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【埼玉大会】開幕戦初の女性球審、森田真紀さん


笑顔で球審を務める森田真紀さん(右)。左は羽生実・羽生一・児玉・深谷高連合チームの飯塚拓光選手=11日午後、県営大宮球場
 11日に始まった、第106回全国高校野球選手権埼玉大会。開幕戦が開かれた県営大宮球場で、さいたま市岩槻区の中学校教諭、森田真紀さん(47)が、開幕戦で女性初となる球審を務めた。

 「プレー!」。試合開始のコールとともに、マスクをかぶりバックスクリーンを目がけて指をさした。「早くストライクが来いと思った」と森田さん。「緊張するのは当たり前だけど私が緊張したらいけない。女の子が見ても格好いいって思ってもらえるように」とグラウンドの土を踏んだ。

 野球との関わりは幼少の頃から。「父は野球、母はソフトボールをやっていた。ボールが自然と転がっていて遊びが野球だった」と話す。だが森田さんが子どもの頃は、女性であるが故に入部ができなかったという。

 大学から部活で女子軟式野球を始めた。新卒で高校の保健体育の教諭として勤務する傍ら、社会人チームで野球を続けた。自身の練習がないときに野球部の手伝いをする中で「チームに役立てるのでは」と審判を志した。母もかつてソフトボールの審判員をやっていたことから、母には「審判なんてやるもんかと言っていたこともあった」と、笑った。

 現在は、中学校に勤めながらボランティアで審判を担っている。球審は試合をスムーズに進めるためのコーディネーター。「いいか悪いかは分からないが『頑張っていこう』『守備位置まで頑張ろう』と声をかけることもある」という。大役を全うすることにプレッシャーもある。「あの緊迫感と雰囲気の中、一緒にあのグラウンドに立てることを幸せだと思う。どんな試合も勝ち負けが決まるが試合をやってよかったと思ってもらえるようにしたい」
2024/07/12 14:31:00
記事提供:埼玉新聞

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