最凶の一族の長男はとりあえず自由に生きてみようとする   作:〇〇総統

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最近ドッカンに限らず(NIKKEを除く)色んなソシャゲのガチャ運が天元突破中だから気分がいい。テンション高い時は作品を書くに限るね。


地球育ちのサイヤ人VS悪の超ナメック星人

「天津飯!餃子!」

 

地面に倒れ伏せている鶴仙流の2人に声をかける。まだ息をしているのを見るに生きてはいるようだった。

 

「クリリン!!悟飯!!」

 

満身創痍の2人は悟空が来たことにまだ勝機はある筈だと希望を胸に抱いた。クリリンは目も輝かせている。

 

「ピッコロ!!!」

 

ピッコロは指1本も動かせない程ボロボロになっていたようで、呼びかけても返事をしなかった。

 

「悟空ーーー!」

 

「お父さーーーーん!!!」

 

クリリン達が悟空の元へ駆け寄る。悟飯は飛びつき悟空は正面から受け止めた。

 

「お父さん!ピッコロさんが!!僕の代わりに庇って...!!」

 

「悟空、俺達がここまで持ち堪えられたのはピッコロのおかげなんだ...それとサイヤ人達と協力してアイツを倒そうとしても歯が立たなくてよ...それに...天津飯さん達の話じゃアイツのせいでヤムチャさんまで...」

 

「ヤムチャ...そうか...クリリン、悟飯。あとはオラに任せてくれ!」

 

そう言ってスラッグの元へ歩みを進める悟空。先程から視線をコチラに向けて一度も逸らさずにいる宇宙人に向かって大声で言い放った。

 

「オラは孫悟空だ!おめぇは何もんだ!」

 

「......俺か?俺の名はスラッグ...」

 

スラッグが名乗りをあげると自分の被っていたヘルメットのような物を脱ぎ捨てた。

 

「ナメック星人...と呼ばれているな」

 

「なっ!?」

 

「あ...あれ!!」

 

「ピッコロと同じやつだ!!!」

 

「コイツは俺と同じ気配を感じたが、まさかここまで情けないとは期待外れだった」

 

そう言ってピッコロを投げ捨てるスラッグ。悟空は慌ててピッコロを受け止めた。

 

「おい!ピッコロ!!大丈夫か!?」

 

「が...かはっ...そ、孫...悟空......」

 

「良かった...まだ生きて...」

 

「余所見をしてていいのか?」

 

「な!?ぎゃっ...!!」

 

突如スラッグが不意打ちで悟空を空高く蹴り上げる。スラッグは追撃として操作型のエネルギー弾をお見舞いした。

 

悟空はすぐ様体勢を立て直してエネルギー弾を避けスラッグの元へと詰め寄る。スラッグはカウンターの準備をしたが、悟空は直前で気弾を放ち目眩しをして、近くに倒れてしまったピッコロを救出した。

 

「クリリン、ピッコロを守ってやってくれ!」

 

「わ、わかった!!」

 

砂埃からスラッグがかすり傷一つも無く平然と立っていた。

 

「ふ...小手調べだったが難なくやり過ごしたか。少しは楽しめそうだな」

 

「まぁな...」

 

『コイツ...さっきまで感じられてた気を感じられねぇ...いや違う...気がデカすぎてオラが感じ取れてねぇだけだ...!』

 

悟空が姿勢を低くして構えを取る。

 

『コイツは...修行したオラ一人だけじゃどうにもなんないかもしれねぇぞ...元気玉も...今の地球の生き物達じゃ危険すぎて使えねぇ...!どうする...?』

 

悟空とスラッグ、お互いに今のまま動かずに暫く待っていた。

 

少し離れた岩がガラガラと崩れ落ちた瞬間、戦いが始まった。

 

「だりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「うおぉぉぉぉぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

拳が一発ぶつかり合い、その瞬間2人の姿は消えた。

 

「だりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!」

 

「うぉららららららららららら!!!」

 

スラッグと悟空の差は圧倒的だった。みるみると悟空とスラッグに優劣の差が広がっていく。

 

『やべぇ...想像以上にパワーがデケェ...!!こりゃ出し惜しみしてる場合じゃ...ねぇ!!』

 

「界王拳ーーーーーー!!!」

 

悟空から赫い気が溢れ出し今まで以上のスピードとパワーを手に入れた。

 

ヒュン!ギュイン!!

