子どもへの性暴力根絶へ「正しい知識学んで」 7月に富山でシンポ
北陸から子どもへの性暴力根絶に向けた取り組みを発信しようと、市民団体が7月に富山国際会議場(富山市)でシンポジウムを開く。性被害を訴えている元ジャニーズJr.の男性も登壇し、大人たちが何をすべきかを考える時間にしたいという。
タイトルは「子ども・若者の“今”をささえる! 元ジャニーズの性加害問題から考える『グルーミング』」。子どもを暴力から守る取り組みを続ける市民団体「富山CAP」が主催する。
代表の岸順子さん(64)は、「『グルーミング』は『手なずける』という意味をもつ。性的虐待を目的とした大人が接近し、幼い子どもがそうだと気づかずに(性被害に)巻き込まれている」と話す。「周りの大人が正しい知識を持ち、アンテナを高くすれば抑止になる。子どもの性被害についてしっかり学んで関心を持ってもらえるようにしたい」という。
子どもの電話相談に応じている「とやまチャイルドライン」の布村武信代表理事によると、全国のチャイルドラインへの性被害の電話相談件数(2023年度)は343件で全相談の3・9%。布村代表理事は「少ないと思うかもしれないが、言葉にできる子どもはわずか」と話す。特に身近な大人からの被害は言いにくく「氷山の一角にすぎない」とみている。
石川県で子どもの電話相談をし、シンポに協力する「子ども夢フォーラム」(金沢市)の高木真理子代表も、寄せられる子どもの声から「大人への教育も、被害を受けている子どもたちへの『嫌なことを嫌と言っていい』という教育も足りていない」と語る。
シンポの基調講演では、様々な依存症患者の問題に関わってきた精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳さんが話す。「ジャニーズ性加害問題当事者の会」発起人の1人で、子どもの性被害根絶の取り組み「ワニズアクション」を立ち上げた中村一也さんと対談する。
7月13日午後1時~3時半で、定員は会場150人、オンライン100人。参加費は大人1千円(未成年と学生は無料)でQRコードから申し込む。問い合わせは富山CAP(toyamacap@gmail.com)へ。(朝倉義統)