だいりしんぎょぎほう
代理親魚技法
魚と人類の共存を実現する「魚の代理出産」技術
魚と人類の共存を実現する「魚の代理出産」技術
魚と人類の共存を実現する「魚の代理出産技術」
SCROLL
AMBITION
AMBITION
さかなドリーム共同創業者
東京海洋大学 教授
吉崎悟朗
幼少期から釣りにのめり込んでいた私は、大学生の頃、船の下を野生のマグロの群れが通り抜けていく光景に出会いました。彼らはその瞬間、真っ青に輝き、私はその美しさに圧倒されました。
私たち日本人がクロマグロと呼ぶこの魚は、英語ではブルーフィンツナと呼ばれています。日本では、マグロは主に食べ物として親しまれ、市場に並んだ姿から「クロマグロ」という名前がつきました。しかし、生きているマグロは青く輝いています。その日、青いマグロの大群を目撃したことで、私の中でマグロは単なる食材ではなく、美しい野生動物へと変わりました。日本人がクロマグロを愛し、多くを消費する中で、その美味しさを広めつつも、絶滅の危機から守りたいという思いから、私は代理親魚技法の研究を始めることになったのです。
日本に生息する4,000種以上の魚から
「最高峰の魚種」を探索・厳選する
最高峰の魚種を掛け合わせて
「ハイブリッド魚」を開発する
独自の事業活動を展開し
「感動の魚食体験」を届ける
TECHNOLOGY
代理親魚技法について
ドナー種の卵や精子の元となる生殖幹細胞を、近縁種の仔魚(代理親)に移植し、
代理親が成長・成熟することで、ドナー種由来の次世代集団を生産する「魚の代理出産」技術です。
ドナー種の卵や精子の元となる生殖幹細胞を、
近縁種の仔魚(代理親)に移植し、
代理親が成長・成熟することで、
ドナー種由来の次世代集団を生産する
「魚の代理出産」技術です。
※本技術は遺伝子組み換えやゲノム編集とは異なり、一切の遺伝子操作を伴わないため、
代理親から生まれてくる次世代集団は、通常の親から生まれる個体と遺伝的な違いがありません。
※本技術は遺伝子組み換えやゲノム編集とは異なり、
一切の遺伝子操作を伴わないため、
代理親から生まれてくる次世代集団は、
通常の親から生まれる個体と遺伝的な違いがありません。
ドナー種の生殖幹細胞を
近縁種の仔魚(代理親)に移植
代理親が成長・成熟し、
ドナー種の精子・卵を生産
代理親同士の交配によって
ドナー種由来の次世代集団が誕生
PROTECT FISH POPULATION
代理親魚技法で「魚を守る」
絶滅危惧種の生殖幹細胞をあらかじめ採取し凍結保存しておくことで、たとえ絶滅に至った場合でも、
その近縁種を代理親とすることで、絶滅種の配偶子を生産することが可能です。
絶滅危惧種の生殖幹細胞を
あらかじめ採取し凍結保存しておくことで、
たとえ絶滅に至った場合でも、
その近縁種を代理親とすることで、
絶滅種の配偶子を生産することが可能です。
絶滅危惧種の
生殖幹細胞を採取
液体窒素で凍結保存
絶滅
近縁種(代理親)へ移植
絶滅種の復活
Point 1
種の保存を実現
精子や卵の凍結保存は、哺乳類ではしばしば行われていますが、魚卵は哺乳類の卵よりも体積が大きく、現在の技術では凍結保存できません。しかし、精子や卵の源となる生殖幹細胞であれば、液体窒素中で半永久的に凍結保存することが可能です。
Point 2
保全の選択肢の拡大
生物の保全においては、①生息環境の保全と②域外保全(生息域以外での人工飼育)が主要な手法となりますが、どちらも大きなコストがかかります。生殖幹細胞を活用すれば、小スペースでの細胞保存が可能であり、①と②の手法と組み合わせることで、生物保全の選択肢を拡大することが可能です。
Point 3
遺伝的多様性の維持
