【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【霞が関(市ヶ谷)処分】防衛省の内局でパワハラで停職「俺は知らない」「それでこのザマか」指定職・課長級

2024年07月12日 23時00分25秒 | 霞が関人事
[写真]首相・防衛大臣の視察の最後に車寄せに出てきた、防衛省の内局、陸自などの制服、警視庁警護官ら、3年前の2021年5月24日、宮崎信行撮影。

 防衛省はきょう令和6年2024年7月12日(金)、内局同士のパワハラで、指定職を停職9日、課長級2名を減給にする懲戒処分を発表しました。同日は特定秘密保護法に関して事務次官が訓戒を受けましたが、こちらは陸自女性セクハラでの大臣特別防衛監察の中で出てきた話で、内局同士の懲戒処分を異例とみられます。

 防衛省の指定職は34名で、たまたま財務省の指定職も34名で同格。

 懲戒処分の3名はみな50歳男性で、きょねん7月からことし4月まで深夜、休日も含めて、必要を超えるやりとりを行い、指定職はメールで「役人としてのイロハができていない」「どうするんだ」などの言動を繰り返したという趣旨の経緯を防衛省は発表しました。課長の一人は「勝手にやれ」「俺(おれ)は知らない」、もう一人の課長は「それでこのザマか」「勝手にすればいい」「どうするんだ」などと職場環境を著しく悪化させた、という趣旨の発表をしました。

 指定職が停職9日、課長職の一人は減給1か月と6日、もう一人が減給2か月と2日、事務次官がこの件だけで俸給月額10%を3カ月自主返納することになった、と防衛省は発表しました。

 以上です。

 




衆議院情報監視審査会は17日(水)の閉会中審査で「改善勧告」防衛省・自衛隊が特定秘密保護法の適正評価漏れで

2024年07月12日 22時41分25秒 | 閉会中審査
[写真]国家公務員の懲戒や減給の法令を調べる筆者。

 防衛省・自衛隊は、きょう令和6年2024年7月12日(金)の大臣記者会見で、政権再交代後の集団的自衛権プロセスの端緒だった「特定秘密保護法」の適正評価(公安調査庁による身辺調査)未実施で、二等海佐らの減給など懲戒処分を発表しました。免職はゼロ名。

 報道では護衛艦隊の3分の1程度で違法だったのとの説もありましたが、「せとぎり」と「あけぼの」の2佐さら3名が適正評価未実施の者を従事させたとして、減給1か月と5日や停職6日など。海幕長が減給1か月と1日、事務次官・統幕長・陸幕長・空幕長・情報本部長が訓戒となりました。

 衆議院情報監視審査会は来週17日(水)に2度目の閉会中審査を開き、議長の「改善勧告」をする見通し。

 改正国会法は、その102条の16で「情報監視審査会は、調査の結果、必要があると認めるときは、行政機関の長に対し、行政における特定秘密の保護に関する制度の運用について改善すべき旨の勧告をすることができる」とあります。おそらく第1号となります。

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衆議院情報監視審査会の閉会中審査は、あすの防衛省発表を見て、再度開催へ

2024年07月11日 23時26分17秒 | 閉会中審査
[写真]衆議院分館(左)と本館の衆議院側の正玄関(右)、パノラマ撮影、院の許可を得て撮影しています。

 衆議院情報監視審査会(会長・岩屋毅元防衛大臣)はきょう令和6年2024年7月11日(木)閉会中審査を開き、護衛艦など自衛隊各所で特定秘密保護法の適性検査(身辺調査)を受けてない自衛官が情報にさわったことについて、説明を受けて、質疑しました。

 あすの防衛省の発表を見て、再度、閉会中審査をすることで与野党が合意しました。

 額賀福志郎議長・築山信彦事務総長体制で初の審議となったきょうの会議は、分館で開かれたようです。分館は東西南北が公道に接していないので、管理がしやすいからかもしれません。防衛官僚は新宿区からクルマで来るので、駐車場が広いこともあるのかもしれません。

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あす「衆議院情報監視審査会」が閉会中審査へ 首相NATO外遊さなか防衛省・自衛隊の澱一掃の夏

2024年07月10日 17時33分18秒 | 閉会中審査
[写真]国会の皇居側・参議院側の中庭、格子は写っていませんが、公道から宮崎信行が撮影した写真、ほぼ9年前の2015年7月10日。

 衆議院情報監視審査会(岩屋毅会長)はあす令和6年2024年7月11日(木)の午後1時半から閉会中審査を行うことを決めました。議題は「防衛省における特定秘密保護法の指定、解除、適正評価」について。

