前回、メインタワーの居住区エリアの一室にて…
残されていた写真を見つけたラークとフェアリー。
そこに写っていたのは謎の人物と若かりし頃のカーラに幼いウォルターであった。
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居住区エリアの別室を調査していた五花海とハークラー。
どうやら技術者の私室だったらしく膨大な資料の山に悪戦苦闘していた。
「頭が痛くなってきた…」
「量があり過ぎますからね、残りは合流後に調査するしかないでしょう。」
ACや兵器関連の情報は大体は理解出来るが、専門的な情報となるとそうもいかない。
そこに猛ダッシュで突撃して来たラーク。
「五兄~ハー兄~!!!!!!」
「何かあったようですね?」
「ラーク、どうし…ぐぇ!?」
「ぴゃ!?」
しかし、ラークは突撃の拍子に躓きハークラーの腹部に直撃。
資料の山を崩して見事なストライクを決めていた。
「ハー兄、ゴメン。」
「頼むから勘弁してくれよ。」
「ハークラーの命運も尽きそうですかね?」
「五花海さん…縁起でもねえ事を言わないでください!」
飛び散る資料の山の中で謝罪するラークに気絶仕掛けたハークラー。
「ラーク、ハークラー、大丈夫?」
後追いで入室したフェアリーの心配する言葉。
「大丈夫、ハー兄がクッションになってくれたから。」
「俺は痛いけどな。」
不可抗力であるが、ラークに怪我がない事に安堵しているハークラーであった。
騒ぎを聞きつけて他の部屋を探索していたレイヴン達がやって来た。
「…」
「何が遭った?」
「ちょっと、何の騒ぎ?」
フェアリーがかくかくしかじかで説明。
「ラーク、その件のモノとは?」
「フェアリー。」
「うん、これ。」
ラークらは先程発見した写真を五花海達に見せた。
「「「「!?」」」」
これには周囲も開いた口が塞がらない状態に陥った。
「小父さん、知っているの?」
「ナガイ教授…ルビコン技研の代表者だ。」
「ルビコン技研ってアルカナが使ってたあのC兵器を造ったって言う?」
「ああ、アイビスの火で教授諸共技研は壊滅した筈だ。」
「…」
「うん、この写真の人はカーラだよね?」
「カーラとはあのRaDの?」
「そうそう、写真に写っている頃と全然変わってないんだよ。」
「この写真って半世紀前のだろ…美魔女か?」
「ここに写ってる子供がウォルターって書いてあるの。」
「あのハンドラー・ウォルター?」
「ウォルターのじーちゃんってカーラと知り合いっぽいから何か関係あるんじゃない?」
一枚の写真から得られた複数の情報。
これで合点が行く事はある。
「これはアタシの推測だけど…ウォルターの小父様はコーラルについて何か知っているんじゃない?」
「そうだな、聞くべき事が増えた。」
「それだけではない様ですね。」
散らばった資料から興味深い論文を発見した五花海。
「コーラルによる強化人間計画に並行して別の研究もされていたらしいです。」
五花海が見つけた論文に掛かれた計画書、それは…
“コーラルコネクター”
と記載された人体実験の記録書であった。
=続=
次回、ザイレム探索・真相篇。