ティンカーベルの子   作:宵月颯

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今回はアンケート結果の例の奴の結末です。


侵入・3

ラミーを撃墜後。

 

引き続き、次の区画へと移動する一行。

 

敵の攻撃が止まっている間にエアから先程の女性の詳細について説明を受けた。

 

 

******

 

 

『広域放送の人物について情報を集めました。』

 

 

ドーザーの勢力の一つRaDの統括…カーラ。

 

ジャンク技術とハッカー集団を引き連れてRaDに加わったのが3年前。

 

その後、僅か半年で実権を奪い…組織を急激に成長させています。

 

 

『つまり、相当なやり手…と言う訳か?』

『その通りです、ラスティ。』

『で、在れば道中は気を付けて移動した方が良いな。』

『はい、区画内各所に多数のMTと砲台型MTも潜んでいます。』

『じゃあ、見つけたら全部倒しちゃおうよ。』

『うん、狙われたら、危ない。』

『そう言う訳だ、野良犬…ここの連中を全滅させるぜ?』

『…』

 

 

実の所、レッドガン部隊が後追いでここに向かっている。

 

ある程度の露払いはして置いた方が良いだろう。

 

エアも静かに溜息を付いてからプランを提案しました。

 

 

『判りました、各機…各所に潜伏中のRaDのMTを排除してください。』

 

 

エアは各機にMTの反応を赤のマーカーで、合流地点を青のマーカーで示した。

 

一行は分散して区画内に潜んでいるRaDのMT集団の掃討に向かった。

 

 

『へぇ~やるじゃないか、ま…精々楽しませて貰おうかね?』

 

 

広域放送でカーラがそれもアリと言う様な言い方で答えていた。

 

今頃、本拠地で生配信状態の戦闘ログを見物しているだろう。

 

 

~製鉄所・区画~

 

 

分散した一行の内、ラークとフェアリーは共に行動し隠れていたMT部隊を各個撃破していく。

 

その時、高温でドロドロに溶けた製鉄が流れる場所の未使用パイプを眺めていた。

 

 

『あれ?何でこの先からACの反応があるんだろう?』

『分からない。』

 

 

ラークとフェアリーが見つけたパイプは丁度AC一機が通れる大きさ。

 

ここまで追ってくる敵がいるとは考えにくいが…

 

 

『ちょっと様子を見てこようよ?』

『うん。』

 

 

二人は迷路に入った気分でパイプの中へ突入。

 

暫く移動すると何かのスペースに辿り着いた。

 

こちらも狭いがACが動く程度のスペースである事は間違いない。

 

 

『こういう時は、確認は、大事。』

 

 

フェアリーは敵が潜んでいる可能性を視野にスキャンを開始。

 

見事に大当たりを引いたのである。

 

 

『ラーク、この奥に、AC、一体、いる。』

『話しかけて見よっか?』

『うん。』

 

 

愉快な遠足でお宝を見つけた気分になる二人。

 

念の為、話しかけて間違いのない様に確認を取った。

 

 

『ここなら誰にも見つからないだろう…』

 

 

通信で相手のACがボソリと独り言を言っていたので…

 

ラークがタイミングを考えずに話しかけた。

 

 

『ねぇ、ここで何してるの?』

『うん。』

『!?』

 

 

隠れていたACのパイロットはラークとフェアリーに話しかけられ吃驚した。

 

どうやら相手のAC乗りは男性らしい。

 

 

『何だ!?取り立て屋か!?』

『何か盛大に勘違いしている所で悪いけどさ…』

『人違い、私達、RaDのMT、倒してる。』

『そうそう、おっさんのACがここにいたから僕らと同業者かなって?』

『…初対面でおっさんは酷いと思う。』

 

 

AC乗りはラークとフェアリーの声でまだ子供であると判断。

 

同時にラークのおっさん呼びに少し落ち込んでいた。

 

 

『話を戻すけどさ、ここで何してるの?』

『貴方もRaDなの?』

『違う、私は追われているんだ。』

 

 

AC乗りに質問するラーク達だが、彼は追われていると答える。

 

 

『『追われている?』』

 

 

ラークとフェアリー、息ピッタリの首傾げを披露。

 

 

『そうなんだ!だから追手を巻く為にここにいるんだ!』

『ふーん。』

『そう、なの?』

 

 

ラークとフェアリーはエアに頼んで目処前のAC乗りの情報を検索して貰っていた。

 

丁度、解析が終わったのでエアが交信で二人に伝えた。

 

 

『ラーク、フェアリー、確認が取れました…彼は独立傭兵ノーザーク。』

 

 

アリーナランクEの26位、現在は自身が抱える多額の負債によって裏社会の者に追われています。

 

勿論、彼に同情はしなくていいですよ?

