“裏付け取材”していない
こうして電子書籍は発売されたが、録音の存在を飯塚被告が知ったのは「発売後」だった。「新井氏は『録音していたが途中でバレると思って切った』と言っており、録音を知りました」という。
のちに送ってもらったというデータの長さも「支援する会」が当時把握していたものと同様、1
「密室内の行為なので、それに関しては裏付けが取れなかった」と述べる飯塚被告に、対する検察官は“裏付け取材”について厳しく追及した。
検察官「密室ではありますが、確実にもう一人、ことの真偽を知っている人がいますよね」
被告「町長です」
検察官「あなたは2019年9月3日に町長に取材を申し込み、19日に町長室で約1時間取材をしていますね。この取材では、時間湯の温度管理や、湯長制度のことを聞いていた。湯長のセクハラ疑惑なども聞いている。町長に新井氏の告白についての言い分を確認することは可能でしたね?」
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被告「時系列的に考えれば可能ですが……その時の取材は、温泉の取材でして……え〜、まあ、こう言って、新井氏のことを細かく聞くのは、公私混同になってしまう……え〜、まあ〜、あの〜、町長の……え〜、本題の雑誌の取材が失敗に終わること想像されたので……」
検察官「結局新井氏のことは何も聞かなかったんですか」
被告「はい」
電子書籍発売前に、飯塚被告は温泉雑誌の取材のために町長に取材を申し込んでいた。その際、新井氏の告発について確認することは可能なはずだが、本来の温泉取材が失敗に終わることを危惧して、告発の真偽を問いただすことはしなかったのだという。
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