長。そんな彼女に疑問を投げかける。
「あ、あのっ!私達ほんとにマリーちゃんに会いに来ただけでっ!……どうして会う事が出来ないんでしょうか?」
「……申し訳ありま「ヒフミ、さん……?」っ!マリーっ!」
その問いが返るより先。
「どうして出てきたのですか、マリー。あれほど『外』へその姿を『晒してはいけない』と……それにヒナタまでっ」
扉の向こう、遠く廊下の先よりか細い声が響く。
「申し訳、ありません……サクラコ様。けほっ……ヒフミさ、ん達……補習授業部の皆さんが来られたと聞いて、けほっ……シスターヒナタにも無理を、言ってお願いを……」
力ない足音と共に現れたのは、昨日見た時とは打って変わった姿のマリーちゃん。
「申し訳ありません……サクラコ様。ですがお辛そうにするマリーさんを見ていて我慢できず、つい……」
狼狽えるように、悲しむように。
サクラコさんは答えた。
「マリー、あれほど『伝えた』ではありませんか……今日の受診でミネ団長から絶対安静だと言われたと!」
「マリー、貴女は夏風邪なんですからっ、無理をしてはいけないのですっ!」 - 62本編じゃんね☆24/07/18(木) 02:09:47
Recommend by BGM〈Aira〉
『マリー、無理をしてはいけませんよ』
『貴女一人の身体ではないのですから……』
『シスターヒナタ、私はこの場を離れますがどうかくれぐれも……よろしくお願いしますね』
そう言って綺麗な一礼をしてからサクラコ様が立ち去られ、残された私達は彼女を見る。
いつもと違い、少し呆けた立ち姿。熱さを感じる頬。とろんとした瞳。シスター服、ではなく寒気もあるのかダークグレーのカーディガンを羽織ったその下に、白いコットン地の楚々としたワンピースタイプのルームウェア。そして、こちらを気遣ってなのかそれとも咳で喉を痛めているからなのか、使い捨てのマスク。
理解するのは、彼女が体調を崩しているという事実だった。
「ごめんなさい、けほっ、皆さん……どうやら昨日から少し熱っぽくて。皆さんに移したりするような……けほっ……風邪ではないのです、が……」
「わわわっ、ごめんなさいマリーちゃんっ……私達が急に来たから……」
「いえ……事の他、サクラコ様や皆さんを心配させてしまったようで……携帯を触る暇もなく布団の中で絶対安静と言われてしまった物ですから……」
入学してから久しく体調を崩していなかったので一層心配させてしまった、そう言ってその色白な五枚の花弁に昏い青をほんの一滴垂らされた肌をした彼女はお恥ずかしいと力なく両手を頬に当てる。
いつも見ている所作すら今はただ労しい。
「この前はありがとうございました、マリーちゃん……ご無理を、させてしまいました」
「いいえ、ハナコさん……自己管理できなかった、私の落ち度なんですから。どうか、そんな悲しいお顔をしないで下さい……」
「あ、あのっ!昨日、ありがとっ!ご飯とかたくさん持ってきてくれて……またお見舞いくるから!今度はちゃんと……ま、マリー」
「ふふ……ありがとうございます……けほっ……コハルさん」
やはり身体がだるいのだしょう。その姿を誤魔化す元気もなくて、けれどそんな体調の悪さが見て取れても。胸の前でいつものように手を握り、彼女の優しい雰囲気で、嬉しそうに笑っているのがマスクで見えなくても分かりました。 - 63本編じゃんね☆24/07/18(木) 02:17:00
「昨日はありがとうございましたっマリーちゃん!また、今度!次は元気になったら一緒にたくさんっお話しましょっ……今日はゆっくり休んで下さいねっ」
「ヒフミの言う通りだ。夏風邪なら咽頭も辛いだろう。もう喋らず、部屋に戻ってくれて構わな……ううん、無理をせず休んでほしい。今さっきティーパーティーにも出した物と同じ店の菓子をハナコがサクラコに渡した。記憶違いがなければゼリーの詰め合わせの筈だ。あれならきっと食べやすい」
かなり大きな紙袋だったのを思い出す。きっとマリーちゃんが療養中に食べる分も十分にあるだろう。
あのサクラコ様の心配よう、そして今も心配そうに見守る
「まあティーパーティーに……そんなナギサ様達も喜ばれたお店のお菓子を、私なんかが……けほっ……いいのでしょうか?」
「あはは……今日はミカ様達はお忙しかったようでナギサ様だけだったんですよ……」
ミカ様は……パテル分派と午前中に訪れた『ブリッジ工場』の皆さんとの話し合いに向かわれていた、とナギサ様は教えてくれました。たぶん、午前中の話でもハンドルがどうこうと仰っていたから、きっと勝手に動き出したぞ何をしたとかそっちが整備したんでしょうがとか言い争ってるのを仲裁されたのだと思います。ミカ様は政治への関心は元々強くなくて、実は派閥内でもそういう立ち回りがとかく上手だった……そう以前、聞いた事がありましたから。
