巨額赤字のクールジャパン機構 首相「経営改善求めること必要」

相原亮
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 巨額の累積赤字が問題視されている官民ファンドクールジャパン機構」(海外需要開拓支援機構)について、岸田文雄首相は31日の参院予算委員会で、「官民ファンドのありようとして、国民の税金にも関わる問題。しっかりと経営改善なども求めていくことも必要だ」と述べた。

 機構は安倍政権下の2013年、政府と民間の共同出資で設立された。アニメや和食など日本文化の海外展開支援が目的。政府が1156億円、電通グループやパソナグループフジ・メディア・ホールディングスなど民間24社が107億円を出資している(今年8月末時点)。

 しかし、多くの投資が失敗し、22年度末の累積赤字は356億円に上る。経済産業省は昨年11月に示した改善計画で、ファンドの設置期限となる33年度の累積損益の見通しについて、黒字額を148億円から10億円に引き下げている。

 立憲民主党蓮舫氏は「まさかのV字回復で、あと11年で黒字が10億円出るのか」と質問。これに対し、西村康稔経産相は「投資先の管理、資金の回収など、相当強化している」と述べた上で、「計画にきちんと沿っているかどうかも見極めながら、成果が上がらない場合には統合するか廃止するか考えないといけない。ラストチャンスということでしっかり取り組みたい」と答弁した。(相原亮)

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