立憲、無党派層へ浸透急務 蓮舫氏、石丸氏にも及ばず 都知事選

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 東京都知事選の投開票から一夜明けた8日、3位に沈んだ蓮舫氏を支援した立憲民主党には動揺が広がった。次期衆院選に向け、党勢の立て直しが急務だが、政党の支援を受けない石丸伸二・広島県安芸高田市前市長に無党派層が流れたことへのショックは大きい。▼3面参照

 「もう自分たちは通用しないのではないか。昨夜はそう思った。既存の政党が嫌われているような気がした。私たち自身がどうアップデートできるかが問われている」。立憲の辻元清美代表代行は8日、JR有楽町駅前で記者団に語った。急務となっているのが無党派層への浸透だ。朝日新聞社の出口調査では、石丸氏が無党派層の36%の支持を得た一方、蓮舫氏は半分以下の16%にとどまる。

 東京選出の若手議員は、石丸氏について「蓮舫氏は若者政策を訴えたが、若い世代の票は具体的な若者政策を言っていない石丸氏に流れた」。政策ではなくSNSへの露出が、若年層に多い無党派の支持につながっているとの見方を示す。

 一方、ベテランの枝野幸男前代表は7日の兵庫県宝塚市での講演で「無党派といってもいろんな人がいる。目先の目新しさに振り回されない行動を取ることが、長い目でみれば無党派を捉える」と、愚直に政策を訴え続ける必要性を唱えた。

 悩ましいのは共産党との連携も同じだ。国民民主党や連合の反発を招き、中道から保守層へのアプローチもできなかったとの指摘がある。ベテラン議員は「共産との関係が悪い方に出た。立憲支持層とリベラル勢だけで浮動票は取れない」と話す。

 都知事選を主導した都連は、共産との関係見直しに否定的だ。都連の手塚仁雄幹事長は「共産の皆さんには感謝の思い以外、一切ない」と言い切る。連合関係者は「共産がいなければもっと票を減らしただろう。結局、立憲と共産の関係は何も変わらないのではないか」とぼやく。

 党重鎮は「共産の問題じゃない。まず国民民主との協力態勢を構築し、日本維新の会とも連携できるかどうかだ」と指摘。他の野党と連合も含めた連携がカギとなるとし、現執行部の対応を批判する。

 「これだけの惨敗。当然、代表選にも影響するだろう」(松井望美、伊沢健司)

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 〈おことわり〉当初記事とともに掲載した写真について、「蓮舫氏の顔のしわが深く加工されている」という指摘を複数いただきました。紙面印刷向けの自動補正の結果で、意図的な加工ではありません。

 紙面用記事の場合、印刷の画質の粗さを補うため、撮影対象の輪郭等をくっきりさせるなどの補正を自動的に行い、読者の皆さんが見やすいようにしています。これらの写真はデジタル用に最適化されていないため、デジタルに転用した場合は輪郭や陰影等が強めに表現されてしまう傾向があります。

 今回はSNS上での指摘で事態を把握し、写真を紙面印刷用以外のものに取り換える判断をしました。

 今後もサービスの改善に努めます。申し訳ありませんでした。

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