「ぅぅ……早とちりしてしまいました、私も良くなればぜひ皆さんとお茶会を……ね、ハナコさん」
「えぇ、是非。その時はまたあの猫ちゃんを呼んであげましょうか」
猫ちゃんと呼ばれるナギサ様を想像すれば、頭の中で上品に口元だけ綻ばせて目が笑っていない御姿と……いけませんっ。猫耳をつけられたナギサ様を想像するなんて、うぅ、はしたない私を許して下さいナギサ様ぁ……。
イマジナリーナギサ「ヒフミさん……♡♡♡」 - 64本編じゃんね☆24/07/18(木) 02:45:04
「もうっ……またハナコさんったら、ナギサ様に不快ですよっ……けほっ……猫なんて呼んだら怒られてすぐ追い出されてしまいますよ?」
「は、はははハナコ!?あんたナギサ様にそんな事今日言ってたの!?ずっとガーデニングの話とかお化けとかナギサ様のお仕事の話してたと思ったのに!?」
「なんだと、コハル、それは本当か?……くっ、読みを外したか……私もまだまだ、だな」
可愛らしく叱るマリーちゃんと、怒るコハルちゃん、そして何故か悔しそうにしているアズサちゃん。行きの時と同じで賑やか雰囲気。けれど、ちらりとヒナタさんを見ると、意図を察してくれたようで声を掛けてくれた。
「マリーさん。そろそろお部屋に戻りましょう……また体調がよくなられてから、たくさんお話すればいいんですから」
「シスターヒナタ……でも……けほっ」
「大丈夫ですよ、皆さんお優しい方ですから。きっとまた来てくださいます。だから楽しいお話も、次、元気な時にしましょう、ね?」
そっと背中を摩り、ゆっくりと支えながら身体を中へと促す。
「折角来て頂いたのに……ごめんなさい、皆さん。マリーさんの体調が戻ったらまたご連絡しますね。……サクラコ様から話は伺っています。もし、物資が必要でしたら、次からは私へ」
「ありがとうございます、ヒナタさん」
「お気になさらないで下さい、また今度、次はゆっくりこの前の海の時のようにお話させて下さい。ハナコさん」
「えぇ、是非♡」
「はいっ、ウイさんにもよろしくお伝え下さい」
その言葉を合図にして、マリーちゃんが咳き込みながらも挨拶を交わそうとする。
「皆さん、今日は来てくださってありがとうございました。……こうして、お顔が見れて本当に良かったです」
「今日というには……けほっ……もう、遅い時間になってしまいましたが……」
「けほっ……これから過ごす清き夜に、平和と案内がみなさんとありますように……けほっ」
そう言ってからぺこりと頭を下げて、彼女達は教会の中へと去っていきました。 - 651じゃんね☆24/07/18(木) 03:03:59
お、終わった……やっと書き切ったじゃんね☆
しかもずっと推奨BGMって書きたかった大好きなAiraを書けたじゃんね☆良かったら聞いてみてほしいじゃんね☆めちゃ良曲じゃんね☆
こんなに遅くになったのに見てくれてた人たち、本当にありがとうございます……じゃんね☆
とりあえず前スレから続いてた【3日目午後・探索イベント(2回目)】はこれで終わりじゃんね☆
1が言うのも変だけど……この数日、ほんとにながい戦いだったじゃんね☆ひたすら情報戦してた気分じゃんね☆
これでもかってぐらいばら撒きまくったじゃんね☆
しぼりきったじゃんね……
でもなにより!こんなに長く付き合ってくださって……みんなほんとにありがとうじゃんね☆
さて明日の告知になるじゃんね☆
というかこのまま明日の安価するじゃんね☆
明日は16時30分〜45分ぐらいを目安に開始するじゃんね☆
安価内容については【3日目夜】の活動内容についてじゃんね☆
夜の街をぶらぶらしてもいいしらアズサちゃんの退院祝いパーティしてもいいじゃんね☆
退院直後にお肉食べれるか?ロールケーキおかわりしてたし余裕じゃんね☆ミーカミカミカミカミカ
もちろん作戦会議で明日する事決めたりとか、とにかくなんでもありじゃんね☆
詳しくやりたい事書いてくれたらなるべくそれに沿って書くじゃんね☆
自由な発想で楽しく遊んでほしいじゃんね☆
ちなみに別自治区に行くなら当然行くだけで夜の行動は『基本的に』お終いになるじゃんね☆
そしたら次の日はその行った自治区スタートじゃんね☆
……みたいなのもありだから、身内卓のゆるめなTRPG感覚でわりと自由に安価してほしいじゃんね☆
1が大体なんとかするじゃんね☆ミーカミカミカミカミカ
安価先は>>75+dice1d2=1 (1) じゃんね☆
今日はほんとに遅くまで付き合わせてしまってごめんなさい……また明日、もしお会いできたらとっても嬉しいです、じゃんね☆
それでは今日もありがとうございました、お休みなさい……じゃんね☆