GoProと言えば、アクションカメラの代名詞。現在は様々なメーカーから後発品が出ているが、例えばセロハンテープが「セロテープ(ニチバンの商標)」と呼ばれがちなように、アクションカメラはなんとなくGoProというイメージがあると思う。
もちろん私もだいぶ前から知ってはいたが……かつて軽く調べた際にとある仕様が理由で完全に興味を失い、そのまま触れることなく今日まで来てしまった。
しかし今回、GoProの提供で現行の最新機種である「HERO12 Black」を試す機会を得られることに。しかも、かつて私が興味を喪失することになった仕様は過去のものだというのだ。
・三脚穴
その仕様とは、三脚穴(UNC 1/4-20ネジ)の不在である。
本格的なカメラはもちろん、コンデジや、何十年も前のフィルムカメラにも、三脚穴は基本的に搭載されている。モノによっては違う規格の穴だったりするが、まあ大体ついているものだ。
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その名の通り三脚にカメラを固定するために使われるが、その他のアクセサリーを装着するにも広く使用される。
私が初めてGoProに関心を持ったのは、まだ「HERO8 Black」とかの頃だった。私はGoProのことを “小さいカメラ” だと認識していた。カメラなのに、本体に三脚穴がない……だと?
つまり箱から出した状態では持ってる三脚に乗せられないし、モバイルバッテリーや照明などを固定可能なプレート等も装着できないと。
まあ追加で専用パーツを買うなり、マウント部を改造すれば解消できるようだが……しかしその一手間と出費がダルい。
そして三脚穴が無いという一点だけで「他にも独自規格だらけで鬱陶しい制限があるんじゃないか?」みたいに、疑心暗鬼になってしまったのだ。
この記事を書いている今、私はGoProに関する資料などを提供いただき、知識と理解が多少は深まっている。
つまり、GoProが20年もの歴史の中で独自のエコシステムが構築されており、ただの “小さいカメラ” ではないと認識している。
そしてGoProユーザーの中にはスマホを除く人生初のカメラがGoProだという方も多いであろうことと、そういう人にとって三脚穴が無いことなどたいした問題ではない可能性も、心底理解できる。
しかしフィルムの一眼レフからカメラに入った私にとって、自前で所持している機材のシステムの中に即座に組み込めないのは、けっこうなマイナス要素だった。
また、アクションカメラに共通の強みである雪山や水中などに持ち込めるという点についても、一眼レフ時代からミラーレスまで一貫して対処可能で決め手にはならなかった。
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・実装された
そんな感じだったのだが……GoProからの資料を見ていたら「HERO12 Black」からの新仕様で、1/4インチのネジ穴が実装されたというではないか……!
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これはそろそろイメージを刷新すべき時が来たのかもしれない。最近の私は個人や企業、地方自治体など、どんな依頼でもだいたい受け、何でも撮って食っている。
スチル専門で始めた仕事だが、時代の流れか服の着用動画だとかドローンによる動画を撮るケースもあり、アクションカメラも履修する必要性を感じつつあったのだ。
・初アクションカメラ
長くなったが、これが前置きだ。そこからの展開は早かった。ちょうどメディア撮影体験会を開催しようとしていたGoProに、レビュー用の本体などを提供してもらい……
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全ての切っ掛けとなった三脚穴と対面。やっぱこれがあってこそだよなァ!
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今私の手元には、提供してもらった本体と「MAX LENS MOD 2.0」という超広角レンズ化するアイテムしかない。
世のGoProユーザーたちが使っている専用の延長ポールや、手すりや柱などに固定するための専用アダプターなどは一切所持していない。
しかし1/4インチのネジ穴があるので、余らせている一般的なカメラ用アクセサリーの多くをそのままGoPro用に活用可能!
