日本PTA全国協議会元参与を逮捕 修繕工事代水増し請求させた疑い

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浅田朋範 小林未来
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 全国のPTA組織でつくる公益社団法人「日本PTA全国協議会(日P)」(東京都港区)が発注した工事の代金を業者に水増し請求させて、日Pに損害を与えたとして、埼玉県警は17日、日Pの元専務理事で会社役員青羽章仁容疑者(54)=さいたま市中央区本町西5丁目=を背任の疑いで再逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。

 捜査2課によると、再逮捕容疑は、日Pが2022年度に発注した東京都港区にある日Pの所有ビル「日P会館」の雨漏り修繕工事で、請け負ったさいたま市内の工務店に代金を水増し請求させるなどし、22年8月10日~23年1月20日に9回にわたって日Pから工務店の預金口座に代金を振り込ませ、日Pに計約1200万円の損害を与えたというもの。

 青羽容疑者は、19年度から日Pの常務理事や専務理事などを務め、事件当時は参与だった。県警は、青羽容疑者が自身が経営に関与する会社を通じて、水増し請求分の金を業者から受け取っていたとみている。

 県警は6月、過去に会長を務めていたさいたま市PTA協議会(市P協)名義の口座から現金485万円を着服したとする横領容疑でも青羽容疑者を逮捕していた。(浅田朋範)

「事実上、事務局を仕切っていた」

 日Pは国への政策要望や会員向けの研修会、広報事業や調査研究事業を行っている。都道府県と政令指定市のPTA協議会や連合会約60団体が加盟。これらの下に各市町村のPTA協議会や連合会があり、さらに下には小中学校のPTAが連なるピラミッド構造になっている。会員数は全体で約720万人。全国の保護者が支払うPTA会費は、都道府県や市町村のPTAを通して、児童・生徒1人あたり10円が日Pに納められている。22年度決算では、収入総額約1億7千万円のうち44%にあたる約7500万円を会費収入が占めていた。

 青羽容疑者は16~18年度…

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この記事を書いた人
浅田朋範
さいたま総局|事件担当

多文化共生、貧困、裁判