- フランス、ノルマンディー地方にあるモン・サン・ミッシェルの修道院は、今年で建造開始から1000年を迎える。
- この修道院は、戦争や、激しい潮の満ち引き、何世紀にもわたる居住や観光に伴う損耗に耐えてきた。
- ユネスコ世界遺産に登録されており、年間200万人以上の観光客が訪れる。
モン・サン・ミッシェルは、フランスのノルマンディー地方にあるタイダル・アイランド(潮が引いていると陸続きになる島)で、そこに修道院が建っている

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西暦708年、アヴランシュ(モン・サン・ミシェルを見下ろす丘の上にある町)の司教オベールの夢に大天使ミカエルが現れ、そこに自らを祭る教会を建てるよう告げたという
Sources: AP, Encyclopedia Britannica
司教オベールによる礼拝堂建設の後、966年にはノルマンディー公がベネディクト会の修道院を建てた。その後も、島の建造物は長い年月をかけて拡張されてきた。11~12世紀にはロマネスク様式の身廊(教会堂の入口から祭壇にかけて続くスペース)が建設された。1256年には要塞化がおこなわれ、百年戦争のあいだは島全体が要塞となっていた。19世紀には鐘楼と尖塔などが追加された
Source: Encyclopedia Britannica
1800年代のナポレオン時代、一時は監獄として使われたが、1874年に修道院として復元された
Source: Encyclopedia Britannica
島は何世紀にもわたって多くの戦争をくぐり抜けてきたが、修道院はそのすべてを乗り越え、今もそこに建つ
Source: Encyclopedia Britannica
2019年、75年前の出来事を記念して、アメリカ陸軍の空挺兵135名が、アメリカ空軍の特殊作戦機3機から、モン・サン・ミッシェルそばの野原に降下した
Source: Business Insider
第二次世界大戦中の1944年、連合軍によるノルマンディー侵攻に先立ち、地元のレジスタンス兵士を訓練するために、約300名の部隊が敵陣背後に降下した
Source: Business Insider
満潮時には、モン・サン・ミッシェルは島に戻る
2014年に完成したこの橋は、河口を水が流れるようにすることで、モン・サン・ミッシェルを本来の島に戻すことが目的だった(1849年に築造された堤防道路の影響により、島の周囲が砂洲化したため、2006年から、かつての「島」に戻す工事が行われた。潮の流れを妨げにくい脚付きの橋(長さ約760m)が2014年7月22日に開通した)
2015年3月には、満月と日食が重なり、モン・サン・ミッシェルの周囲が完全に水没する大規模な大潮が発生した(「世紀の大潮」と呼ばれる現象だが、実際には18年に一度、発生する)
Source: Reuters
通常の潮の干満差は8.7メートルだが、2015年の大潮では約14メートルに達した
Source: Reuters
現在、島にある村には約30人が暮らしており、毎年200万人以上の観光客が訪れる。村には、観光客が宿泊できるホテルがいくつかある
Sources: AP, Best of France, Google Maps
この地域では、11世紀から羊が飼育されている。モン・サン・ミッシェルの塩気を含んだ草地で育った子羊の肉は、フランスの保護原産地呼称に認定されている
Sources: France-Voyage.com, Institut national de l'origine et de la qualité
ミネラル豊富な海岸の草地で草を食むため、子羊の肉は塩気を帯びた味になる
Sources: France-Voyage.com, Institut national de l'origine et de la qualité
2011年のツール・ド・フランスでは、モン・サン・ミッシェルのそばを自転車が走りぬける光景が見られた
2023年、モン・サン・ミッシェルは建造開始から1000年を迎える。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は6月5日、記念行事の一環としてこの地を訪問した
Source: AP
ユネスコ世界遺産は2023年、モン・サン・ミッシェルの建造開始から1000年を記念して特別なプログラムを提供している
Source: AP
フランスは、この15年間で3400万ドル(約47億3800万円)を修復に費やし、押し寄せる観光客から、そして気候変動から、この先も長く修道院を守っていこうとしている
Source: AP
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