域外保全での人工飼育が継続されると、自然界では生存が難しい個体の遺伝情報が引き継がれるリスクが生じます。生殖幹細胞の保存により、凍結時の遺伝的多様性を維持し、タイムカプセルのように遺伝情報を留めることが可能です。
CASE
代理親魚技法を用いた生物保全の事例
東京海洋大学では、代理親魚技法を活用することで「ミヤコタナゴ」や「クニマス」など希少種の保全活動が行われています。
ミヤコタナゴ
天然記念物/ 絶滅危惧IA類
ミヤコタナゴを絶滅から守るため、生殖幹細胞凍結による遺伝子資源の半永久的保存と代理親魚技法を組み合わせた保全技法の確立に取り組んでいます。2023 年に、ミヤコタナゴの生殖幹細胞を近縁種に移植することで、ミヤコタナゴの精子や卵を生産することに成功しました。
クニマス
野生絶滅
レッドリストでは1991 年以降「絶滅」と評価されていましたが、2010 年に魚類学者のさかなクン(東京海洋大学客員教授・名誉博士)らにより、山梨県の西湖で現存個体群の生息が確認され、「野生絶滅」に指定変更されました。山梨県水産技術センターと共に保全活動に取り組んでおり、2014 年にはヒメマスを代理親とすることで凍結細胞由来のクニマスを生産することに成功しました。
※写真:山梨県水産技術センター提供
CASE
世界各国における活用事例
日本国内のみならず、世界各国における種の保全にも活用されています。
日本国内のみならず、世界各国における
種の保全にも活用されています。
※国名をタップすると活用事例が
ご確認いただけます。
従来の常識を覆す最高峰の味わいを持つ魚を提供し、人々の魚食シーンに「感動」を提供します。
当社オリジナル魚種のブランディングによって、養殖パートナーの安定的な収益確保に貢献します。
多種多様な魚種にスポットライトを当てることで、一部の魚に過度に集中する需要を分散し、水産資源の持続可能性を高めます。
FARM FISH
代理親魚技法で「魚を増やす」
代理親魚技法により、従来は養殖が困難であった(天然魚を漁獲するしかなかった)魚の養殖や品種改良が可能となります。
代理親魚技法により、
従来は養殖が困難であった
(天然魚を漁獲するしかなかった)
魚の養殖や品種改良が可能となります。
飼育コストの削減
小型種を代理親とすることで、飼育にかかる餌代・労力・スペースを削減し、大型種の次世代を簡便に得られます。
世代時間の短縮
早熟種を代理親とすることで、晩熟種の次世代を短期間で生産し、品種改良に要する世代時間を短縮できます。
優良個体の増産
優良個体の生殖幹細胞を多くの代理親に移植することで、優良な遺伝情報を次世代へ確実に繋げます。
優良個体の保存
優良個体の生殖幹細胞を凍結保存しておくことで、自然災害等で養殖魚やその親魚が全滅した際にも養殖を継続できます。
UTILIZATION OF TECHNOLOGY
畜産物における代理出産技術の活用
世界的な食料問題の解決に向けて、日本国内の和牛生産においても代理出産が積極的に導入され、
現在では生産される和牛の約10% が代理出産を経て誕生しています。
世界的な食料問題の解決に向けて、
日本国内の和牛生産においても
代理出産が積極的に導入され、
現在では生産される和牛の約10%が
代理出産を経て誕生しています。
※全国和牛登録協会 受精卵移植による出産登記数
Point 1
優良な母牛の(出産による)
消耗を防ぐことができる。
Point 2
優秀な母牛由来の仔牛を
安定的に供給することができる。
Point 3
乳牛を代理母とすることで、
牛乳の生産を促進し、酪農家の
収益源を増やすことができる。
Point 1
優良な母牛の(出産による)消耗を防ぐことができる。
Point 2
優秀な母牛由来の仔牛を安定的に供給することができる。
Point 3
乳牛を代理母とすることで、牛乳の生産を促進し、酪農家の収益源を増やすことができる。