 防衛省が10分間説明し、それに対して与野党委員の自由質疑が30分。朝日新聞1面トップ報道の海上自衛隊の護衛艦のおよそ3分の1で、公安調査庁による適正評価・身辺調査を受けない無資格者が携わっていた問題です。

 2013年特定秘密保護法に基づく翌年の改正国会法で設置された情監審で閉会中審査が行われるのは異例。

 会議は非公開で行われ、議事録も作成されない見通し。

 ◇

 2024年における在沖縄米軍人の性暴力事件と東京による県議選前情報隠蔽疑惑に関して、理事懇談会がきょう10日開かれました。

 参議院外交防衛委員会(自民党の小野田紀美委員長)は午前10時から開き、対応を協議しました。

 衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会(立憲民主党の佐藤公治特別委員長)は正午から理事懇を開き、野党側理事が委員会の閉会中審査を開くよう求めました。開催の方向で、筆頭理事間協議することで合意しました。

 防衛省・自衛隊は、元陸上自衛隊・郡山の五ノ井里奈さんのセクハラをめぐる浜田靖一大臣(当時)の命令で特別防衛監察をしました。この過程で、陸海空のパワハラも発覚して表面化していないものがあります。内局の中でのパワハラもあるようで、処分者が出れば異例のことになります。

 木原稔大臣は、川崎重工業が海自・潜水艦隊に金品便宜を供与していたことで特別防衛監察を始めました。

 岸田文雄首相はきょう午後3時半、羽田空港から政府専用機で、NATO首脳会合に「オブザーバー」として参加するため出発。現地では日英ACSAを結ぶスターマー英首相(労働党首)ともリアル初面談する見通し。

 陸将の靖国神社参拝から半年、五ノ井さんの事件発覚から1年半、南スーダンPKO日報隠蔽事件以来から7年。が、調達を含んだ大規模不祥事はおよそ10年に1度くらい繰り返される傾向があり、その時期が来ました。そのたびに、機構改革で澱を一掃したふりをすることが防衛省・自衛隊は多いのですが、良し悪しは別として、「安倍晋三首相・岸田文雄外相コンビ」が作り上げた集団的自衛権グローバルパートナー体制のもと初めての大規模な不祥事が出現しました。

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尾辻秀久参議院議長、来年夏の第25回参院選に出馬せず、引退へ

2024年07月09日 22時32分28秒 | 国会人事
[写真]尾辻秀久参議院議長、2021年9月、自民党大会ホテルで、宮崎信行撮影。

 南日本新聞=gooニュースによると、尾辻秀久参議院議長(83歳)は来年夏の通常国会後の改選に出馬せず、今期限りで引退すると断言しました。

 自民党は1年後に迫った鹿児島県選挙区(改選定数1)の公認候補内定者を探すことになります。

 尾辻さんは当選6回。日本遺族会枠の全国比例選出を経て、鹿児島県区に移りました。

 議連会長として、「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」(平成31年法律14号)をまとめました。が、先週3日(水)に最高裁大法廷が優生保護法そのものに14件目の違憲判決を出しました。地裁など国賠訴訟は1000万円以上の金額となっており「一時金支給法」の320万円は少ないとされています。厚生労働大臣の後輩となる田村憲久現・議連会長は、次の第214回臨時国会でさっそく支給法の改正案を提出する段取り。尾辻さんは議長の立場なのでかかわれなさそうです。

gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/minaminippon/region/minaminippon-20240708214317


尾辻秀久参院議長が勇退へ 「年齢や体力考慮」来夏の選挙立候補せず

 自民党で長年活動し、厚生労働相などを歴任した参院議長の尾辻秀久氏(83)=南さつま市出身=は8日、南日本新聞の取材に、2025年の次期参院選に立候補せず、今期限りで勇退する意向を明らかにした。議員任期が満了となる同年7月まで、議長の職責を果たす考えも示した。

 理由について尾辻氏は「年齢や体力などを考慮し、これからさらに6年、今まで通りの議員活動をするのは難しいだろうと判断した」と語った。「今は精いっぱい任期を全うしたい。議員として鹿児島最優先で仕事に臨む」と強調した。

 この時期に勇退意向を明かしたことに関し「参院鹿児島選挙区は1人区。自民党や県連が公認候補を決める時間的猶予も必要だ」と説明。後継を巡っては「今後の日本に必要な、しかるべき人が選ばれると信じている」と述べた。

 1940年生まれ。鹿児島県議を経て89年の参院選で初当選し6期目。厚労相や参院副議長、日本遺族会長など歴任し、ドミニカ移民問題の解決やがん対策基本法成立に尽力した。超党派議連の代表職も数多く担った。2022年8月、議長就任に伴い、自民会派を離脱した。

 以上です。