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一脚やマイクブームポールに装着すれば、専用の延長ポールが無くとも似たようなことはできる。専用品はリモートシャッターがついているそうなので、使い勝手に差はあるが。
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さらに三脚穴にアルカスイス互換のプレートを装着すれば……
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同一規格の多くのカメラ用三脚に素早く着脱可能! 何も買い足さなくていいのは、やはり大きいと思うのだ。
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写真撮影中に同時に動画で撮影するのが楽になる点も魅力を感じた。実際の深夜の撮影中にスマホで撮ってきたものゆえ画質が粗くて申し訳ないが、今まではこのように、ミラーレス一眼の上にスマホを固定してやっていた。
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それが「HERO12 Black」は本体に直接コールドシューアダプターを付けられるので、コンパクトにカメラ側のホットシューに固定可能。画質は最新のスマホに劣るが、圧倒的に軽くできる。
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「HERO12 Black」は水平ロック機能(GoProが回転しても動画の水平は維持される機能)があるので、スマホと違い途中でカメラ側を縦撮影に変更しても支障がない点はガチに感動した。
また急造ゆえ不格好だが、例えばホットシューをストロボや照明のコマンダー等に使用する場合でも、GoProなら向きを気にせず適当なプレートなどに固定してしまえる気軽さがある。
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画質面については、正直言って暗所撮影には非常に弱く、最新のハイエンドなスマホの方がずっと良い。これはセンサーサイズの差という物理的な壁があるからだろう。
しかし昼間の日中など十分な光が確保されている環境であれば、十分綺麗な映像が撮れるのは皆さんもご存じの通り。
テーマパークのパレードや航空ショーのような場で、静止画は超望遠で何かしらのアップを撮り、動画では広角で全体の様子を記録したい……みたいな状況を、比較的軽めな装備で実現できそうだ。そのうち実行しようと思う。
また、音声で操作できるのもいい。動画の録画のためにミラーレス一眼側のシャッターボタンから手を離さなくていいからだ。
1/4インチネジ穴の実装によって、一般的なカメラ用の様々なアクセサリーを持っている一眼レフ/ミラーレス一眼ユーザーが、新しくGoProを取り入れるハードルが確実に下がっている。
逆に、カメラはGoProのみでアクセサリーも全て純正品で固めているシリアスなGoProユーザーも、一般的なカメラ界隈で使用されている多彩なアクセサリー群を取り入れることで、GoProの使い勝手をより高めていけるのではなかろうか。
ということで、たった1つの穴の有無だけでアクションカメラその物に対しアンチ気味だった私だが、GoPro「HERO12 Black」にはワクワク感を覚えている。
とりあえず今までカメラにスマホを乗せて動画を撮っていたシーンの多くを、GoProに変更していきそうな予感。三脚さえあればGoProに広角を任せ、スマホは標準域での動画を撮り、ミラーレス一眼で静止画というストロングスタイルもやれる気がする。
参考リンク:GoPro
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
▼GoProの提供で「ネスタリゾート神戸」にて、使い方のレクチャーを受けられるメディア撮影体験会が開催されていた。
ここで、GoPro公認インフルエンサーに認定されているYoshi&Maiko氏ファミリーからGoProの特性を活かした撮り方のアドバイスを頂いたのだが……
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凄まじく奥が深く、まだ画角すら把握しきれていなかった私には、いい感じの動画が撮れなかった。よくある商品撮影を数学に例えるなら、GoPro撮影はジャズの即興感がある。
かろうじてライトに群れる羽虫とカメムシとデカいスカシバの接写動画は撮れていたが、おそらく誰も見たくないだろう。
かわりに、偶然同じ体験会に参加していたフリースタイルフットボーラー 薮田悠翔氏をYoshi氏が撮った、この写真の瞬間の動画をお見せしよう。
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こうだ……!
薮田氏のキレッキレな技のリズムに、特に打ち合わせも無く合わせてGoProを動かし、技のフィニッシュで背後に夕日を持ってくるYoshi氏のテクニカルムーヴ! これがGoProオフィシャルファミリーの撮影技術か……!!
被写体が神フリースタイルフットボーラーというのが強すぎるが、それを除いても、もっとGoProを使いまくって体になじませないと、こうは撮れないだろう。
もちろんジンバルに乗せたミラーレス一眼やスマホでもやれるが、仮に同一のシチュエーションだと足に当たるリスクなどがある。仕事ならそこは気にしないが、プライベートだと気になるポイントだろう。
GoProなら多少蹴られても壊れない。私も提供品をレクチャー中のハードなアクティビティで、何度か落としたりぶつけたりしたが、全く大丈夫だった。割れてるのは、自分で貼った保護フィルムだ。表面の柄も傷が目立たなくていい。
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