東京は「東北」でできている 社会学者が見る都知事選
毎日新聞 2024/6/20 16:05(最終更新 6/20 16:06) 有料記事 1529文字
光り輝く巨大都市・東京。これほどまで日本中の人々に強い愛憎を抱かれてきた都市はないでしょう。都知事選にあたり、宮城県南三陸町出身の山内明美・宮城教育大准教授に聞いた、「私の東京論」です。【構成・鈴木英生】
地方から搾取し肥え太ってきた
私は、主に東北地方の歴史などを研究してきた。宮城県北部、南三陸町の専業農家で生まれ育ち、大学進学から今の職場に移るまで15年以上ほぼ、東京とその周辺に住んだ。私にとって東京とはまず、東北などを搾取して肥え太ってきた近代日本の象徴だ。が、無論それにとどまらない思いもある。
東京で感じた「さみしさ」
初めて東京へ行ったのは、小学6年生のとき。夏休み、叔母の家に1週間以上泊めてもらった。ディズニーランドも原宿もテレビで見たとおり。本当に楽しかった。
予想外だったのは叔母のアパートだ。1980年代末のバブル絶頂期のこと。さぞ豪勢かと思っていたら、…
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