 

彼のねじ曲がった金銭感覚が原因なので、ちなみに彼を捕らえると報奨金が進呈されます。

 

 

『フェアリー。』

『うん。』

 

 

エアの情報を聞き終えた後、二人は一芝居打つ事にした。

 

 

『そっか、じゃ…気を付けてね。』

『ばいばい。』

 

 

ラーク達はノーザークの居た区画を離れようとすると…

 

 

『そのACの武装は見た事がない……まさか新兵器か?』

 

 

ノーザークによって呼び止められた。

 

 

『かもね?まだ一般に出回ってないし?』

『うん。』

『なら……私が頂こう!!』

 

 

ノーザークのACが動き出した瞬間。

 

彼のACは瞬く間に蜂の巣にされた。

 

 

『…五兄が良く言ってたんだよね?』

『な…』

『嘘ついていそうな奴はそいつの眼をしっかり見ろって?』

『スウィンバーン、小父さんも、言ってた。』

『…』

『貸し借りの、お金は、ちゃんと、返しましょう、嘘つきは、泥棒の、始まり、です。』

 

 

ラークとフェアリーは室内に入ると同時に双方の両肩に装備された遠隔操作武装を作動させていたのだ。

 

これにより相手が不意打ちや騙し打ちをしてきた場合に対応出来る様にしておいた。

 

当然、これも双方の過保護なナンバーズに教え込まれた方法である。

 

 

「こんな子供に…!」

 

 

ノーザークは動かなくなったACを乗り捨てて逃走しようとしたが…

 

ラークはコアユニットに隠していたスパナを奴の頭に直撃させた。

 

 

「逃がさないっての!」

 

 

続けてラークがコアユニットから降りて奴の顔面に蹴りを入れようとしたが…

 

これが幸か不幸か?

 

 

「あ?」

「が$&’&あ!U#T&!#!?」

 

 

頭部に直撃したスパナの痛みでふらつくノーザークの股間に直撃させてしまったのである。

 

 

「い、痛そう。」

 

 

フェアリーもコアユニットから顔を出して、その光景を目撃してしまい混乱。

 

 

「あっちゃあ…これ絶対気絶したよね?」

「…」

『お見事です、ラーク。』

 

 

ラークの武勇に称賛の声を上げるエア。

 

ラークを心配してコアユニットからフェアリーも降りて来た。

 

 

「ラーク、大丈夫?」

「うん、ヘーキヘーキ。」

 

 

泡を吹いて気絶するノーザーク。

 

ラークはコアユニットから捕縛用の金属紐を持ってきてノーザークを縛り上げた。

 

 

「エア、こいつの報奨金ってどうすれば貰えるかな?」

『債権者協会に報告と本人引き渡しで交渉が成立します。』

「ふうん、後でイグ兄にも聞いてみよっと。」

『それもそうですが……そろそろレイヴン達と合流をお願いします。』

 

 

エアもレイヴン達が心配しているとラークとフェアリーに伝えた。

 

 

「そうだね、フェアリー!こいつ運ぶの手伝って!」

「うん、分かった!」

 

 

ラークとフェアリーによって捕縛されたノーザークとACビタープロミス。

 

彼の生死は如何に?

 

 

その後、ラークとフェアリーはACに搭乗しパイプから気絶したままのノーザークを乗せたACを運び出してレイヴンらの元へ合流する為に移動を開始した。

 

 

=続=

 





※シンダー・カーラ

ドーザーの勢力の一つRaDの統括。
RaD加入からわずか半年で組織を掌握した実力者。

この話ではレイヴンらの事をウォルターから聞かされているが、あえて腕試しをさせる為にラミーを含めた配下に襲撃させた。
ちなみに、ラークらが起こした一件も監視映像でしっかり見ており…抱腹絶倒する位に笑いこけていたらしい。


※五花海(ウーフアハイ)

コールサインG3、レッドガンの三番手。
元詐欺師と言う経歴を持つ。

この話ではラークに対してG6レッドと共に勉強を教えている。
また、元詐欺師と言う経歴で培った相手の嘘を見抜く方法を教え込んだ。
他のナンバーズと共にラークの事を妹の様に扱っている。
ラークからは五兄と呼ばれている。


※ノーザーク

一攫千金を求めてルビコンに密航した独立傭兵。
多額の負債で債権者によって追われている。
グリット086のとある場所に隠れている。

この話ではラークとフェアリーに見つかり、一度は放置されるも…
彼女達のACの武装が何処にも流通していないカスタム武装であると勘違いし襲撃。
だが、返り討ちに遭い…ラークのスパナ投げと不可抗力の金〇蹴りを喰らって気絶すると言う末路を迎えた。


この話のノーザークよ、ロリ巨乳娘の股間蹴りで一応命が助かったのだから有難く思うがいい。
まあ、撃墜した方が彼の為にも良かったのかもしれないが…



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