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Purposeful Job:仕事を志事に。そのために大切なことは?

今回、青田努さんからお声をかけていただき、#HRアドベントカレンダー2020「○△に大切な□✕」の1日を担当させていただくことになった。こんなありがたい機会はないと思い、二つ返事でお受けした。

記事を書く25名の人たちは、私が尊敬する大好きな人たちばかり。そんな中で、いったい私は何を書こうかしら、、、「ユニリーバで取り組む新しい働き方?」「パラレルキャリアでやっているファンリーシュの話?」と、自問自答すること数日。最終的に「自分がワクワクすることを書こう!」と心から思ったのは、やはり私の中での軸でありライフワークでもある『キャリア』について、だった。

あなたはどのような「しごと」をしていますか?

「しごと」と聞くと、ほとんどの人は「仕事」をいう漢字を思い浮かべると思う。しかし、本当はこの「しごと」はいくつかに分類される。以下はすでに多くの人も提言している「しごと」の4分類に、私の今までの経験と学びからいくつかの軸を加えてみた図である。

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「仕事を志事にするために大切なこと」を、私自身の経験を通じての気づきとともに書いてみたい。ただし、具体的な職種や転職に関する話はでなく、あくまでも広く「人生におけるキャリア」についての概念的な話になるので、その点はご理解いただきたい。

私のPurpose

「一人ひとりが仕事(志事)を通じて自分の人生の意味と意義を見つけ、生き生きと輝く個人と社会を創ること」

私がこのPurposeに至る背景になったのは、大学時代の経験から。私自身、大学時代に短期長期合わせて40近くのアルバイトをやった。定番の家庭教師から、変わったところでは弁護士事務所アシスタントやTV局のカメラアシスタントまで。それはお金(学費、当時興味を持っていた海外に行く資金)目的だけではなく、仕事というものに興味があったからでもあった。アルバイト経験を通じて考えたのは「有名な会社にいても楽しそうではない人もいる。人は何のために働くのだろうか?」ということ。私が就職した1998年はバブル崩壊、山一證券倒産など、今まで多くの人が「この会社なら安心」と信じていた神話が崩れた時だった。だからこそ、私自身が就職活動を通じて「これからはどの会社に所属するかではない。自分がどんな仕事をするかが大切なんだ」と痛感した。ちょうどその時に欧米を中心に『キャリア』という考え方が広まっていた。だから私は「『キャリア』という概念を日本に広げたら日本人がもっと勇気をもって自分の人生の選択をできるのではないか」と考え、リクルートエージェント(現:リクルートキャリア)という転職エージェントへの入社を志願し、願いが叶い大学卒業とともに入社できた。


私のキャリア論に影響を与えたこと 1)WILL-CAN-MUST

大学卒業後10年間を過ごしたリクルートエージェント時代は、すべての経験が私のキャリア観の基礎となった。その中でも特に『キャリア論』に大きな影響をうけたのは、WILL-CAN-MUSTという考え方である。

「WILL:やりたいこと、CAN:できること、MUST:やるべきこと」の3つに分けて仕事を整理し、3つの輪が重なるところを仕事にできると自分が一番パフォーマンスを発揮できる。WILL-CAN-MUSTについては、このアドベントカレンダーにも登場する佐藤雄佑さん(ミライフ)が時間軸も入れて書いて分かりやすい。リクルートエージェント時代は、いつもこのWILL-CAN-MUSTの3つで自分のキャリアを棚卸していた。今振り返ると、この中でも特に「WILL:やりたいこと」を考える時間がとても大切だった。私は、この「WILL:やりたいこと」には、Being(意思)とDoing(行動)の2つが掛け合わさっている、と考えている。社会人1年目や2年目はよく「理想ばかり言わず、地に足をつけて自分のできることを増やしなさい」と言われたものだが(おそらく、相当生意気な若手社員だったに違いない)、20代から常に「WILL:やりたいこと」について思いを巡らせ、試行錯誤しながらも行動し続けたからこそ、それが時間の経過とともに、自分のリーダーシップとなり、自分のキャリアの軸となり、Purposeに繋がっていった。


