- 日本でもガソリン車が廃止になる?
- 2035年までに「ガソリン車の新車販売を禁止」
- 2035年以降は「中古なら購入可」
- 2050年には「利用も含めた廃止」へ
- 今後ガソリン車を買うのはアリ?
- ガソリン車廃止に関するQ&A
- norico編集部オススメ記事
日本でもガソリン車が廃止になる?
現在、世界各国でガソリン車やディーゼル車の廃止に向けた取り組みが盛んになっています。日本も例外ではなく、政府は今後ガソリン車などの販売や利用を規制していく方針です。
ここでは、ガソリン車の廃止に向けていつまでに、どのような措置が取られる予定なのかを解説します。
2035年までに「ガソリン車の新車販売を禁止」
日本政府は2020年に「カーボンニュートラル宣言」を発表。ここではガソリン車やディーゼル車の廃止に向けた第1段階として、将来的に新車販売を全て電動車にするという目標が記載されました。
その後2021年1月、菅首相(当時)が施政方針演説でその具体的時期に触れました。
「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」
(第204回通常国会の施政方針演説より)
このように、現在の日本政府は2035年までのガソリン車の新車販売終了を目指しています。
Q. ハイブリッド車は電動車に含まれる?
政府の指す「電動車」には、ハイブリッド車も含まれます。そのためハイブリッド車は2035年以降も新車での購入が可能です。
東京都は2030年にガソリン車の新車販売禁止か
日本政府はガソリン車の新車販売禁止を2035年までに実現としていますが、東京都はより早い時期からの新車販売禁止を目指しています。
2020年12月、小池都知事は都内でのガソリン車の新車販売について「乗用車は2030年までに、二輪車は35年までにゼロにすることを目指す」と表明。日本政府に先立ち、独自でガソリン車の新車販売規制を進める方針です。
2035年以降は「中古なら購入可」
政府の取り組みが目標通りに進んだ場合、2035年には新車でガソリン車を購入できなくなります。一方で中古車には販売禁止の方針が出されていません。そのため2035年以降も、中古ならガソリン車を購入できる見通しです。
電動車にはハイブリッド車も含まれるため、ガソリンスタンドが無くなる心配も当面はないでしょう。
2050年には「利用も含めた廃止」へ
政府は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」で、以下のように目標を掲げています。
「2050年に自動車の生産、利用、廃棄を通じた CO₂ゼロを目指す」
2050年までに上記の目標が実現できるかは分かりません。しかし目標通りに進めば、2050年以降はガソリン車の利用も禁止され、ガソリン車は完全廃止となります。
Q. ガソリン車廃止は実現可能なの?
2035年のガソリン車の新車販売禁止や2050年の完全廃止については、「不可能」「可能」で意見が分かれています。
不可能とする意見では、充電インフラの不足や電動車の車両価格の高さが理由に挙げられています。実際に、スコットランドは充電インフラの不足を理由にガソリン車の販売禁止を延期しました。またハイブリッド車は、ガソリン車より車両価格が数十万円以上高いです。
一方で、日本では既に普通車の新車販売の50%以上がハイブリッド車となっています。軽自動車についてはまだハイブリッド車そのものが少ないですが、今後軽自動車のハイブリッド化が進めば、ガソリン車ゼロも不可能ではないでしょう。
※出典:一般財団法人日本自動車販売協会連合会「燃料別販売台数(2023年2月)」
今後ガソリン車を買うのはアリ?
ガソリン車が廃止されるといっても、政府が目標としている2050年までにはまだ約27年(2023年3月現在)残っています。当面の間は好きなクルマを選んで問題ありません。
クルマ選びの参考として、ガソリン車、ハイブリッド車、電気自動車のメリットとデメリットを表にまとめました。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ガソリン車 | ・車両価格が安い ・当面は選択肢が広い | ・低年式車を中心に税金が高い ・ガソリン代がかかる |
ハイブリッド車 | ・燃費が良い ・静粛性が高い | ・車両価格が数十万円高い ・軽自動車を中心に種類が少ない |
電気自動車 | ・環境性能が極めて高い ・税負担がかなり少ない ・静粛性が高い | ・車両価格がとても高い ・種類がとても少ない ・一充電での走行距離が短め |
車両価格は、現状でガソリン車とハイブリッド車なら数十万円、ガソリン車と電気自動車であれば100万円以上の差があります。また選択肢もガソリン車の方が豊富です。
しかし今後はハイブリッド車などの価格が下がったり、自動車税制の見直しでガソリン車の税負担が増大したりする可能性もあります。
ガソリン車廃止に関するQ&A
Q. 政府の指す電動車には何が含まれる?
政府の指す電動車に含まれるクルマは、以下の4種類です。
- 電気自動車(EVまたはBEV)
- 燃料電池自動車(FCV)
- プラグインハイブリッド自動車(PHEVまたはPHV)
- ハイブリッド自動車(HV)
Q. 海外のガソリン車廃止に向けた取り組みは?
ヨーロッパ諸国を中心に、海外では既にガソリン車廃止に向けた取り組みが進んでおり、その基準も日本より厳しいです。
例えばノルウェーは2025年のガソリン車販売禁止を目指しています。またEUも、2035年にガソリン車の販売を禁止する方針です(ただし合成燃料で走行し、環境負荷が抑えられている車両は認める方針)。
Q. ガソリン車廃止で軽自動車はどうなる?
政府のガソリン車廃止計画には、軽自動車も含まれています。つまり軽自動車も、ハイブリッド車や電気自動車でなければ2035年以降の新車販売が禁止されます。
軽自動車は車体が小さく、車両価格を抑える上でも本格的なハイブリッドシステムを搭載しにくいです。しかし軽自動車の中には「マイルドハイブリッド」システムを搭載しているクルマがあります。政府はマイルドハイブリッド車も電動車に含める方針なので、今後は軽自動車のマイルドハイブリッド化が期待されます。
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- Supervised by norico編集長 村田創
中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!