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ファンが成長してマウンドに「自分が感動しています」…リアル"フィールド・オブ・ドリームス"のDeNAルーキー石田裕太郎は「緊張しない男」

posted2024/07/15 11:03

 
ファンが成長してマウンドに「自分が感動しています」…リアル”フィールド・オブ・ドリームス”のDeNAルーキー石田裕太郎は「緊張しない男」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

9日の中日戦、球団初のデビュー4戦4勝をかけて先発した石田。勝利投手の権利を持って降板したが、惜しくもその後追いつかれた。チームは延長戦オースティンの一発で勝利

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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 交流戦中、DeNA苦境の時期に彗星のようにデビューするや、4戦3勝を挙げてチームの復調に大きく貢献するドラフト5位ルーキー、石田裕太郎。「ファンがそのままプロ野球選手になった」青年が、独特な投球哲学とベイ愛を語る(全2回のうち第1回/続きは第2回へ)

 横浜DeNAベイスターズのルーキー右腕・石田裕太郎にとって本拠地である横浜スタジアムは、まさに"フィールド・オブ・ドリームス"だ。

 DeNAのお膝元である横浜市中区に隣接する磯子区出身。古くからの横浜ファンである父親から「ベイスターズのファンじゃないと野球をやらせない」と言われたのは、ファンの間では有名なエピソードだ。小学校3年生から野球を始め、同時にハマスタへ足繁く通いベイスターズを応援した。憧れた選手は筒香嘉智と山﨑康晃だ。

「マウンドに立っただけで感動でした」

 スタンドで選手たちのプレーを興奮して見つめていたベイファンだった少年は、いつしかハマスタのマウンドに立ち、横浜ブルーのユニフォームを身にまといDeNAの戦力として腕を振っている。なんて夢のある話だろうか。

 プロ初登板となった6月9日のソフトバンク戦。舞台は聖地ハマスタだった。そこで見て、感じた光景を石田は感慨深い表情で語った。

「投げる前、マウンドに立つと大歓声が沸いたんです。ファンの方々に対し、すごくありがたいなと思いましたし、自分が目指してきた場所というか、想像してきた舞台で野球をやることができる。そう考えただけで、すごい感動でした」

 現在、首位争いをしているDeNAにとってこのソフトバンク戦は、今思えばターニングポイントとなった試合だった。この時点でチームは4連敗を喫し、借金は今季最多の6に膨らんでいた。シーズンを見据える上で非常に厳しい状態にあり、ここで経験の乏しいルーキーの石田の起用は荷が重いと思われた。ましてやパ・リーグ最強のソフトバンク打線が相手であり、過度の期待は禁物だった。

 だが、そんな外野の心配はどこ吹く風。石田は泰然自若として、初登板に備えたという。

【次ページ】 初登板も「緊張しないタイプなので」

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