6回表2死一塁、中前安打を放つ与野の上森孝太主将=12日午前、県営大宮球場
「あれ以上の痛みは人生で、もうない」。術後のつらさを上森さんはそう語る。心が折れそうになったこともあったが、一つ上の先輩で主将を務めていた奥貫蒼さん(18)の「必ず一緒に戦うからな」という言葉や同級生の励ましが支えになり、半年間はマネジャーとしてチームを支えながら懸命に過ごしたという。
1年時の3月に運動復帰した。遅れを取り戻すため、毎朝6時に一番乗りで登校。2年時の夏は途中出場した。今夏に向けて遊撃手の須永悠太選手(17)と自主練習を重ね、二遊間の守備でけん引。この日、上森主将は六回に中前安打を放ち好機を築くなど、打撃でも成果を発揮した。
惜しくもチームはシード校を相手にサヨナラ負けを喫したが「野球が大好きでしょうがない。勝ち負けもそうだけど、とにかく野球ができる自分の体をかみしめて2年半プレーできた」。上森主将は、充実感と感謝をにじませ球場を後にした。