私のキャリア論に影響を与えたこと 2)ポジティブ心理学

リクルートエージェント時代も「弱みを克服するよりも強みを伸ばして成長する」と言われ、その次のGE時代も「リーダーは、自分の強みやチームの強みを最大化する」と言われた。私にとって『キャリア』を考える上で欠かせないのが「強みを伸ばす」である。たしか2010年頃、この「強み」について学術的に研究されている分野があり、それがポジティブ心理学だと知ったときには自分の中で「学びたい!」と衝撃が走ったことを今でもよく覚えている。そこからずっとポジティブ心理学を学び実践し続けている。

自分の「強み」を知る方法は複数あるが、アセスメントツールとしては、ストレングス・ファインダーVIA-ISStrength Developer、の3つはお薦めである。 ただ、アセスメントはあくまでも自己認知なので、自分の周りの人からも自分の「強み」を聞き、客観的な視点で自分の「強み」を認識し、開発してくことが大切である。

また、ポジティブ心理学の中で、私の『キャリア論』に大きな影響を与えたのは、「Well-being」と「Purpose」という概念である。1946年にWHO(世界保健機構)の定義「健康とは、単に病気あるいは虚弱でないというだけでなく、肉体的、精神的、社会的完全に良好な状態(well-being)である」が出され、1998年にアメリカ心理学会会長に着任したマーティン・セリグマン博士が中心となって「Well-beingに着目した心理学」を発展させたのがポジティブ心理学である。ポジティブ心理学では学術的にもWell-beingについても計測可能としていて、「PERMA」の5つを高めるとWell-beingが上がると検証されている。

【PERMAの5つを高めるとWell-beingが上がる】

P=Positive Emotion(ポジティブ感情:喜び、感謝、安らぎ、希望、など)

E=Engagement(熱中や没頭すること)

R=Relationship(関係性)

M=Meaning and Purpose(人生の意味や仕事の意義)

A=Acomplishment(何かを成し遂げること。社会的成功は問わない)

PERMAを高めるためには「強みを生かす」ことが鍵。なぜなら「強みを生かす」と、夢中になれて(E=Engagement)、自然にうまくできて(A=Acomplishment)、自己効力感が上がる(P=Positive Emotion)から。つまり、「強み」と「Well-being」は相関している。

まとめ:仕事を志事に。そのために大切なことは?

色々書いてみたが、まとめると以下になる。

1)Purposeを見つける旅を続ける

・WILL-CAN-MUSTで定期的に仕事を棚卸ししてみる。WILL:やりたいこと(意思x行動)をたくさん積んでいくとPurposeに繋がる。

・Purposeはすぐに見つからなくてもよい。人生で最後まで見つからないかもしれない。自分が見つけようと意識して動いているとPurposeのほうからあなたを見つけてくれる。

・幼少期の自分の夢、人生に大きな影響を与えたこと、人生で一番楽しかったこと、などを人と語ることで自分のPurposeのヒントが得られる。

・Purposeが見つかったら言葉にする。言葉にすることで、言霊になる。


2)Well-beingを高める

・自分の「強み」を見つけ増やし、強みを使って自分が「好き・得意」だと思えることができる時間を増やす。

・1日の終わりに10分「今日の仕事の中で、どんなことが自分のPERMAを上げたのか?」振り返ってみる。何が自分のPERMAを上げるのか知り、PERMAを上げることに時間を費やす。

・私の個人的見解だが、PERMAのうち、R=Relationship(関係性)は量より質、「誰とやるか」は「何をやるか」よりも、志事には重要。

・志事は、必ずしも今所属している会社や組織だけで実現することに限らない。志事を実現できる環境や場所、仲間を複数持つ。


いつの時代も、「働き方」は「生き方」の手段の一つ。人生100年時代と言われる今の時代に生きているからこそ、Purpose x Well-beingを高める「志事」を見つけ、幸福度の高い「生き方」をしていこう。





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My Purpose (一人ひとりが仕事を通じて自分の人生の意味と意義を見つけ、生き生きと輝く個人と社会を創ること)実現にむけて、グローバル製薬企業でタレントマネジメント責任者 、パラレルキャリアでファンリーシュ(https://funleash.jp/about/)で活動中。
Purposeful Job:仕事を志事に。そのために大切なことは?|岡田美紀子
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