「びっくりして、怖くて声が出ませんでした。年配の女性も同じような感じでしたね。その人は、まるで意に介すことなく個室に入っていきました。私の足は、ガクガクと震えていました。咄嗟に年配の女性と顔を見合わせて、トイレから脱出。施設の受付に走りました」。
恐怖でなかなか上手に説明ができなかったという。
「娘はきょとんとしていましたね。私と年配の女性はほとんどパニック状態。施設の方は、我々のその様子を見てただごとじゃないとトイレに駆け込んでいきました」。
女子トイレのなかからは、男性の声が響いていたと話す。
「どうやら性自認は女性だったみたい。でも見た目は明らかに男性だったので、私は本当に困惑しました。性的マイノリティの人たちのことを責めたいわけじゃない。でも、やっぱり怖い、そう思ってしまったんです」。
さらに【後編】では衝撃の事実が明らかになる。
取材・文/悠木 律