政府主催で初の「主権回復」式典 4野党や沖縄知事は欠席
政府は28日、1952年のサンフランシスコ講和条約の発効から61年を迎え「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」を国会近くの憲政記念館で開いた。安倍晋三首相は式辞で「本日をひとつの大切な節目とし、これまで私たちがたどった足跡に思いを致しながら、未来へ向かって希望と決意を新たにする日にしたい」と述べた。
主権回復時を除く政府主催の式典は初めてで、天皇、皇后両陛下が出席された。衆参両院議長や国会議員ら約390人が参加した。
全国の知事らも招かれたが、72年の本土復帰まで米国の施政権下に置かれた沖縄県の仲井真弘多知事は欠席し、高良倉吉副知事が代理で出席した。
首相は式辞で「日本に主権が戻ってきた日に奄美、小笠原、沖縄の施政権は日本から切り離された。沖縄が経てきた辛苦に深く思いを寄せる努力をなすべきだ」と言及した。
式典は自民党が昨年の衆院選公約に明記。主権や領土を守る決意を新たにし、将来の憲法改正をにらんで世論を喚起する狙いもあるとみられる。
野党では政府式典への賛否が交錯した。出席した民主党の海江田万里代表は記者団に「沖縄、奄美、小笠原のみなさんに心を寄せていくとのメッセージがあったので、参加してよかった」と評価をした。日本維新の会やみんなの党からも所属議員が出席した。
一方、生活、共産、社民、みどりの風の4党は欠席した。共産党は都内で抗議集会を開き、志位和夫委員長が「沖縄県民にとっては『屈辱の日』だ。米国従属の日を『祝おう』と言って式典を開いた政府に強く抗議したい」と訴えた。