「今回のようにおじさんや男の人がトイレに入ってきたら、逃げなさいと。まだ1人でトイレにいく年齢ではありませんが、そう伝えました」。
考えても答えは出ないと言いながら別れた。平塚氏はこう話す。
「これからまた議論がなされるとは思いますが、性自認を悪用する人がいないとも限りません。となると一定のルールを設ける必要は出てきますよね。今回の判決は、ひとつのきっかけにすぎません。どうしたら多くの人が不安なく、自分を侵されることなく、生きていけるのか。考えていかなければなりませんね」。
見た目は主観的な要素も大きい。自分では女性らしい、男性らしいと思っていても、そう見えていないこともありうる。性器となれば、プライバーシーにも大きく関わる。ルール作りは困難を極めることであろう。しかし、考え続けなければいけない問題だ。
取材・文/悠木 律