中学数学で学習する「素因数分解」を覚えているでしょうか。
素因数分解は、ある数を「素数の掛け算の形」で表すことです。
小さな数であれば、暗算でも可能ですが、大きな数になるとどのように計算すればいいか迷ってしまいますね。
今回は、素因数分解に挑戦し、正しい理解ができているか確認してみましょう。
問題
「2646」を素因数分解しなさい。
この2646という数が、どの数で割り切れるかを見つけるのがポイントとなります。
小さい素数で割り算ができるかどうか、試していきましょう。
解説
今回の問題の答えは「2×(3^3)×(7^2)」です。
実際に計算してみると「2×3×3×3×7×7=2646」になっていることが確認できるはずです。
素因数分解は、地道に小さな素数で割り算を考えていきましょう。
素数とは
素数というのは「1とその数自身でしか割りきれない1より大きい数」です。
具体的には、小さい方から次のようになります。
2、3、5、7、11、13、17、19、・・・
素因数分解を考えるときは、
その数が
2で割り切れるか
3が割り切れるか
5で割り切れるか
・・・
と順に、素数の小さい方から割れるかどうかを考えていきます。
同じ数で何回も割れることもあります。
2で割り切れる数
一番小さな素数は「2」なので、まずは「2で割り切れるか」を確認します。
「2で割り切れる数」は簡単に見分けることが可能です。
「偶数」は2で割り切ることができます。よって、2646を2で割り算してみましょう。
2646÷2=1323
2で割ったところ「1323」となり、下一桁が3の奇数となりました。これ以上これ以上割り算はできません。
3で割り切れる数
一番小さな素数2でこれ以上割れないので、次は「3で割り切れるか」を確認します。
3で割り切れる数には次のような性質があります。
各位の数の和が3の倍数のとき、元の数は3の倍数である
各位の数の和とは?
1323の場合
1+3+2+3=9となり、9は3の倍数なので、1323も3の倍数である。
「1323」は3で割り切れることが分かります。3で割ることを繰り返していきましょう。
(上記の確認は、「3で割り切れるかどうか」の確認なので、割り算は実際にしなければいけません)
1323÷3=441
441÷3=147
147÷3=49
3で三回割ったところ49となり、これ以上3で割ることはできません。
また、49は次の素数である5では割ることはできません。
次に、49は「49÷7=7」と7で割ることができます。計算結果も「7」で素数なので、これ以上は割れません。
以上より「2×(3^3)×(7^2)」が答えです。
ちなみに、ここまでの解説では、一つずつ割り算の式を記載して計算していきましたが、素因数分解では下図のように計算するのが一般的です。
また、どの数で割るかという順番が入れ替わっても構いません。
まとめ
素因数分解を考えるときは、「何で割り切れるか」を考えましょう。
「2で割り切れる数」や「5で割り切れる数」は多くの方がすぐに判断ができるはずです。
「3で割り切れる数」が「各位の数の和が3の倍数」という性質を知っていると、さらに早い計算が可能になります。
ぜひこの方法を活用してください!
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)
和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事
2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。
素因数分解の問題にもう一問挑戦!