 

「何!?」

 

「はぁぁぁ!!」

 

「ぬぅっ!?」

 

悟空は拳で応戦していたスラッグとの殴り合いを一旦後方に撤退する事で終わらせた。そしてまた戻り隙が出来たスラッグの腹に目掛けて思い切り右の拳をめり込ませる。

 

「でりゃぁぁぁ!!」

 

そのまま左腕を思い切り振るいスラッグの顔に一撃を与えた。

 

空中で繰り広げるその戦いをクリリン達がコチラに攻撃が飛んでこないか注意しながら見ていた。

 

「凄いやお父さん!!」

 

「す...すげぇ...俺達なんかが入れる隙なんてねぇ...」

 

「カ...カカロッ...ト...か?」

 

「おいおい、あんまり動くんじゃねぇって...」

 

「クソッ...タレがぁ...!!この程度...!!」

 

ベジータはどうにか自分も動こうともがいているが、改良神精樹の実の効果によって動く事が出来ずにいた。更にスラッグによって完膚なきまでに攻撃されたので身体のダメージ負荷も重なり完全に動けなかった。

 

「下級戦士が戦っているというのに...!」

 

「今のままじゃ俺達はみんな足でまといだよ。少しでも遠くまで避難して悟空の邪魔にならないようにしないと...」

 

人数が多い為分けて避難する事にした。まず近くのピッコロを悟飯が、ベジータをクリリンが背負い遠くへと舞空術を使って向かおうとした。

 

一方悟空とスラッグの戦いも激化していた。

 

「界王拳!3倍だぁぁぁぁ!!!」

 

「ちぃっ!!」

 

悟空の界王拳を駆使した縦横無尽な戦いにスラッグは未だに対応が出来ていなかった。どうやら自身の若い頃のパワーにまだ振り回されているようだがそれももうすぐで慣れてしまうだろう。

 

「いい加減...邪魔な奴だぁぁ!!」

 

「あぶねっ!!」

 

スラッグの短気な性格のせいか周りが見えなくなり口からエネルギー砲を放ちながら辺り1面を壊している。

 

だが、今その行動は悟空側にとっては非常に不味い行動だった。

 

「くっ...!?こんな時に...!」

 

スラッグのエネルギー砲に天津飯が巻き込まれそうになっていたのだ。

 

「!?しまった!」

 

悟空は急いで向かうが到底ここから間に合わない。

 

天津飯が巻き込まれそうになる寸前、人影が天津飯をさらっていった。

 

「ぜぇっ...ぜぇっ...手間かけさせやがって...」

 

「!?サ...サイヤ人!」

 

「お、おめぇは...」

 

「カカロットォ...すげぇ事してんじゃねぇ...か...」

 

助け出したのはナッパだった。

 

ベジータと違いまだ少し動けたナッパは最後の力を振り絞って天津飯を助け出したのだ。

 

だがその行動でナッパは限界を迎え気絶してしまった。

 

このままではナッパ諸共スラッグのエネルギー砲の餌食になってしまう。

 

「くそ...ここまでか...!」

 

すると、天津飯とナッパが浮き始め勢いよく遠くへと飛ばされた。

 

「な...何してるんだ!!餃子ーー!」

 

そんな事をしたのは、まだスラッグの射程圏内に入っている餃子だった。

 

餃子も満身創痍の中、超能力で少しでも遠くへと逃がしたのだ。

 

『サイヤ人、これで貸し借りは無し。............さよなら、天さん...』

 

餃子は最後そう心の中で言い目を閉じた。そして逃げる事も出来ずにエネルギー砲に巻き込まれそのまま消えていった。

 

「餃子ーーーーーーーー!!!!」

 

「餃子...」

 

天津飯の慟哭が響く中悟空は血が滲む程手を握りしめていた。

 

「...ふぅ...さて、続きを始めるとする...っか!!」

 

「ぐっ...!!」

 

悟空とスラッグがまた接近戦を始め出し、クリリンと悟飯が戻ってきた。

 

「天津飯さん!!」

 

「大丈夫か!?...餃子は一体...」

 

