一桁どうしの掛け算は、九九を使えばすぐに答えが出てきます。
では、二桁の掛け算はどうでしょうか。
小学校では筆算で解くのが普通ですが、実は「ある法則」に当てはまる掛け算ならすぐに解けてしまう「とっておきの暗算方法」が存在します。
どんな方法なのか気になる人は、早速問題に挑戦してみてください。
問題
次の計算問題を暗算で計算してください。
93×97
解答
正解は、「9021」です。
これだけ大きい数字が答えになる問題を暗算で計算するのは一見大変そうです。
しかし、ある方法を使うと答えは5秒ほどで求められます。
次の「ポイント」でどう計算すればよいのかを確かめてみましょう。
ポイント
この問題を暗算で解くポイントは、二桁の掛け算を「面積を求める式」として考える点にあります。
問題の93×97は、「縦93、横97の長方形の面積を求める式」として考えてみます。
※長さや面積の縮尺は、必ずしも正確に描かれていない。
まず、画像のように縦も横も90のところで線を引いてください。
つづいて縦90のラインより下の部分の一部を切り取り、横にくっつけます。
すると面積を求めるべき図形は、縦90と横(97+3)の大きな長方形+縦3と横7の小さな長方形に変形されます。
後は、それぞれの長方形の面積を求めて足し合わせるだけです。
90×(97+3)+3×7
=90×100+21
=9000+21
=9021
これで答えが出ました。
この解法で特に注目してほしいのは、97+3の部分です。
ちょうど100になりましたね。
・十の位の数が同じ
・一の位の数を足すとちょうど10になる二桁の掛け算
まとめ
いかがでしたか?
面倒に見える二桁の掛け算も、長方形の面積に落とし込むことで簡単に暗算できました。
今回紹介したこの暗算方法は、インド式計算法の一種です。
十の位が同じ二桁の掛け算に出会ったときは、この計算方法をぜひ試してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法を持つものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社カルチャー・プロ(公式HP / インスタグラム)
「誠実なモノづくり」を信条とし、高い専門性を有する編集者が幼児から大人向けまで幅広い年代に向けての学習教材を制作する編集プロダクション。家庭や学校、塾などで日々使われている教材だけでなく各種テストや教養系の一般書などを制作。社会や教育を取り囲む環境の変化に対応するため、新しい技術にも着目し、教育業界の未来も模索しながら、下支えしている会社。社内はフラットに意見が言い合える雰囲気で、パートナー、クライアントからの信頼も厚い。
二桁の掛け算にもう一問挑戦!