「餃子は.........くっ!」

 

「そ...そんなぁ...!」

 

「嘘だろ...?」

 

「......悪いが、俺はここに置いていってくれ」

 

「な!?何でだよ天津飯!!!」

 

「俺はここを死地とする。例え敵わなくとも、奴に一矢報いてやる...!」

 

「そ、そんな!無茶ですよ!!...うわぁ!」

 

「早く行け!!」

 

「悟飯、今はコイツを運ぶぞ」

 

「でも!」

 

「こういう奴はテコでも動かねぇんだ!!それが戦士なんだよ!!」

 

「......わかり、ました...」

 

「すまんなクリリン、悟飯」

 

「.........」

 

クリリンは、これ以上かける言葉が見つからず悟飯と共にナッパを担いで行った。

 

「ちくしょう!悪夢だ...」

 

「クリリンさん...」

 

クリリンと悟飯が気落ちしていると、前から誰かが飛んできていた。

 

「あ!おみゃーら無事だったかぁ!」

 

「ヤジロベー!?」

 

「ヤジロベーさんと...それと、もう1人のサイヤ人!?」

 

「......パークチーだ」

 

「な、何でここにいんだよ!!」

 

「このサイヤ人に仙豆食わせたら、動かなかったのに急に動いたもんでよ?着いてかせて貰ったって訳だ」

 

「......何とも不思議な物だった。改良神精樹の実のデメリットすらも打ち消せるとは...」

 

「でも見た限り孫が来てるっちゅうことはオレの出番はないって事だな」

 

「何馬鹿な事言ってんだ!お前もこっち来て手伝うんだよ!!」

 

「......すまないな、俺は今戦っているであろうカカロットの援護に向かうからな...ヤジロベーと言ったな。感謝する」

 

「あ!?ちょっと!!」

 

「......行っちゃった...」

 

「ありぃ?残りの仙豆どこ行っちまった?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ...はぁ...」

 

「フン!!ハァ!!...どうした!?動きが鈍いぞ!!」

 

「くっ...!ぐっ...」

 

『こ...これ以上無茶出来ねぇ......!どうにかなんねぇのか!?』

 

これ以上界王拳を使ってしまえばこの場で戦えないだろうと確信している悟空。だがここで使わなければスラッグへの有効打も無い。

 

すると悟空の視界の端に天津飯が気功砲の構えをしているのが見え、悟空はスラッグに天津飯がいる事を悟らせぬようその場に留め続けるようにした。

 

「か......め......は......め......」

 

「ふっ...また何か企んでいるな?」

 

スラッグは余裕からか腕を組んだままでいた。どうやら真正面からかめはめ波を受け切るらしい。

 

悟空は気を貯めながら徐々に後ろへ下がって行く。

 

流石に不審に思ったスラッグは周りを見渡した。そして気功砲を放とうとしている天津飯を見つけた。

 

「しまっ...!」

 

スラッグが天津飯に気付いたのと悟空が気功砲の範囲から抜けたのはほぼ同時。

 

『餃子......!!』

 

天津飯の脳裏には、餃子と過ごした日々が溢れ出す。

 

「これが!!俺の...最後の.........!!!」

 

 

 

「気功砲だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

 

 

 

____________ズドォォォォォォォォォン...

 

極太の気の柱が地上から空へと立ち上がる。

 

天津飯の命を懸けた気功砲がスラッグに直撃したのだ。

 

「ハァ...ハァ...」

 

「...............やってくれたな...」

 

砂埃からスラッグが現れる。所々服が破けている所はあるが特に目立った傷は負っていなかった。

 

「......無念...」

 

天津飯は力、そして自身の命を引き換えに放った為そのまま倒れ伏して動く事は無くなった。

 

「......天津飯」

 

悟空は天津飯の元へ降り立ちしっかり目を閉じさせた。

 

「...くっ...!!」

 

「ふふふふふ.........」

 

そんな悟空の背後にスラッグがやってくる。どうやら確実に悟空を始末するまで戦う気でいるらしい。

 

「死ねぇぇぇぇ!!!」

 

そして悟空に向かって拳を振り下ろす。

 

だが、悟空は界王拳を使ってない素の状態でスラッグの拳を受け止めた。

 

「な!?」

 

「......くぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」

 

頭のてっぺんから足の先まで全身に金色のオーラを纏い始めた。怒りによって白目も剥いてしまっている。余波で岩は崩れまた遠くの街では街頭やネオンが割れていた。

 

「うりゃぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!!」

 

「ぬおおぉぉぁぁあ!!?」

 

今度は悟空がスラッグを押し返し始める。

 

『な...なんだコイツの先程とは比べ物にならぬパワーは!?』

 

「でりゃぁぁぁぁぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」

 

「ぐああぁぁぁ!!?」

 

顔面を殴られ、更に殴られた場所がジンジンと痛む。若さを取り戻した自分に対しここまで追い詰めた孫悟空にスラッグは恐怖しかけていた。

 

「......カカロット!」

 

すると、そこへパークチーがやってきた。

 

怒りで我を忘れている訳ではないのか、きちんと呼ばれた方に顔を向けている。

 

「......これを使え!!」

 

パークチーが改良神精樹の実を悟空に投げる。

 

「今のお前ならスラッグを倒す事が出来るかもしれん!そいつを倒してくれ!!」

 

「させん!!」

 

悟空が改良神精樹の実を食べようとするのを邪魔しようとしたスラッグだったがパークチーが間に入りスラッグに立ち塞がる。

 

カリッ......ドンッ!!!

 

悟空の金色のオーラが更に大きくなった。

 

「.........界王拳ンンンン!!!!!」

 

更に界王拳も纏い赫い気の周りを金色の気が包み込む。

 

「4倍だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

その瞬間、悟空の姿が消えた。

 

次の瞬間、パークチーが目にしたのは目にも止まらぬ速さでスラッグにラッシュを叩き込んでいる悟空だった。

 

「だだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだ!!!!!!!!」

 

「ぐぉぉぉぉぉあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!?やめ...やめろおぉぉ!!や゛め゛ろ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!?」

 

「かめはめ......波ぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

「ぐぉぁ_______」

 

そして、かめはめ波をスラッグのいる空に向かって打ち出した。あまりの威力に、厚い暗雲が一時的にぶち破られた程だった。

 

「はぁ...はぁ...はぁ.........」

 

「......なぁ!?」

 

空からボロボロのスラッグが降りてきた。だがそれでもスラッグの意識はあった。怒りからか目を血走らせて歯を食いしばっている。

 

「よくも俺をここまで追い詰めたな......!」

 

「くそっ!無理だったか!!」

 

「はぁ...はぁ...っうっ!!?」

 

「カカロット!?大丈夫か!!?」

 

「な...なんだ...これ...?身体が...動かねぇ......!?」

 

「改良神精樹の実の副作用か!待っていろ!今コイツを食わせてやる!!」

 

パークチーはヤジロベーが持っていた仙豆を悟空に渡そうとするが、スラッグの目から光線が発射され、パークチーの両腕に直撃した。

 

「ぐぁっ!?」

 

「もうそんな物は渡させんぞ」

 

「ほれはほうはな!?(それはどうかな!?)」

 

「悪足掻きは見飽きたわ!!」

 

「ぐふっ...」

 

口に咥えて悟空に食べさせようとするがスラッグがパークチーを蹴り飛ばし仙豆が口から離れてしまいどこかへ行ってしまった。

 

「これで終わりだぁぁぁぁぁ!!!」

 

そして動けない悟空に向かって思い切り拳を振るおうとした...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュィィィィィィィィィィン!!!ドガァァァァァァァン!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、スラッグの後ろで何かが落ちる音がした。

 

「今度は何d......!?」

 

スラッグが振り向こうとした瞬間、スラッグの顔にパンチがめり込んでいた。

 

スラッグは殴られ、そのまま地面にズザーッと滑って行った。

 

悟空とパークチーの傍には大きな角を生やした尻尾の生えた宇宙人がいた。

 

「...よくもウチの邪魔をしてくれたなぁ?...えぇ?スラッグさんよ...」

 

「......ト...トスカー様...!」

 

「......誰...だ?」

 

「......出たなぁ!!フリーザ一族!!!」

 

「お前を、始末してやる。覚悟.........しやがれ!!」




ようやく、トスカー合流ですわ。

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